「街のどこかで火の手が上がっても、ヒーローは決してあらわれない」
(篠原美也子“M78”2011年 より引用)
最近の何となくと言うか色々うまくいって実はうまくいかず、いつ壊れてもおかしくない日々を過ごしている中、ヒーローに救われたい、と不意に思った。
そんな中、お気に入りソングの中に、そうだ“M78”があったなぁ、と思い、聴いてみた。リリースから1年。何回も聴いてしまい、ことさら改めて歌詞カードを見て聴いたり、じっくり聴くよりは、聴き流してしまうくらいになってしまい、今さら感動も何もない。けれどしかし、好きな歌であることに違いはない。
そして昨日も話したが、この曲の中にも「夢」と言う言葉が出てくる。
「届きそうもなくて、叶いそうもなくて、だから夢と呼んで胸を焦がして。ひとつ叶うたび消える夢はきっと、幸せになれると信じていた」
(同曲“M78”より引用)
そして最後は、「見えない何かを信じた胸にきっと、ヒーローの星は輝き続ける」となっている。
夜空の何処かにある星に、希望や夢があるとはロマンチックではあるが、果たして今の自分に夢はあるだろうか?と我が身を振り返るもそこにはなく。
ちなみに、この“M78”が収録されているアルバム『花の名前』の歌詞カードの『あとがきにかえて』には、こうある。
「どこでもいい。誰でもいい。絶望や悲しみがあるのなら、そこに歌よ流れろ、と願います…中略…音楽は、少なくとも私の歌は、あらゆる絶望や悲しみにとって誠実な道化であれ、と考えます。」
今、何となく絶望や悲しみがある自分の現実に、この歌は流れたのか、と思う所。これまで大して見向きもしなかったものが、状況の変化から、再び私を惹き付けたのだろうか?
夢も希望もない、届きそうで届かず、叶いそうで叶わぬ夢なんてないけれど、絶望は確かにそこにある。暗闇に塗られた心の空に、星が瞬き光るならその星の名前は?