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アグルーカの行方

2015-04-12 15:18:50 | 
「アグルーカの行方 129人全員死亡、フランクリン隊が見た北極/角幡唯介」を読んだ。
以前、本ブログでも取り上げたが、本作品は2013年講談社ノンフィクション賞を受賞している。



表紙をめくって、北極点を中心に地図を見ると、
「北極圏て、こんな形になってるんだな」と思った。


1845年 英国フランクリン隊は、ヨーロッパとアジアを結ぶ
北西航路を探し求めて航海に出た。
(当時、アフリカの喜望峰はポルトガル、南米のマゼラン海峡はスペインに、
中東を通る陸路はトルコ系商人に抑えられていたため高い関税を支払う必要があった)
フランクリン隊の派遣はかなり大きな国家事業だったが、129名全員が死亡。
帰還者がいない、残った記録が非常に少ないこともあって、
この航海は大きな謎となっている。

著者は北極バカの相棒と供に、フランクリン隊の足跡を辿る3ヶ月の冒険に出た。
21世紀の地図上の空白が失われた現代、
アプローチの方法を変えることで『探検』に挑む。
しかし、この時代にこんな冒険をしてる人間がいるなんて!
その精神力の1%でもいいから分けて貰いたい。

本書を2/3くらいまで読み進めたところで、気付いた。
文章の構成は、自分の旅と先人のそれを引き合いに出しながら物語を紡ぐ、
という角幡スタイルだが、上手い、文章が上手すぎるのだ。何この安定感。
しかし、著者は、もうこのスタイルを手放したいそうなので、
次の作品はまた雰囲気が変わるかもしれませんね。


大きな旅にはタイミングが必要になってくる。

そう、その通りなのだ。
世界情勢、感染症、環境の変化、自分の気持の変化など、
次に行きたい!と思ったときに、そこへ行けるかどうかは分からないのだ。
と、いうことで、次の渡航先を決めた。
この本を読んだ後だと、とっても平凡な旅のように感じるけれど、
同じく言わせてもらいたい。

旅は今しかできないものなのだ。

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