小説新潮に時々掲載されている「君たちに明日はない」シリーズ。
以前から気になっていたのであるが、最初から読まないと「なんだかなあ」と思っていたのである。
で、小説新潮11月号に掲載されている「やどかりの人生」を読む前に、とりあえず文庫になっている2冊「君たちに明日はない」と「借金取りの王子」を読もうと思ったのである。
その1冊目「君たちに明日はない」は『File1』から『File5』までの5話である。
それぞれ独立した物語とも読めるが時系列であるので、最初から読んで正解であった。
さて、この物語の主人公は村上真介。
リストラ請負会社である「日本ヒューマンリアクト㈱」に勤め、依頼された会社のリストラ、つまり首切りが仕事なのである。
この設定が、今まで読むことをためらっていた原因である。
明るい口調の文面なのであるが、実際にはやりきれない話なんだろうと、思っていた。「首切り」というのはやっぱりなんだかタブーな話であると思っているのである。
だが、読んでみるとなかなかにおもしろい。
自分のことは棚に上げて、こういう使えないヤツっているよなあ、と思うのである。
特に自分はこの会社に必要なんだ、と思い込んでいるヤツ。
こいつが、真介にコテンパにやられるとスッキリする。
だが、リストラはそんな奴等ばかりが対象ではない。
運の悪いヤツもいるのである。
File1では、41歳の女性社員のリストラの面接を行う。そしてその後この女性・芹沢陽子と真介は恋人の関係になってしまう。
そんなこともアリで物語は進むのである。
最初はリストラされる側に同情するのかと思っていたが、徐々に真介の目線、つまりリストラする側になって読んでいる。
しかし、辞めさせる理由なんてどうとでも作ることができるものだ。
その組織(会社)を引っ張っているのは、メインの2割くらいの人だろう。
その2割に入らない人はリストラの対象になるんだろう。
その場合の理由などいくらでもある。
気をつけなければ、と思う一方、そうなればそうなったまでのことだ、と思う気持ちもある。
「File3.旧友」では、高校時代の同級生をリストラしなければならないが、その旧友は仕事ができないわけでも、周囲との協調性が薄いわけでもなく、会社の合併によって、組織の力学関係からリストラの対象となったのである。
真介は、その旧友に新たな仕事を勧める。
会社に居場所がなくなったとき、リストラというのも決断の材料になる。
そんな思いもしたのである。
さあ、第2巻の「借金取りの王子」を読もう。
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以前から気になっていたのであるが、最初から読まないと「なんだかなあ」と思っていたのである。
で、小説新潮11月号に掲載されている「やどかりの人生」を読む前に、とりあえず文庫になっている2冊「君たちに明日はない」と「借金取りの王子」を読もうと思ったのである。
その1冊目「君たちに明日はない」は『File1』から『File5』までの5話である。
それぞれ独立した物語とも読めるが時系列であるので、最初から読んで正解であった。
さて、この物語の主人公は村上真介。
リストラ請負会社である「日本ヒューマンリアクト㈱」に勤め、依頼された会社のリストラ、つまり首切りが仕事なのである。
この設定が、今まで読むことをためらっていた原因である。
明るい口調の文面なのであるが、実際にはやりきれない話なんだろうと、思っていた。「首切り」というのはやっぱりなんだかタブーな話であると思っているのである。
だが、読んでみるとなかなかにおもしろい。
自分のことは棚に上げて、こういう使えないヤツっているよなあ、と思うのである。
特に自分はこの会社に必要なんだ、と思い込んでいるヤツ。
こいつが、真介にコテンパにやられるとスッキリする。
だが、リストラはそんな奴等ばかりが対象ではない。
運の悪いヤツもいるのである。
File1では、41歳の女性社員のリストラの面接を行う。そしてその後この女性・芹沢陽子と真介は恋人の関係になってしまう。
そんなこともアリで物語は進むのである。
最初はリストラされる側に同情するのかと思っていたが、徐々に真介の目線、つまりリストラする側になって読んでいる。
しかし、辞めさせる理由なんてどうとでも作ることができるものだ。
その組織(会社)を引っ張っているのは、メインの2割くらいの人だろう。
その2割に入らない人はリストラの対象になるんだろう。
その場合の理由などいくらでもある。
気をつけなければ、と思う一方、そうなればそうなったまでのことだ、と思う気持ちもある。
「File3.旧友」では、高校時代の同級生をリストラしなければならないが、その旧友は仕事ができないわけでも、周囲との協調性が薄いわけでもなく、会社の合併によって、組織の力学関係からリストラの対象となったのである。
真介は、その旧友に新たな仕事を勧める。
会社に居場所がなくなったとき、リストラというのも決断の材料になる。
そんな思いもしたのである。
さあ、第2巻の「借金取りの王子」を読もう。
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