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読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

美しい名を持つ悪い所 岩井志麻子 小説新潮3月号

2007-03-06 22:23:50 | 読んだ
岩井志麻子の小説も出てくるヒロインは、あまり好きになれない。
というか、好きになるとあるいはそばによるとマズイことになりそうである。

そういうヒロインを文字の上から眺めることは楽しい。
自分の身に何も降りかかるものがないからである。

今回のヒロインもそういう人である。

韓国のタルドンネという貧民街に生まれた林珍英(イム・ジムヨン)がヒロインである。彼女の祖父は「色の黒いアメリカ兵」で彼女(ヨンア)も黒いヨンアと呼ばれた。そして彼女はスタイルがよい。

ヨンアは貧しさから脱出しようとした。
そしてイロイロなことをしたのだが・・・。

ヨンアにはなんというか同情はするが「ちょっとなあ」という気分のほうが大きい。貧乏から脱出しようというすごく強い上昇志向には感心する、そしてその行動力にも。

しかし、その方向性がヘンなのである。
そっちに行くか?!みたいな

岩井志麻子の小説の後味の悪さは「クセ」になる。
「あーあ」という気分で読み終わるのだが、次に岩井志麻子の名前を見るとまた読んでしまうのである。

ところで、題名の「美しい名を持つ悪い所」とはヨアンの故郷「タルドンネ」、日本語では「月の町」というのだそうだ。

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