読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

ニライカナイの語り部 -作家六波羅一輝の推理- 鯨統一郎 中公文庫

2010-03-01 21:37:48 | 読んだ
作家・六波羅一輝の推理第2弾である。
前作は「白骨の語り部」で、岩手県遠野が舞台であった。
ちなみに、今度土曜ワイド劇場でドラマ化されたらしい。(放送日は未定ということである)

そして今度は沖縄が舞台である。

作家:六波羅一輝は「イエスの語り部」という作品でデビュー。それはあまり知られていない出版社の文学賞で大賞を取りスマッシュヒットになった。
が、その後一作もかけないでいる。

忘れられた作家になった頃、彼は柳田国男の「遠野物語」を手にし小説の構想を得る。
さらに六波羅一輝の大ファンで彼に次の小説を書かせようと編集者になった北村みなみと出会い、みなみがと遠野へ取材旅行へ出かけ、そこで殺人事件にであう。

で、その事件があまりにも生々しくてまだ小説をかけていない。

そんなとき、また柳田国男の「海上の道」を読んで、沖縄のニライカナに一輝は惹かれたのである。

で、お約束どおりニライカナの取材ということで沖縄にやってきた、一輝とみなみ。
またしてもお約束の「殺人事件」発生。

このシリーズの一つのキーは「民俗学」である。
柳田国男の著作に刺激され小説の構想が浮かぶ、といったこと。一輝の父が民俗学者であったこと。
そんなことから、民俗学の知識・薀蓄がそこここに出てくる。

ちょいと軽めの六波羅一輝。それから登場する女性たちが「いい女」でありすぎること。さらにちょっと殺されすぎるのではないの。といったとことがキズといえばキズである。
また、意味のないフザケというか挿話が、砕けたカンジというより『なんなのさ』という思いを抱かせる。

というものの、鯨統一郎の他の作品のように「ふざけ倒した」ものではなく、本格的推理小説、ではある。
もっとも私は本格よりも変格とかのほうが好きなのであるが・・・

次は「京都・陰陽師の殺人」ということだそうで、ここまで読んだら次も読まずばなるまい。
だから読書はやめられない。

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