10代の最後の頃、ある山岳会のメンバーの方々と本州の中央にある山々を登っていた。足にアイゼンを履き、手にはピッケルとアイスハンマーを握り腰にザイルを繋いで凍てついた氷の壁をよじ登るのだ。高所恐怖症の自分は流石に怖かったし、何度か岩壁から否定されザイルにぶら下がり、その都度皆さんに引っ張って頂いた。
そういった山修行の中で2種類の大人を見た。
(種類と言う言い方を使う事をご容赦頂きたい)
人は極限状態になると本性が現れる。平常の生活の中では理性が働き精神は安定していても、アルプスの岸壁では違った。疲労、恐怖、寒さ、空腹、そして先が読めない不安が募ると...
ある人達は、ただ泣き出した。
そして、ある人達は、余裕を見せた。
...この違いはなんだろうか?と思った。
余裕のある人達はリーダー各の人達だった、ただ体力があるだけではなかった。
...
今年のニューヨークの夏は(糞)暑い!
日曜日、日中の気温は35度、湿度が高く汗がダーダー状態。
そういった中で、先日の友達から更なる土方仕事を頼まれる。
暑いから、今日は勘弁してよ!と断る事も出来たが、
アントニオ猪木のブラジル開拓の精神で、暑いこんな日の穏やかな日曜日だからこそ、
たまには極限を味わって見たいと思った。
...つーか、この日しか時間が取れないんだな。
猛暑の中、肉体労働に集中する。
暑いのは当たり前、筋トレではなくて、精神修行。
...オーバーランダーとしてのね。
作業を継続して3時間が過ぎる頃、流石にきついと(もうろう状態の中で)思った。
別に義務でもなく金を貰ってやる仕事でもないんだから、適当に止めてもいいんだが、
こういうきつい時って、あの山修行の光景がリマインドされる。
俺は、極限状態の中で余裕を見せる事が出来るのであろうか?
という問いが響く。
4時間を過ぎた頃、依頼された作業は終了。
暑さの中での肉体労働で体はガクガク、何も考える余裕は無い。
...水飲み過ぎ、食欲も無い。
極限状態や!
...しかし、だからこそ、
勝負はここからなんですよ!
これが夏の暑さに対抗する為の秘策、だったりして...。
無理は禁物!午後は昼寝でした。(笑)