高校生のコンテストや先日のJAMなど、いい作品を浴びるように見ておりますと、こちらも手を動かしたくなります。ちょうどJAMの期間中にYFSブースでTOMIXのわらぶき農家が大量に放出されており、これを使って遊んでみようと思いました。会期の二日目の夜のことでしたが、自宅で早速色を塗り替えたりして遊んでみました。
TOMIXのわらぶき農家というのは、同社のNゲージのストラクチャーの中でも最古参に属する方で、かれこれ45年くらいたっていると聞いたことがあります。ちょうど我が家に鉄道模型がやってきたタイミングくらいですね。途中(といってもこの15年くらいでしょうか)、木の壁の色を茶系の色から黒っぽい色に変えた程度で、あとは付属のカラーパウダーなどがなくなったくらいでずっと市場に出ています。同社の「建物コレクション」でも農家は出ていますが、それを差し置いて大ロングセラーな製品です。
写真右が製品のままで、左が加工したものです。
では、早速色を塗り替えたものを見てまいりましょう。
作例1 Summer of '68
なるべく製品の成形色を活かすのと、作業時間が夜だったので、リビングでできる塗装ということで、溶剤を一切使わない方法をとりました。
地面はアクリルガッシュを使い、白っぽい土色となるようにしました。はじめから茶色ベースで混ぜていくと関東ローム層のような土色になってしまうので要注意です。
建物ですが、成形色を活かす、ということで水性塗料ファレホのブラックグレーを基調に、オールドウッド(古木色)などを少しずつ混ぜたもので黒っぽい木の部分を塗りました。白の漆喰やふすまの部分はは同じくファレホのオフホワイトです。製品では漆喰の壁にひび割れを黒で表現しているのですが、さすがにくどい感じもしましたので、カーキ色でなぞる程度にしています。また、井戸のパーツもありますが、こちらはファレホのロンドングレーという色にしています。この色、石の部分にも使っていますし、小さな納屋の屋根のトタン板にも使いました。
壁と地面が接するあたりは苔っぽい感じを出すためにダークグリーンを薄く溶いて塗りました。
屋根についてはカーキ系の色とライトグレー系に少量のダークグリーンを混ぜた色をごくごく薄く溶いて塗っています。
ここまでできたので建物に人形を配置してみました。トミーテック「ザ・人間」の農家の人々やカトーの家族連れ、公園の人々などから連れてきました。
都会から親戚の子供が遊びに来たような出会いの場面にしてみました。右側の小さな子供がちょっとびっくりして固まっているように見えますが、初めて出会ったいとこに驚いているのではなく、視線の先にあるおじいちゃんとおばあちゃんのそばにたたずむ大きな犬が気になっているのかも知れないですね。
ちなみに、作業時間は正味2時間でした。
この作例、早速JAMの最終日にブースに出しておきましたところ、わらぶき農家の売り上げにも多少は貢献できたようです。製品そのままでは「なんだかなあ」と思われるでしょうが、塗り替えて人形ちょっと置いただけで、立派な情景の完成です。
作例2 Autumn of '75
上記の加工例はイベントに合わせて急遽間に合わせた感もありますが、そのあとでもうちょっとこのストラクチャーに向き合ってみたいなあと思うに至り、ヨ〇バシのポイントでもう一軒ゲットしました。
今度は地面をタミヤカラーアクリルのXF57バフで塗りました。地面にところどころ水たまりがあるような感じを出したくて、タミヤエナメルのクリアーで再現してみましたが、あまりうまくできませんでした。
建物ですが、成形色のことは気にせず、より枯れた方向に振ってみました。木部については先ほどのファレホのオールドウッドをベースにブラックグレーを少量混ぜたり、グレー系の色を足したりしながら、自分の気に入る色を作って塗りました。
漆喰の部分はタミヤカラーアクリルのXF55デッキタンをベースにしていますが、こちらも後でベージュ、グレーなどを混ぜた色でウォッシングしています。
屋根についてはグレーを基調にカーキなどを混ぜて薄く溶いたもので塗っていきました。わらぶき屋根特有の「なんとなく黒ずんでいる感じ」が出せたのではないかと思っています。
納屋の方もだいぶくたびれた感じを塗装で再現しました。木の板をつないでいるのは金属なのか、だいぶ錆びているような感じを出してみました。作例1では薪を燃料としてまだ使っていたのか、束になって納屋の前に積まれていましたが、こちらはドラム缶が置いてあるので、燃料事情も近代化されたのでしょう。なお、ドラム缶はSWEETの1/144製品です。
こちらも人形を配置してみました。こちらもトミーテック、カトーの人形たちです。
制服姿の女の子は隣にいる女の子の友達なのか、親戚なのか分かりませんが、家族に挨拶している感じですね。
縁側にいるおじいちゃんおばあちゃんのところに来た孫でしょうか。
こちらは正味4時間程度でできました。
あらためて二つ並べてみました。
自分で言うのもなんですが、どちらも気に入ってます。素性がいいのでいくらでも加工できるのでしょう。人形についても数百単位で並べられたジオラマを見て感嘆するるのは自由ですが、こういう小さなシーンだからこそ生きてくるものもあります。人形のポージングなどで動きや意思が限定されてしまうのはある程度仕方がないのですが、そこからどんな会話や物語が生まれてくるのか、考えながら配置するのも楽しいものです。これらの建物が近い将来レイアウトにはめ込まれることを期待したい(って昔のTMSかよ)、なんてね。
ちなみに作例についた題名はいずれもT-SQUAREのバラードの曲名です。
今回の作業で使った塗料ほかの一部です。鉄道車両や飛行機とは違う塗装も楽しいものです。
TOMIXのわらぶき農家というのは、同社のNゲージのストラクチャーの中でも最古参に属する方で、かれこれ45年くらいたっていると聞いたことがあります。ちょうど我が家に鉄道模型がやってきたタイミングくらいですね。途中(といってもこの15年くらいでしょうか)、木の壁の色を茶系の色から黒っぽい色に変えた程度で、あとは付属のカラーパウダーなどがなくなったくらいでずっと市場に出ています。同社の「建物コレクション」でも農家は出ていますが、それを差し置いて大ロングセラーな製品です。
写真右が製品のままで、左が加工したものです。
では、早速色を塗り替えたものを見てまいりましょう。
作例1 Summer of '68
なるべく製品の成形色を活かすのと、作業時間が夜だったので、リビングでできる塗装ということで、溶剤を一切使わない方法をとりました。
地面はアクリルガッシュを使い、白っぽい土色となるようにしました。はじめから茶色ベースで混ぜていくと関東ローム層のような土色になってしまうので要注意です。
建物ですが、成形色を活かす、ということで水性塗料ファレホのブラックグレーを基調に、オールドウッド(古木色)などを少しずつ混ぜたもので黒っぽい木の部分を塗りました。白の漆喰やふすまの部分はは同じくファレホのオフホワイトです。製品では漆喰の壁にひび割れを黒で表現しているのですが、さすがにくどい感じもしましたので、カーキ色でなぞる程度にしています。また、井戸のパーツもありますが、こちらはファレホのロンドングレーという色にしています。この色、石の部分にも使っていますし、小さな納屋の屋根のトタン板にも使いました。
壁と地面が接するあたりは苔っぽい感じを出すためにダークグリーンを薄く溶いて塗りました。
屋根についてはカーキ系の色とライトグレー系に少量のダークグリーンを混ぜた色をごくごく薄く溶いて塗っています。
ここまでできたので建物に人形を配置してみました。トミーテック「ザ・人間」の農家の人々やカトーの家族連れ、公園の人々などから連れてきました。
都会から親戚の子供が遊びに来たような出会いの場面にしてみました。右側の小さな子供がちょっとびっくりして固まっているように見えますが、初めて出会ったいとこに驚いているのではなく、視線の先にあるおじいちゃんとおばあちゃんのそばにたたずむ大きな犬が気になっているのかも知れないですね。
ちなみに、作業時間は正味2時間でした。
この作例、早速JAMの最終日にブースに出しておきましたところ、わらぶき農家の売り上げにも多少は貢献できたようです。製品そのままでは「なんだかなあ」と思われるでしょうが、塗り替えて人形ちょっと置いただけで、立派な情景の完成です。
作例2 Autumn of '75
上記の加工例はイベントに合わせて急遽間に合わせた感もありますが、そのあとでもうちょっとこのストラクチャーに向き合ってみたいなあと思うに至り、ヨ〇バシのポイントでもう一軒ゲットしました。
今度は地面をタミヤカラーアクリルのXF57バフで塗りました。地面にところどころ水たまりがあるような感じを出したくて、タミヤエナメルのクリアーで再現してみましたが、あまりうまくできませんでした。
建物ですが、成形色のことは気にせず、より枯れた方向に振ってみました。木部については先ほどのファレホのオールドウッドをベースにブラックグレーを少量混ぜたり、グレー系の色を足したりしながら、自分の気に入る色を作って塗りました。
漆喰の部分はタミヤカラーアクリルのXF55デッキタンをベースにしていますが、こちらも後でベージュ、グレーなどを混ぜた色でウォッシングしています。
屋根についてはグレーを基調にカーキなどを混ぜて薄く溶いたもので塗っていきました。わらぶき屋根特有の「なんとなく黒ずんでいる感じ」が出せたのではないかと思っています。
納屋の方もだいぶくたびれた感じを塗装で再現しました。木の板をつないでいるのは金属なのか、だいぶ錆びているような感じを出してみました。作例1では薪を燃料としてまだ使っていたのか、束になって納屋の前に積まれていましたが、こちらはドラム缶が置いてあるので、燃料事情も近代化されたのでしょう。なお、ドラム缶はSWEETの1/144製品です。
こちらも人形を配置してみました。こちらもトミーテック、カトーの人形たちです。
制服姿の女の子は隣にいる女の子の友達なのか、親戚なのか分かりませんが、家族に挨拶している感じですね。
縁側にいるおじいちゃんおばあちゃんのところに来た孫でしょうか。
こちらは正味4時間程度でできました。
あらためて二つ並べてみました。
自分で言うのもなんですが、どちらも気に入ってます。素性がいいのでいくらでも加工できるのでしょう。人形についても数百単位で並べられたジオラマを見て感嘆するるのは自由ですが、こういう小さなシーンだからこそ生きてくるものもあります。人形のポージングなどで動きや意思が限定されてしまうのはある程度仕方がないのですが、そこからどんな会話や物語が生まれてくるのか、考えながら配置するのも楽しいものです。これらの建物が近い将来レイアウトにはめ込まれることを期待したい(って昔のTMSかよ)、なんてね。
ちなみに作例についた題名はいずれもT-SQUAREのバラードの曲名です。
今回の作業で使った塗料ほかの一部です。鉄道車両や飛行機とは違う塗装も楽しいものです。