最初に、NHKのドラマを見た。
羽村晶をシシド・カフカが演じていた。
なんだこれ?
というのが印象であった。
というのは、近頃のドラマというかテレビ番組は、すごく説明が多いのだ(別な言い方では親切が過ぎる)。このドラマは説明が不足なのではないかと思うくらい、観ているこちら側に委ねている部分が多いと思ったからである。
それが、いやだとかは思わなかった。
むしろ、困難でいいんじゃないの、と思っていたのである。
それで、小説に挑んだのである。
そうしたら、小説のほうがまだまだ不親切なのである。
私はどちらかといえば、スイスイ読んでいく、一言一句の意味などそっちのけで、ひたすら「スジ」を追うタイプの読み方である。
その読み方で進めると、特に、読んでいる途中で時間が空くと、あれ?なんでこういう展開になっているんだっけ?
と、思うことが多いのである、
とうとう俺も相当いっちまったナ!
と思ったくらいである。
で、物語の最後は、落語でいえば「考えオチ」のようなので、たまには「エッ、エッ、どうなってるの?」と思うのである。
だからといって、面白くない、とは言えない。
面白いのである。
だって、主人公である羽村晶が女探偵というところが面白いではないか。そして舞い込む事件もナカナカ複雑である。
羽村晶その人も、ナカナカ不思議。
こういう人は、遠くで見ているに限る。
絶対、親しくなってはいけない。
そういう人は物語の主人公足りうるのである。
まだシリーズはあるのだが、こちらの気持ちが落ち着いたら読んでみよう。