剣の達人たちの話である。
全部で8編。
「邪剣竜尾返し」
「臆病剣松風」
「暗殺剣虎の眼」
「必死剣鳥刺し」
「隠し剣鬼ノ爪」
「女人剣さざ波」
「悲運剣芦刈り」
「宿命剣鬼走り」
いずれの剣士も「海坂藩」の中級から下級の武士である。
そしていずれも、颯爽とした天下無双の、いわゆるカッコイイ剣士ではなく、藩勤めと生活の波の中でもがいている者なのである。
そのあたりが、この作者の物語を読むところで好悪のあるところである。
私も、藤沢周平はあまり読まなかった。
理由は「暗い」からである。
出てくる人々も、舞台となる海坂藩も暗いイメージがあって「気が進まぬ」ところがあったのだ。
しかし、近年は「なんだか落ち着いていていいかもしれない」というように評価が変動してきている。これは、藤沢周平が変わったのではなくて私の心根が変わってきたわけで・・・(当たり前だな)・・・つまりは人の心のアヤのようなものの一つとして、こういう形もあっていいんだろうなあ、と思うようになってきたのである。
チョイト本線から外れているが一言。
前記のようなことは、心が広くなったわけでも、人間が大きくなったわけでもなく、ただ、拒絶することのエネルギーが小さくなってしまったことによるものなので、なんだか自分としてはさびしいところもあるのだ。
さて、この8編のなかのお薦めは
「臆病剣松風」
「女人剣さざ波」
「宿命剣鬼走り」
の3編である。
この短編集には続きがあるらしいので読んでみようと思うが、なにしろ、これらを読み終えて颯爽とした気分とか、晴れ晴れとした気分にはなれないので、そのあたり、天候と自分の気持ちとを計って決めたい。
全部で8編。
「邪剣竜尾返し」
「臆病剣松風」
「暗殺剣虎の眼」
「必死剣鳥刺し」
「隠し剣鬼ノ爪」
「女人剣さざ波」
「悲運剣芦刈り」
「宿命剣鬼走り」
いずれの剣士も「海坂藩」の中級から下級の武士である。
そしていずれも、颯爽とした天下無双の、いわゆるカッコイイ剣士ではなく、藩勤めと生活の波の中でもがいている者なのである。
そのあたりが、この作者の物語を読むところで好悪のあるところである。
私も、藤沢周平はあまり読まなかった。
理由は「暗い」からである。
出てくる人々も、舞台となる海坂藩も暗いイメージがあって「気が進まぬ」ところがあったのだ。
しかし、近年は「なんだか落ち着いていていいかもしれない」というように評価が変動してきている。これは、藤沢周平が変わったのではなくて私の心根が変わってきたわけで・・・(当たり前だな)・・・つまりは人の心のアヤのようなものの一つとして、こういう形もあっていいんだろうなあ、と思うようになってきたのである。
チョイト本線から外れているが一言。
前記のようなことは、心が広くなったわけでも、人間が大きくなったわけでもなく、ただ、拒絶することのエネルギーが小さくなってしまったことによるものなので、なんだか自分としてはさびしいところもあるのだ。
さて、この8編のなかのお薦めは
「臆病剣松風」
「女人剣さざ波」
「宿命剣鬼走り」
の3編である。
この短編集には続きがあるらしいので読んでみようと思うが、なにしろ、これらを読み終えて颯爽とした気分とか、晴れ晴れとした気分にはなれないので、そのあたり、天候と自分の気持ちとを計って決めたい。