企業のグローバル化という言葉が現れたのはそんなに昔の事ではない。日本を代表する企業であるトヨタ自動車は国を超えた国際企業である事は誰もが認めよう。では実体としてこのアメリカではどの様に事業を展開して来たのだろうか。
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トヨタ自動車のアメリカにおける事業展開地図
記号の解説
雇用と投資額の数値
各地域、そしてそこで生産される自動車を観て見ると、
これらの地図を観るとトヨタ自動車のアメリカにおける基盤は実に大きい事が分かる。
以下は、トヨタ自動車Wiki の一部から。
研究開発拠点
- トヨタテクニカルセンターU.S.A.(TEMA-TTC) - (1977年設立)
(本部)ミシガン州アナーバー : 技術調査、研究開発、現地車両設計
カリフォルニア州トーランス、ガーデナ : 車両評価、エンジン適合
アリゾナ州ウィットマン : 総合車両評価
- 日本国外におけるトヨタ最大の研究開発拠点。米国現地部品・材料の開発、車両評価やエンジン適合、技術調査などの研究開発業務、および、北米向けの製品の技術開発、現地生産車両の開発を実施。
- キャルティデザインリサーチ - (1973年設立)
- トヨタ初の日本国外でのデザイン開発拠点。米国向け車両デザインの調査・開発。
- TRD USA, Inc. - (1979年設立)
(本部)カリフォルニア州タスティン
(分室)カリフォルニア州コスタメサ、ノースカロライナ州シャーロット
- 北米におけるトヨタのモータースポーツの拠点。かつては関連会社のトヨタテクノクラフトの米国法人だったが、現在は米国トヨタ自動車販売の100%子会社。現在はNASCAR用マシンの開発・供給を手がける。かつてはCART/IRL用エンジンの開発・供給を行っていた。
生産拠点
上の地図で平面的に、解説で時間の軸を観てみると意外とソフトの部分(開発、研究)は1970年代にその基盤が始まった事を知る。実際に組み立て工場の建設(ハード)はそれからずっと後である。実はこれが企業の強みであるはずだ。
今日円高が続くから企業は海外に拠点を移す、或いはただ単に需要のある場所で生産する、といった表面的な事からだけでは説明が十分ではない。トヨタにおいてのそれは選択の一つだったのかも知れない。
トヨタカムリ、デイトナ500のオフィシャルカーである。
勿論、アメリカで組み立てられた、アメ車。
カムリベースのNASCAR
...市販カムリからの流用品はゼロです。
車を売るっていう事は車を売るだけにはあらずです。事業基盤というものを考えさせられる。
こうしてみるとアメリカにおけるトヨタの自動車事業は実にダイナミックである。