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私の読書論176-読書週間に関する新聞記事から思ったこと-楽しい読書354号

2023-11-16 | 本・読書
古典から始める レフティやすおの楽しい読書【別冊 編集後記】

2023(令和5)年11月15日号(No.354)
「私の読書論176-読書週間に関する新聞記事から思ったこと」



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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2023(令和5)年11月15日号(No.354)
「私の読書論176-読書週間に関する新聞記事から思ったこと」
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 先日、新聞に<読書週間>に関する記事が出ていました。
 11月3日の「文化の日」をはさんで、
 10月27日から2週間(9日まで)だそうです。

 産経新聞で見た記事をもとに、思うところを書いてみます。

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 - <読書週間>は読書習慣を付ける機会に -

  ~ より良い人生のために ~

  「本を読むから偉い」のでなく「本を読んだから偉くなれた」!? 
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 ●月0冊が半数

2023年11月5日の産経新聞で見た記事によりますと、

活字離れ、月0冊が半数…本探しの一助に「選書サービス」
https://www.sankei.com/article/20231105-SFM3YMKRGJJZBD4YLJFOCSVJWY/


(画像:2023年11月5日産経新聞記事 活字離れ、月0冊が半数…本探しの一助に「選書サービス」より あなたは一ヶ月に何冊程度本を読みますか グラフ)

 半数の人が月に一冊も読まないというのです。

《9日までの読書週間も残りわずか。
 「秋といえば…」の代表格は「読書」だったが、
 活字離れがさけばれて久しく、あるアンケートでは、
 1カ月間に全く本を読まないとする回答が半数近くを占めた。
 原因の一つは「読みたい本が分からない」こと。
 そんな状況を変え、活字離れに歯止めをかけようと、
 編集者や書店員といった本の「プロ」がお勧めを紹介するなどの
 「選書サービス」がインターネット上で展開されている。》

というのですけれど……。

記事冒頭にもありましたように、
《「秋といえば…」の代表格は「読書」だった》のですが、
昨今では色々な娯楽や時間を潰す遊びも多く、情報源としても、
パソコンやスマホを使ったネットのSNSや動画サービスなども増え、
「本」に頼らなくても良い状況になっています。

そうはいっても、まとまった内容の知識を入手しようと思ったら、
本による方が安定した結果をえられるもの、と考えますけれど、ね。


 ●系統だった情報を入手する方法としては本が上では?

迅速かつ断片的な情報で良いのなら、ネット検索等で得られるものが、
手っ取り早いと思います。

ただ、じっくりと取り組むつもりなら、本による情報の方が、
自分の程度に合わせることもできますし、都合がいいはずです。

自分に合うレベルの情報をネットで探す方が、かえって時間がかかり、
結果的に内容理解までにかかる総時間数では
かなり不利になるのではないでしょうか。

系統だった知識を入手する方法としては、まとまった本による方が
結果的に速くかつ的確なものを得られるでしょう。


 ●「読書週間」と読書習慣

「読書週間」は、

《もともとは読書の力で平和な国家をつくろうと、
 先の大戦後まもなく始まった運動だった。
 文化の日を中心とした2週間は読書週間として定着し、
 読書の習慣をつける一助となってきた。
 しかし、現在、人々の読書に対する姿勢は様変わりしているようだ。》

といいます。

戦争に負けた?――戦争に至った?のは、文化の力の差だ、
という認識だったと記憶しています。

読書によって、物事を考える力を養おうというもの。

読書は習慣化することで身につけられるという考えで、
この「週間」をそのきっかけにしてほしい、ということだったのです。


 ●「本を読むから偉い」のでなく「本を読んだから偉くなれた」

読書について一言言いますと、勘違いしてはいけないこととして、
「本を読むから偉い」のでない、ということ。

ショウペンハウエル(昨今ではショーペンハウアーと表記するようです)
の『読書について』という名著があります。

岩波文庫他いくつかの訳書が出ています。
(私の手持ちの岩波文庫は1960年第一刷、1976年第18刷)



・『読書について 他二篇』ショウペンハウエル 斎藤忍随/訳 岩波文庫
改版 1983/7/1

・『読書について』アルトゥール・ショーペンハウアー 鈴木 芳子/訳
光文社古典新訳文庫 2013/5/14


そこにある有名な言葉――

 《読書は、他人にものを考えてもらうことである。》p.91
   ショウペンハウエル「読書について」
   (『読書について 他二篇』斎藤忍随/訳 岩波文庫)


同書収録の「思索」には、

 《読書は自分の頭ではなく、他人の頭で考えることである。》p.9

ともあります。

要するに、本を読むだけではダメで、
その上で自分なりに思索することで、
初めて自分の思想というものが生まれてくる。

それでこそ、読書の意義があるということなのです。

すなわち「本を読むから偉い」のでなく
「本を読んだから偉くなれた」というのが正しい理屈です。

これは一般人にも当てはまることだ、といいます。

 《作品は著者の精神のエキスである。(略)
  普通の人間の書いたものでも、結構読む価値があり、
  おもしろくて為になるという場合もある。
  まさしくそれが彼のエキスであり、
  彼の全思索、全研究の結果実ったものであるからだ。》p.99
   「読書について」

とも書いています。

私のような普通の人間の場合も同様であることを願っています。
私なりに考えた上で書いている文章ですので、
それなりに読む価値があるのでは、と。


そういう思索につながるものが本来の読書という行為です。


 ●「読む時間が確保できない」

さて、先の新聞記事の話題に戻って――

月に一冊も読まない、というのは、
やっぱり本好き、読書好きの私としては寂しいものがあります。

私自身、仕事で忙しかった時期でも月に一冊は読んでいたものでした。
本を読むことが私の心の安らぎでもあり、
“前進”感(物事を前に進めているという実感)
を抱かせるものでもありました。

読まない理由の最も多かったのは「読む時間が確保できない」、
3番目に多かったのが「読みたい本がない」だそうです。

時間に関しては、これは何事においても言われることですが、
要するに気持ちの問題ですね。
要はやる気があるかないか、です。
切実な理由があれば人はやるものなのです。
そういう切実な理由がない、ということでしょう。

もう一つは、先ほどもいった習慣化しているかどうか。
朝起きて顔を洗うとか、夜寝る前に歯を磨くとかと同じで、
一日に一度は本を開かないと落ち着かない、といったものです。

昨今、小学校では朝読という時間を作って、
子供たちに読書の習慣を付けようとしてきました。
小学生ではそれが一応の成果を出しているようです。
しかし、それが上の学年になるにつれて、失われてしまっている。

その辺の事情が、他の活動や遊びの時間の増加というところに、
原因があるというのでしょう。

しかし、実際には必要性の問題があるのではないか、と考えられます。
必要性を感じさせないので辞めてしまうということ。

勉強したい、研究したいという欲求があれば、
本を読むという行動につながると思うのです。

そういう目標を持たせるものがあるかどうかではないでしょうか。

○○を究める、というものですね。

イチローさんや大谷さんも、
若い頃に目指すべきものを見つけるということが大事だ、
とおっしゃっていますよね。

そういう目標のために本を読んで勉強する、という形ですね。
これなら、時間がない、などという気持ちにはなりませんよね。


 ●「読みたい本がない」について

次に「読みたい本がない」についていいますと、
先ほども書きましたように、自分の求めるものがあれば、
こういう現象は起きません。
よく言われるように、一冊の本から芋づる式に
次はこれその後にあれというふうに、
読むべき本、読みたい本が出て来るものです。

そういう目標を持たない人には、自分の好みにあわせて、
自分なりにガイド本を当たってみる、という方法があります。

自分の好みすら分からない、という人には、
最近、話題が出ている選書サービスというものがあります。

「フライヤー」というのは、ビジネス本、自己啓発本などを
その道の専門家(経営者や出版業界関係者、大学教授など)が紹介する
というもの。

あるいは、書店員やさまざまな経歴を持つ選書のプロが選ぶというもの。

というふうに色々な取り組みがあるそうです。

ただ思うのですが、基本的に本を読もうという意思がなければ、
このような選書サービスも心に引っかからないでしょう。

要は、いかに興味を湧かせるか、ということでしょうか。

いくら種をまいても、条件が整わなければ、芽は出ないわけです。
しかし条件だけ整えても、肝心の種がなければ……、というところです。


 ●書店の新形態――無人の店舗、コンビニ併設

最近テレビの情報番組でも、取り上げていましたが、
近年、急速に減っている書店について、新たな形態の書店が現れました。

この新聞記事にも出ていました。

無人の店舗だったり、コンビニに併設されているものだったり。

人件費が一番のネックという意味では無人店舗は、
これからの商業施設での必須条件になるかもしれません。
ただ、物を買うという行為での楽しみの一つに、
店員さんとのやりとりというものもあると思います。
そういう意味ではちょっと寂しいですよね。


コンビニとの併設なども、昔からあります。
他の物品販売業と協業するというパターンですね。

それは前回も書いたかと思いますが、悪くはないのですが、
あまり大きな変化は期待できません。

絶対的な救世主にはなり得ない気がしています。


 ●本屋さんの生き残りに期待

とにかく、本屋さんがなくなるというのが一番の悲劇だと思っています。
何らかの形で残って欲しい、という強い願望があります。

ふらりと入った本屋さんであれこれ見ることで、
「あっ、こんな本が出てる!」という偶然の出会いがあります。

それが本好きにとっての一番の至福の時間かもしれません。

私は、本屋さんにいるときが一番楽しい時です。
図書館も楽しみですが、本屋さんの方が、より新しい顔を見られる、
という点で楽しみが大です。

今の私があるのは、ひとえに本屋さんあればこそ、と思っています。
私の人生の一番の友、それが本で、その友との出会いの場が本屋さん、
なんです。

最近読んだ本に著者が「謝辞」のなかで
書店員さんにお礼を述べる文章がありました。

 《書店員の方々にお礼を申しあげたい。
  みなさんは読者の手に本を届けるというすばらしい仕事に従事され、
  この一年、信じられないほどの困難に直面しながらもその仕事を
  つづけてくださった。本と読書に対するみなさんの尽きることのない
  情熱と献身、そして<自由研究には向かない殺人シリーズ>の成功に
  おいて計り知れないほど大きな役割を果たしてくださったことに、
  心の底から感謝申しあげる。》

   ホリー・ジャクソン『卒業生には向かない真実』服部京子/訳
    創元推理文庫 2023/7/18


コロナ禍の感染拡大期には、
書店も一部では休業するところもありました。

地方の書店のみならず、都会の書店でも店舗の賃貸料の値上げ等で、
店をたたむところが増えています。

私は、書店・本屋さんは、地域の文化の担い手だと考えています。

がんばれ本屋さん!

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本誌では、「私の読書論176-読書週間に関する新聞記事から思ったこと」と題して、今回も全文転載紹介です。

今回は「読書週間」という読書の習慣を付けましょうという、年間行事に関連した新聞記事から感じること、思ったことを書いています。

私にとっては、読書=人生みたいなものがあり、月に一冊も本を読まないという人がいることが考えられない、というのが本当のところです。

そうはいいましても、私も子供の頃は必ずしもそういう人間ではありませんでした。
私が本を読む日々を過ごすようになったのは、中学3年の三学期が始まるお正月以降のことでした。
それまでは時に娯楽として本を読む時期があるという程度で、毎週漫画雑誌を読むことはあっても、毎日のように書籍を読むということはありませんでした。

そういう人間からみて、どうすれば本を読む習慣を身につけられるか、という観点から少し書いています。

どうでしたでしょうか。

 ・・・

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『レフティやすおのお茶でっせ』
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『レフティやすおのお茶でっせ』より転載

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