読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

ひかりの剣 海堂尊 オール読物連載

2008-09-27 23:28:54 | 読んだ
オール読物に昨年の8月からほぼ隔月で連載されていた小説で、本年の8月号で終了した。全8話であった。

海堂尊といえば医療に関する小説、というのが印象であるが、この物語はちょっと違う。
登場する人物たちは医学部の学生であったり、医師(医学部の先生)であったりするのだが、医学的なところはほとんどなく、剣道に関する物語なのである。

ただひたすらに「剣道」の話なのである。
女性も登場するが「恋」という話題にはならない。

主人公は2人。
一人は桜宮・東城大学医学部の速水晃一、そしてもう一人は東京・帝華大学医学部清川吾郎である。

二人は全国の医学部の剣道全国大会である「医鷲旗」を巡って戦いを繰り返すのである。
速水は真面目な努力型の剣士。
一方清川は独善型の天才型の剣士。

大会は団体戦である。したがって、自分ひとりが強くても優勝はできない。
そこで、速水は練習に打ち込む。
清川は作戦を練る。
さて、その結果は・・・

くどいようであるが、この物語はただひたすら剣道に打ち込む医学生を描いている。
青春なのである。
さわやかなのである。
汗臭いのである。

そして大学生であるということと医学生ということから、剣道を通して自分の生き方というものを問う或いは生き方を探っているという、高校生の剣道や剣道専門の大学生とは違う展開となっている。

読み終わって、青春っていうのは本当にいい物語になるんだなあ、としみじみ思ったのである。

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