工作台の休日

模型のこと、乗り物のこと、ときどきほかのことも。

冬の一日、小田急VSEに乗って

2022年03月01日 | 鉄道・鉄道模型
 今春の鉄道各社のダイヤ改正で一番驚いたのは、小田急ロマンスカー50000形(VSE)が定期運行から外れる、というニュースでした。ロマンスカーのフラッグシップ的な存在で、デビューしてから20年足らずでしたから、その(ちょっと早い)引退は私を含め多くのファンが驚いたわけです。引退については構造が特殊だからとか、いろいろと伝えられているところではあります。コロナ禍で観光需要が落ち込んでいるのも大きいのかなあとか考えさせられます。ロマンスカーと言えば私の子供時代は3100形(NSE)がエースであり、私鉄特急の「東の横綱」な感があり、私も大好きでした。NSEは引退前の夏に何度かカメラを持って沿線に出向いたものです。VSEについても小田急ロマンスカー伝統の連接車体と展望席を持ち、白く美しい車体も手伝って「孤高の存在」という感があり、私の好きな形式なのです。一度乗ったことがありましたが、そこからだいぶ時間が経ち、何とか乗りたいなというわけで、ある冬の日に乗車してきました。本来なら箱根まで行って、ラリック美術館のブルマン客車も見たいところですが、このところの感染状況もあって遠出は控え、もう少し手前の小田原までの往復となりました。
新宿駅に入線してきました。

前頭部など車体の一部に惜別マークがついています。


さて、今回は後尾車ですが展望席のチケットが取れました。思えば展望席に乗るのは初めてかもしれません。

出発前ですが、私の席からの眺めです。

車内販売もありませんので、駅の売店で紅茶を買い、席につきました。その昔日東紅茶が車内販売をやっていたせいか、ロマンスカー=紅茶というイメージがあります。
列車が動き出しました。しばらくはあまりスピードを出さずに走ります。平日ではありましたが、駅にもVSEをカメラに収めようという人を多く見かけましたし、車内も展望席は売り切れていました。途中、特急もあれば通勤型もありで、さまざまな列車とすれ違います。また、側窓も大きいため、景色も堪能できます。
 富士山もこの日は雪をかぶり、美しい姿です。

 小田原で下車する前に撮った展望席からの眺めです。

 小田原駅にて



 下車してお土産を買い、箱根湯本から折り返してきたVSEに乗って新宿まで戻りました。今度は展望席ではなく、普通の座席です。

 奇をてらったところがなく落ち着いた色の内装も好きでした。
 半日程度の短い「旅」ではありましたが、ロマンスカーを堪能しました。特別な何かがあるわけではないのですが、流れていく景色、すれ違う電車を展望席から見るのはことのほか楽しかったですし、帰りの車窓も同じくらい楽しいものでした。鉄道ファンとして(そうでない方も含めて)シンプルに「列車に乗るって楽しい!」という気分に改めて気づかせてくれるのがロマンスカーの魅力なのだなと感じました。それから、すれ違う姿を見ているうちに小田急の通勤車、8000形のキットが組みたくなりました。小田急8000、好きな形式の一つなのです。
 戻った新宿からちょこっと足を延ばし、参宮橋で走りの写真も撮りました。

 編成全体を捉えるとなると、ホームドアを持たず、ホームと撮りたい列車が走る方の線路が適度に離れ、ホームも直線の駅を探す必要があります。

 おまけ。駅の掲示板など、あちこちにVSEの面影を見ることができます。掲示板下の「おしらせ」の文字の隣にご注目

 





 

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