工作台の休日

模型のこと、乗り物のこと、ときどきほかのことも。

地下鉄博物館へ 丸ノ内線開通70周年記念展 車両編

2024年08月31日 | 鉄道・鉄道模型

 模型の鉄道で8月はだいぶ楽しんだのですが、豚児を連れて先日は地下鉄博物館に行ってきました。ちょうど「丸ノ内線開通70周年記念展 車両編」も開催されておりまして(9/1まで)、そちらの特別展示も観てまいりました。

 

(展示会のパンフ。上に載っている模型はカトーの営団300形。以前RM MODELS/グリーンマックスの付録キットを組んだものもアップしましたが、完成品も後年買いました)

丸ノ内線と言うと子供時代のイメージでは銀座線の比較的落ち着いたオレンジイエローの車体色や他の路線のステンレス、アルミの銀色の車体にラインカラーという大人しい塗装の中で、真紅の車体に白い帯、白帯の上には銀色の「サインカーブ」と、地下鉄車輛だけでなく、日本の鉄道車輛の中でも目立つ存在でした。子供心に「なんでこんなに派手にしたのかな」と思ったほどでした。

 この特別展は昨冬に開催された「建設編」に次いで開催されたもので、文字通り車輌関連の展示が実物の部品、大型模型、写真などで構成されています。もっとも、こちらの車輌はいつでも見ることができますね。

初期の行先案内表示。車体側面についており、どちらかが光る仕組みになっていました。

 

前面方向幕の左右についていた方向標識灯

「サインカーブ」の実物もあります。

 

ドア上にあった路線図でしょうか。「西新宿」駅誕生以前です。

 

大型模型も充実です。

02系は20代~30代にかけて仕事で良く乗りました。

現在の主力、2000系です。「伝統の」サインカーブが復活しています。

豚児はこうした展示より模型のパノラマや、シミュレーターに興味津々で、豚児を膝の上に乗せて比較的簡単なシミュレーターを操作させていただたきました。線区、区間は選べませんが、私は東西線でした。久々に2ハンドルのコントローラーを握りました。

 

丸ノ内線の「赤い色」については、イギリスのタバコ「ベンソンアンドヘッジス」の缶の色を参考にした、というエピソードは有名ですが、以前もこのブログで書いたとおり、同タバコのブランドカラーは金色で、赤は王室の紋章などが描かれたトップ部分に使われた色です。仕事では何度となくお世話になっておりますし、これからは2000系にたくさんお世話になるんだろうなと思い、展示を見ておりました。

 さて、丸ノ内線は模型でもいろいろ持っています。02系もクロスポイント製キットを組みました。

アルミっぽさを出すために、銀色に15%程度の白を混ぜて吹き付けました。

 

大きなスケールでもこういう模型があります。

こちらは2003年に「営団地下鉄メモリアル」として当時の「帝都高速度交通営団」から発売された1/80、16.5mmの300形です。製造はイモンが担当していました。かなり珍しい製品としてご紹介した次第。

行先の「お茶の水」に注目

 

 

 

 

 

 

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

T-TRAKジオラマ ローマ・マエストラーレ通りを作る (3)

2024年08月30日 | T-TRAKジオラマ ローマ・マエストラーレ通り

 いくつか手元にやってきたストラクチャーでしたが、初めに組んだのがフォルマーの「ギフトショップ」でした。フォルマーしかり、ファーラーしかりですが、ヨーロッパのストラクチャーキットはGMのストラクチャーキットなどに慣れている身からすると驚くことも多かったです。

 まず、接着にほぞなどがないため、ほとんどが狭い面同士のイモ付けとなります。また、設計に「遊び」の部分が少ないせいか、仮組をして隙間なく組む準備をしておかないと、後でどこかに大きな隙間が開いて・・・となってしまいます(私もやったけど)。

「Coin」の看板は自作したものです。見えづらいですが建物横のブランド名の看板もレーシングカーのデカールから拝借しました。

 キット多色成型ですので、塗装をしなくてもそのまま組み立てても良いのですが、日焼けしたりもしますので、パーツがランナーについた段階で塗装しています。この建物の場合、白い部分はMr.カラー・グランプリホワイトで、壁のクリームはGMカラーのクリーム4号で、茶色い部分は同じくぶどう色2号をそれぞれ缶スプレーで吹き付けています。

 そして、欧州型ストラクチャーの特徴としてもうひとつ、それは内装でして、カーテンやショーウィンドウ内の展示、装飾などは紙に印刷されたものが入っています。この印刷された紙を折って組み立てて糊付けすることで四角い箱状のものができあがり、それを建物の内側に置くことで内装が再現されます。内装を紙にしているのは室内灯などを組み込んだときにプラスチックと違って光が漏れるのを防いでくれる効果があるからでしょうか。他の欧州製の建物でもそうですが、中でずれたりしないよう、建物の内側と紙でできた内装部分は両面テープや透明ゴム系接着剤で固定しています。

 また、この建物の左側のエレベーターか何かが入っていそうな部分ですが、装飾が施されたガラスをイメージした透明プラパーツの内側も紙です。ただし、これは私の好みでメタリックが入った市松模様の折り紙が買ってあって、それを使いました。

 最後に、Coinのロゴの看板などを取り付けて完成です。ネットから落としたロゴを自作デカールに出力、看板はプラ板で作り、ファレホの「Old Gold」を塗った後にデカールを貼りました。

 

 今回はもう一軒、バール「All'Ombla」の入っている茶色いビルです。

映画館やホテルとともに、近代的な建物群を構成していますが、こちら、カトーの「ジオタウン オフィスビル1」です。

こちらは完成品ですので、カラーを活かしつつも、ウェザリングを施してあります。また、1Fはバールと呼ばれるイタリアの喫茶店風にするため、写真では分かりませんが1F部分は立ち姿の人形を配置し、ウィンドウにはイタリアのバールということで日本でもおなじみセガフレード・ザネッティのロゴをデカールにして貼っています。直営ではなくセガフレードから豆などを買っているのでしょう。立ち姿の人形と書きましたが、イタリアのバールではコーヒーを飲む際に立って飲むより席に座って飲む方が料金が高くなります。もともと量の少ないエスプレッソを飲み、軽くおしゃべりをして、長居しないで出ていく人が多く(その分一日に何度もバールを利用するようですが)、バールでイタリア人が立っているというのは、そういう意味があるのです。

 お店の名前の「ALL'OMBRA」ですが、OMBRAにぱ「影」という意味があります。この建物は2階から上が前方に張り出していて、1階部分に影を作っていることから名づけられたとか。

 4階建ての建物ですが、4階に男の姿が。4階に探偵事務所を開いている私立探偵、という設定です。ハードボイルドに憧れていますが、実際はいなくなった猫を探したりといった「街の便利屋」稼業らしいことは、黙っておきましょう。

 2~4階はカーテンを入れてありますが、こちらはクレープ紙の折り紙から使いました。ちょうどカーテンに使えそうな淡い色がありました。

 さて、屋上の看板は製品には無く、プラ板、プラ材から自作です。左のミシュランのキャラクター「ビバンダム」はレーシングカーのデカールから、右側はイタリア映画の看板を差し替えられるようにしてあります。

 近代的で個性がそれほど強くない二棟の解説でした。このシリーズですが、今後2回は別のテーマのためお休み、また近いうちにマエストラーレ通りに戻ってきます。

 

 

 

 

 

 

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

T-TRAKジオラマ ローマ・マエストラーレ通りを作る (2)

2024年08月29日 | T-TRAKジオラマ ローマ・マエストラーレ通り

2-1大まかな街の配置を決める

 前回ではどんなテーマで作るか、という話を書きました。もう少し踏み込んで、街の大まかなつくりを考えてみましょう。

 路面電車が走る(ダミーでもいいから)ジオラマにしたい、と書きましたが、ジオラマに共通する手前の複線部分を軌道敷にして・・・というのも最初は考えました。しかし、いろいろな車輌が走るモジュールレイアウトですので、軌道敷の似合わない車輌もいるでしょうし、軌道敷に車輌の底部やスカート、スノープロウが擦ってしまう恐れもあります。結局、複線部分はそのまま使うことにしました。

 欧州のレイアウトやモジュールを見ておりますと「本線」部分は低いところに置き、街並みを一段高い位置で再現している例を見かけます。つまり、線路は切通しのところを走っていたりするわけです。たしかに駅などが一段低い位置に作られ、切通しとなっている事例は見かけます。このため、本モジュールでも「見せたい」街並みは切通しの上に展開し、線路は線路で本来の高さの上を走るという形にしました。路面電車の線路や道路がジオラマ手前の方に伸びていてるように見せるため、小さな橋をかけて本線をまたぐ形にして、、そこで立体交差にできたら、と当初は考えていました。

 こうして切通しと街、という基本的な考えがまとまり、古い建物と新しい建物を路面電車線路の左右に分けて並べ、その対比を表現する、ということもこの時点で考えたところでした。後は図面に簡単なスケッチを落とし込んだりということで具体的にすすめていきます。本人の想像とはだいぶ違った姿になったのですが、そのあたりの話はおいおいしてまいりましょう。

 

2-2 建物の調達開始

 ジオラマに必要な建物も徐々に集まってきました。「大物」の三軒の店舗付き住宅ですが、こちらはまだ円高の時に取り寄せたものです。ドイツ、ファーラー製で、製品の写真が厚紙の箱の上を取り巻き、それをシュリンクパックしています。

完成見本です。

この紙を取ると

こんなデザインの内箱にキットが入っていました。内箱のデザインは共通です。

 

そして海外ものではこちらも

フォルマーの「ギフトショップ」です。イタリアのデパートというのは日本などに比べるとこじんまりしており、デパ地下のような食料品売場も、屋上の庭園や小さな遊園地もありません。奥行きのあまりない(薄い)建物なので、重宝しそうです。

続いて教会ですが、ドイツ製のストラクチャーでは基本的にプロテスタントのそれになりますし、屋根の傾斜もドイツの方がかなり深いです。逆にトミーテックの「建物コレクション」で使えそうな教会があります。

このスタイルの教会、もとはれんが造りだったのですが、石造りのバリエーションも出ていたので、数年前に購入しました。

 

ホテルは同じくトミーテックの「昭和のビルC2」からです。

朝食はつくけどシングルルームはシャワーだけ、みたいなホテルとして使えそうです。

 

そして映画館です。

こちらは建物がピンクと、ちょっと派手目です。塗りなおした方がよさそうです。

そんなわけで建物も集まり始めたので工作開始、となりました。まずはこれらの建物の組み立てを1月くらいから始めました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

T-TRAKジオラマ ローマ・マエストラーレ通りを作る(1)

2024年08月25日 | T-TRAKジオラマ ローマ・マエストラーレ通り

 先日T-TRAKジオラマSHOWや国際鉄道模型コンベンションで展示しましたジオラマ「ローマ・マエストラーレ通り」ですが、今回から何回かに分けて、メイキングとまではいきませんが、ジオラマの見どころも含めての少し詳しいご紹介を書きたいと思います。

1-1 テーマとサイズを決めるまで

 以前からヨーロッパをテーマにしたジオラマを作ってみたいと思っていました。もともと日本型と同じくらいの情熱で外国型の鉄道模型を見ておりましたが、自分の好きなイタリアをモチーフにしたものが作れないかなあ、などと思っていました。私は都会生まれの都会育ちですから、自然の風景より街の風景の方が再現できそうですし、イタリアでは随分と街歩きをしたものです。イタリアの場合ですと、フィレンツェは「花の聖母寺」の存在感が強いですし、ヴェネツィアの場合は鉄道が入れるのは本島の端までと限定されていますので、あとはミラノかローマか、となります。自分の中ではミラノよりローマの方が人がせわしなくて「ドラマ感」があるように感じたものですから、ローマのどこかにありそうな風景、となりました。

 サイズの話になりますが、端から大きなレイアウトにするつもりはなく、モジュールで作って他のモジュールとつなげることができたらと思っていました。現在の日本では「路面モジュール」と呼ばれる主に路面電車を走らせるための小さなモジュールと、そこから生まれた(というか親戚筋のように感じられるのですが)T-TRAKと呼ばれる規格のモジュールが知られています(このあたりの誕生の経緯とかは、ネットで調べてください)。イベントやコンテストで各々が作ったモジュールをつなぎ合わせて一つの大きなレイアウトにできます。街の風景を作るために路面電車は欠かせないので路面モジュールでトライしようかとも考えましたが、建物を置いたりしていくとそれなりの面積が必要ですので、T-TRAKで作ろう、となりました。

 T-TRAKはこんな寸法となっていて、ルールが事細かに決められています(はずです)。はずです、と書いたのは、規格から逸脱したようなモジュールがときどき見受けられるからです。

(画像はT-TRAK2024 募集要項より)

ほぼ30cm四方のボードなわけですが、これを横に2枚使う「ダブル」というのもあります。私は「ダブル」で作ってみることにしました。MDF素材で組み立てるとこの規格になり、さらに複線線路がついたボードがカトーさんから出ていますので、それを使えばルール通りのモジュールは作れます。

建物を仮配置しているので見づらいのですが、建物の下に見えるのがボードです。この時点では完成時と建物の配置が違いますね。

 

1-2 どんな建物と景色を入れていくか

 このジオラマを作るに先立ち、もっと小さなサイズのジオラマを作っています。2019年6月の拙ブログで「トラムのジオラマを作った話」というのを書きました。この時に思ったのが、もっと大きくていろいろな建物が入ったジオラマにしたい、というものでした。まだコロナ禍前、円高の頃に欧州型のストラクチャーを取り寄せたりとかもしていましたので、自分の中で、これとこれは入れたい、というのがありました。

・やっぱり路面電車が(ダミーでもいいので)走る風景がほしいな

・イタリア風の大衆食堂(トラットリア)・・・食堂系のお店は人形なども入れると映えます。

・比較的リーズナブルなホテル・・・観光都市でもあるローマならではでしょう。豪華ホテルである必要はありません

・教会・・・カトリックのイタリアならではです。ローマはバチカンもありますし「宗教都市」な一面もあります

・バール・・・イタリア人なら一日に何度も利用すると言われ、日本式に言うと喫茶店でしょうか。イタリアの風景なら外せません

・名画座系の映画館・・・街中にあるのかは不明ですが、入れてみたいと思っていました。

これ以外にも、

・せっかくローマの風景なのだから、ローマ時代の遺跡の一部を再現したいな。フォロ・ロマーノのような大規模なところじゃなくて、街中に20m×10mくらいの小さな遺跡がぽこん、と出現しているところもあるぞ。

・街中に近代的な郵便局とかどうだろう。はたらくくるまが使えるぞ。

・ネットカフェとコインランドリーがついたビルで、上階がかなり安価なホテルになっているのとかあるよな

・日本とは違って規模の小さいデパートとかあるとにぎやかだよな

・そうそう、イタリアの街角と言うと「エディコラ」と呼ばれる新聞スタンドも欲しいな

などと置きたい建物、観たい風景のリストが増えていきます。図面の上だけで考えていた今年の1月時点では、これらすべてを詰め込めると思っていたのですから、妄想は自由です。実際にはそこまでのスペースを取るのは大変だったのですが・・・。

 既に買ってあったストラクチャー、キットなどもありましたし、ネットで購入した中古の完成品のストラクチャーもありました。先に建物があらかた揃った状態で、工作スタート、となりました。

 

 

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

静浜基地で買ってきたお土産のこと

2024年08月23日 | 飛行機・飛行機の模型

 5月の静浜基地航空祭にお邪魔した際に、お土産買ってきたのでご紹介します、と言いながらだいぶ経過してしまいました。

 そのお土産とはこちらです。

 数量限定、ということで売られていたF-86F時代のブルーインパルスの絵葉書セットです。

 もちろん未開封で、中には8枚の絵葉書が入っていました。

 

F-86Fの飛行姿勢は美しいですね。

F-86F時代は5機または6機で演技を行っていました。私は5機で演技するイメージが強いです。

地上の風景もあります。

オレンジスーツも鮮やかなパイロットたちが両手を広げていますね。

外装は封筒を兼ねていて、切手を貼って投函できるようになっていました。昔の絵葉書セットらしいつくりです。

簡単なチームの紹介もされています。

撮影のクレジットのところに「KIYOWO TAKAKURA」とあり、静岡を拠点に活躍されていた高倉清雄さんのことではないかと思われます。F-86Fブルーインパルスの撮影ではかなり有名な方だったかと思います。ブルーインパルスも当時は浜松がホームでしたからね。

どういう背景で作られたとか、いつ頃売られていたのかなど調べてみましたが、詳しいところまでは分かりませんでした。パイロットの顔が識別できれば、分かる方には分かるのかも知れません。当時の印刷技術もあってか、全般にあまり鮮明ではありませんので、絵葉書を見ながら往時のことを偲ぶことしかできません。おそらく1960年代末から1970年代初頭とか、そのあたりではないかと思います。

 「ブルーインパルス 50年の軌跡」(文林堂)によれば、こういった絵葉書はいろいろな種類のものが販売されていたそうで、本書でもこのセットともう一種類別のF-86F時代のセットが紹介されております。

 F-86Fが「退場」してから40年ほど経ちますが、今でも「ハチロク・ブルー」にはファンも多くいます。当時のグッズというのはなかなかありませんが、また入手できましたらご紹介しましょう。

 

 

 

 

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする