ロクマルでいこう、60でGo!

" AS SLOW AS POSSIBLE AND AS FIRST AS NECESSARY "

ランクルの錆は寂美である

2014年06月09日 | LANDCRUISER

 “わびさび”という日本人の持つ独特の美に対する感性は質素で閑寂な情緒のある本質的な美の世界を現すと言われている。古いランドクルーザーと友に生活する事は錆との付き合いであるが、それは同時に寂びを思い、錆を寂美として受け入れる事によって錆からの負のストレスから開放され、もっと自由な感覚で古いランドクルーザーを楽しめる秘訣ではないだろうか。

 使っているランドクルーザーのボディの一部が錆びたっていいんです。

錆も楽しみましょうや!という姿勢が心を開放するのです。

 

 

と、このランドクルーザーFJ62を観て思った。

ニューヨークの静かな郊外で生活の足となっているこのFJには驚く。

 

 錆びて放置されているFJは今まで沢山観てきたが、実用に使われているFJでここまで錆びている物は希少である。拍手を送りたい...

 停まっている状態の立ち振る舞いから、外観は錆だらけだが機能的には整備の手が入れられている雰囲気がした。

 

錆によってボディの下部はほとんど喪失している。

おそらくリジッドの付け根のフレーム辺りも錆が侵食しているはずだ。

 

タイヤハウスの周りも錆び付き、錆を削ったらクルマの中と外が繋がるであろう。

 

かさぶたを捲りたいという衝動があるはずだが、捲らないでよく耐えている。

ボディの錆はまず下から発生し、 時間と共に上に上がってくる様子だ。

 

 オーナーには会ってはいないが、おそらくボディの錆を気にはしていないであろう。錆の繁殖を黙認する事で、ランクルは気楽な足となる。錆を寂美として年月相応、使用地域相応の変化をゆっくりと眺め、ボロカッコイイを楽しむ?査定価格や体面とは距離を置いて、錆を排除しようとする硬直した姿勢から、錆と付き合うというゆるい気持ちになった時にこそランドクルーザーを楽しむ事が出来るのじゃーないかと感じさせられた一台であった。

 

コメント (2)
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