工作台の休日

模型のこと、乗り物のこと、ときどきほかのことも。

T-TRAKジオラマ ローマ・マエストラーレ通りを作る 番外編 車輌をつくる

2024年12月18日 | T-TRAKジオラマ ローマ・マエストラーレ通り

 今回のT-TRAKジオラマには実際には走らせることはできませんがトラムの線路も敷設していました。その車輛たちをご紹介しましょう。

1   現代的な3車体連接車

こちらはトミーテックの福井鉄道F1000形を塗り替えました。いったん1000番のサーフェーサーを軽く吹き、外舷22号(海軍の薄緑系迷彩色ですね)で上半分の緑色を、Mr.カラーのデイトナグリーンで下半分の色を吹きました。黄色い帯はデカールです。扉のところに赤い帯や緑の帯のデカールを貼り「ここから乗るorここからは乗り降りできない」の表示としました。

こちらは動力を入れてあり、自走もできます。

実際のローマの市電です。モデルはこの車輛です。多車体連接です。このあたりは石畳などもないアスファルト舗装のエリアです。

2 クラシカルな3車体連接車

お次はこちら。ちょっと古めの車輌です。

こちらもトミーテックの製品ですが、筑豊電鉄の2000形をベースにしています。こちらは日本の道路事情に合わせて左側通行に対応した製品ですので、扉を後尾車の方から先頭車(パンタグラフのある方)の進行方向右側に移植し、前方の窓を後方に移植しました。扉の窓ガラスのところに文字が印刷されていましたが、タミヤエナメルの溶剤を綿棒に吸わせてからこすって落としました。

切り継ぎ工作は何十年経ってもあまり得意ではないなあ。以前同じ内容の工作を行い、上の緑2色に塗り分けたものを作っています。

参考までに広電の路面電車(右側)を並べて見ました。

こちらも1000番のサーフェーサーで吹いてから彼の地の路面電車の独特なオレンジ色(私はトラフィックオレンジと勝手に命名しました)に塗りました。Mr.カラーの58番黄橙色からオレンジ、赤などを混ぜて作りました。最初は59番サファリオレンジから作ったのですが、明るすぎてあのくすんだような色が出ませんでした。なお、こちらは動力を入れず、中の椅子に人形を座らせています。

前頭部などは特にいじっていないので、筑豊電鉄そのままです。

車体にはさまざまな看板を貼りました。ネットから落としたロゴなどをラベルシールにプリントしています。切り継ぎ部を隠すという意味もあるんですけどね。

「ラ・レプブリカ」(地元・ローマの日刊紙)

「モンテ・ディ・パスキ・ディ・シエナ銀行」現存する最古の銀行だそうで、1472年創業だそうです。レオナルド・ダ・ヴィンチ20歳、マキアベッリ3歳の頃です。

「サン・ベネデット」彼の地のミネラルウォーターです。ローマでも見かけましたが、むしろフィレンツェ以北の北イタリアでよく見かけます。

反対側の車体から

「コリエレ・デッロ・スポルト」彼の地のスポーツ紙です。サッカー記事が充実している感じです。

こちらは「アウトスプリント」、日本の「オートスポーツ」のようなモータースポーツ専門誌です。イタリアに行った時に必ず買っていました。

モデルはこちらの2車体連接車です。なんとも言えない味がある車輌です。石畳などにもご注目

最後にこちらは路面電車ではありませんが、こんな編成も。

国際鉄道模型コンベンション会場では他のモジュールとつなげず、単体での展示でしたので、本線にこちらを飾っていました。

こちらも塗り分け的にはローマの路面電車風ですが、ローマの地下鉄、ということでだいぶ前にクロスポイントの営団(東京メトロ)02系を塗り替えたものです。動力車以外はクロスシートの内装を入れました。ロングシートの車輌もありますが、都市交通とは言ってもロングシートではなくプラ製のクロスシートを配置している場合もあります。

運転台の後ろにはローマ市の紋章をつけました。扉の横に丸いオレンジ色がありますが、これは扉を開けるためのボタンです。彼の地の鉄道車輛の多くは自分でドアを開けるタイプのものが多いです。外吊り扉になっているものもあり、その場合は左右の扉が合わさるあたりにノブのようなものがついていて、それをガチャガチャ動かして開ける姿をみかけます。なお、戸閉は乗務員が一斉に操作しています。

こちらは丸ノ内線の02系のイメージを崩すところまではいかず、ご覧になった方から「これ02系でしょ」とよく言われました。

 

 

 

 

 

 


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T-TRAKジオラマ ローマ・マエストラーレ通りを作る(12)

2024年12月12日 | T-TRAKジオラマ ローマ・マエストラーレ通り

 前回このテーマでお届けしてから1か月以上経ってしまいました。埴輪見たり、基地に(二つも)行ったり、本業も多忙だったりで相変わらずなのですが、本日もお付き合いください。

 ジオラマのディティールについてはこれでひとまず最終回です。

イタリア国旗とEU旗の建物ですが、その横にトラクが見えます。「EURO TRANS」というありそうな名前の運送業者です。これもカーコレクションのキャンターを塗り替えたものです。手前側にカトーのパルサーを塗り替えたパトカーと、緑色のワーゲンゴルフ(こちらはWiking 1/160)がいます。

政府機関とおぼしき建物から人出てきました。分かりづらいですがパトカーの奥に二人立っています。こちらは武装したお巡りさんで、もともとは100均で売っていた兵隊さんの1/150人形を塗装したものです。最近では特にそうですが、欧州でもテロ対策から警察官も重武装で防弾チョッキもつけて警備に当たっている姿をみかけます。パルサーのパトカーは国家警察の明るいブルー色です。実はこのパトカー、一部のモデラーさんから「カトーのパルサーを塗り替えたとは思えなかった。だまされた(笑)」とお褒めの言葉をいただきました。

 さらに線路の方向に向かいますと

市バスが走っています。こちらは「ワールドバスコレ」のメルセデスシターロバス・シルバー塗装で、メーカーのデモ塗装でしょうか。前面の行先表示も「CITARO」となっていました。車体裾を赤く塗り、行先も自作デカールで作ってローマのバスに化けさせました。

右手前側ですが、青いメタリックの方はカトーのクラウンを塗り替えたもの、その奥は1台100円の「中華ミニカー」を塗り替え、行燈をつけたタクシーにしたものです。

中に運転手、乗客を入れています。実際にローマ市のバスの中にはこういった塗装のものがありました。行先は「C.MASSIMO」とありまして、「チルコ・マッシモ」行となっています(実際に終点となっているかは不明)。こちらは古代ローマの戦車競技場の遺跡で、今も公園のような形で残っています。

ジオラマ右側、教会のあるあたりに目を向けてみましょう。

教会の手前の原っぱです。

トミーテックの人形を塗り替えています。いろいろなチームのジャージを着ていることから、みんな思い思いに集まってプレーしている感じでしょうか。ローマとラツィオもいます(本当ならチームの成績はともかくお洒落な柄のヴェネツィアも再現したかった)。背後のネットはタケダモケイの「パンチフィルム」で、透明板に模様が印刷されたものです。1mmのプラ棒で支柱を作りました。芝生はタミヤのテクスチャーペイントを使っています。タケダモケイの製品はジオラマ内の人形でも随分と使っています。

教会の向こう側から三人の男たちが何やら話しています(ピンボケですみません)。

子分「親分、俺たちが言っていた教会、あんな立派でしたっけ。それに教会の横にあった杉の巨木のなくなって、グラウンドになっている」

親分「このあたりで教会ってあれしかないぞ。杉の根元に俺たちが隠した・・・あっ刑事さん!」

刑事「お前ら娑婆に出てきて早速悪だくみか?あの教会はやめておけ。セキュリティが厳重になっているからな」

親分「とんでもない。またくさい飯なんて食いたくないですよ、それにしても随分人が集まっているな」

刑事「お前らあの教会のこと知らないんだな。しょうがねえ、塀の中にいたときのことだものな」

 

教会です。黒塗りの車やら、高位聖職者やら、さらにはテレビ局の中継車とにぎやかです。こんな会話が聞こえてきます。

「本日は枢機卿猊下にお越しいただき、ありがとうございました。おかげさまでこの教会もきれいになり、ラファエロの絵画の修復も済みました。空き地もグラウンドとして整備できましたので、憩いの場となっております」

「教皇様にもお知らせしましょう。何より、杉の巨木の上に落雷があって、その根元から大金が出てきたとは、まさに天からの恵みとしか・・・」

「このすぐ近くの私共の銀行の金庫から盗まれた現金が、このような形で見つかったというのは、これ以上にない喜びでした。このお金を寄付させていただくことで我々も社会貢献が・・・」

教会の入り口中央には枢機卿がいます。横には修道士と修道女も立っています。枢機卿はプライザーのフランチェスコ派と思われる修道士を塗り替えて高位聖職者になっていただきました。フランチェスコ派の修道士はアッシジの聖フランチェスコにルーツを持ち、簡素な衣装が特徴です。教会入り口のラファエロの絵はネットから落としたものです。イタリアの教会、美術館などでは、建物の入り口にこういったバナーやターポリンの幕が掲示されたりしています。

枢機卿の向かって左隣はラツィオ貯蓄銀行の関係者や市役所か政府の文化担当でしょうか。銀行から盗まれたお金が近くの教会の木の下に埋めてあって。ある夜の雷で木に直撃、倒れた巨木をどかしていたら・・・というのは、昔観たフランス映画のオチから採りました。

車列も立派ですね。

先頭のカラビニエリ(憲兵警察)のパトカーですが、1台100円のいわゆる「中華ミニカー」を塗り替えたものです。

そのあとにあまり似ていませんが90年代に発売されていたトミックスのベンツ、さらにその後ろはカトーのセドリックです。枢機卿は随分と立派な車に乗っているようです。パトカーの前方の芝生のグラウンドのネットには黄色いフィアット500の看板があります。これは実際の彼の地の広告をネットから落としています。

トンネルの上にはテレビ中継車が停まっています。イタリアの公共放送「RAI」のロゴが入っています。この中継車、その昔出ていたバンダイの「ワーキングビークル」を塗り替え、RAIのロゴを自作デカールで貼り付けました。

ここまで12回に分けてジオラマの話を書いてまいりました。人形についてはもっと一人一人にストーリーを持たせ、この人はどういう理由でここに立っている、または歩いているのか、どこから来て、どこに行くのかなどを考えながら配置したかったのですが、何分時間がなく、やっつけ仕事になってしまった感があります。

また、緑が少なくなってしまったのも致し方ないところです。本来はローマも街路樹がたくさん植えてあるのですが、このジオラマで街路樹まで再現すると建物や自動車、人形などが見えなくなってしまうというジレンマに陥ってしまい、結局植えなかったという経緯があります。これが田園風景なら自分の好きなように木を植えることも可能ですが、都会の風景ですとこういう難しさもあります。

さらに言えばローマはもっと黒ずんだ(失礼)と言いますか、決してきれいな街ではありません。でも、あまりそういう部分を無理に再現するのも悪趣味だなと思いまして、きれい目な方に振らせていただきました。ジオラマをご覧になった他の作者さんからは、ローマというよりバルト三国とか、もっと北の国の風景がモデルではというコメントもありまして、なるほどなあ、というところです。

JAMに来場した私の模型仲間の一人は、さまざまな市販パーツを転用したり、時には食玩の軍用ワーゲンを塗り替えたりということで「アイデアの勝利だね」といったニュアンスの感想を述べていました。私自身もお金に糸目をつけないようなことはできませんので、いきおい市販品をなんとか自分の力量で他に転用したりといったことをしています。某バンドのCDの惹句ではありませんが「ジャンルを無視、アイデアを駆使」というところでしょうか。

 またT-TRAKジオラマショーに出展した際には「神は細部に宿る」ことが好きな高校生たちが目いっぱい近づいて見てくれており、こちらもそのたびに説明させていただきました。この時にもアドバイスしたのですが、例えば1台100円のミニカーもただ置くだけではなく、色を塗り替えたり、最低でも灯火に色を差すくらいの一工夫でだいぶ変わりますよ、市販品でも手を加えるとオリジナルになります、といったことをお話ししました。また、お金をかけずに他の製品、キットから転用できるものや、模型屋さんの店先で何らかの理由で「アウトレット価格」となっているものもありますので、経費を抑えたいという(特に)学生モデラー諸氏におかれましては、アイデア次第でジオラマ、レイアウトにも活用できるものもあるのではと思います。強豪校に叶わない、と思っている学生モデラーさんには、まずはこういったアイデアの部分を磨いてみてはいかがでしょうか。自分が考えたアイデアだけならタダですよ。

 さて、ミリタリーものはともかく、鉄道模型に関して自分が作るジオラマは、空想も含めて割ときれいな世界を切り取っているように思います。今回のジオラマのサイズのものとなりますと、学生時代につくったものがありますが、仕事を持ちながらここまで作っていくというのは、やはり苦労が伴いました、また、8月の数日のために間に合わせたような作りの箇所があり、早速ガタが出ています。少しレストアさせていただく予定です。

 ひとまずローマ・マエストラーレ通りの記事は結びとしますが、次回は番外編として電車ネタを書いていきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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T-TRAKジオラマ ローマ・マエストラーレ通りを作る(11)

2024年11月02日 | T-TRAKジオラマ ローマ・マエストラーレ通り

 このところブログの更新ができていませんでした。仕事が忙しかったり、体調(それも腕とか手とか)を悪くしてしまい、運動もしていないのに「テニス肘」と診断されました。普段使うことが少ない左腕だから・・・と言えるものでもなく、元来左利きだったのを右に矯正した経緯があり、左が上手に使えないというのは不便なものです。仕事の作業環境にも問題があるんじゃということで、気を付けていたつもりだったのですが・・・。

 前置きはこれくらいにして、マエストラーレ通りの人や車の話の続きです。

交差点のラツィオ貯蓄銀行の前で二人の男が鉢合わせ、なにやら始まりそうな気配です。

赤茶色の服の男「おい、口惜しかったらスクデット(セリエAのタイトルのこと)獲ってみろよ」

水色の服の男「お前のレプリカジャージ、ナカタの時代のじゃないか。最後に優勝したのいつの話だよ。口惜しかったらイタリア杯くらい獲ってみろ」

赤茶色はASローマ、水色はラツィオと、ローマに本拠を置く二つのサッカーチームのサポーターが「ローマダービー」で舌戦です。なかなか優勝に届かない両チーム、同類相憐れむというのでしょうか、このあとぼやきながら「話の続きはバールでしようぜ」とパール「オンブラ」に仲良く入っていったそうな。この二人、似たもの同士ですが当然のことで、カトーの「若者」のセットのうちの1体です。手前に信号機が見えますが、カトーのジオタウンのものです。右側通行で使えるように、灯火の位置を変えたりしています。柱の色は黄色や深緑に塗られていることが多いようです。

ちなみに建物の上の方でも両チームのフラッグが掲示されて「ローマ・ダービー」です。

左がラツィオ、右がローマです。

この建物のアップ

抱っこされた子供が通りの様子を眺めています。右側のトラットリアの入った建物、窓枠から伸びる桟の部分が曲がってますね。

ラツィオ貯蓄銀行の建物の近くにはこんな自動車が

黄緑色に塗られたのは何とキューベルワーゲン。「ワールドタンクミュージアム」の製品を塗り替えたものです。

そしてCD、本屋さんのそばには

オレンジ色のシュビムワーゲンもいます。こちらもワールドタンクミュージアム由来です。なお、左から、前回も紹介したTOMIXのクラウンワゴンを塗り替えたもの、中央はいわゆる「中華ミニカー」のミニバンタイプです。色を塗ってデカールで帯を再現して、商用車っぽい感じを出してみました。

これらの「軍用ワーゲン」については好き者がオフロード車代わりに使っているという設定にしましたが、私の模型仲間から「これってどこで買ったの?」と聞かれ、かくかくしかじかと説明したら「そうか、その手があったか」と感心されました。

交差点に戻りまして、こちらの一台も。

ローマとラツィオのサポーターを横目に交差点に進入しているのはおなじみフィアット500です。津川洋行製です。本当はもっと欲しかったのですが残念ながらこの1台のみです。その手前に見えるメタリックのセダンはカトーのク5000に積載するクラウンです。これに限らずこのジオラマに登場する自動車はほとんど彩色、色差しをしています。

銀行の建物の周囲にもローマ名物路上駐車だらけです。手前の黄色い自動車はWiking製1/160ですが、多くはカトーの「90年代日産車」、「90年代トヨタ車」によります。奥にはガンメタリックのパルサーと赤いヴィッツ(欧州大陸なのでヤリスかな)が見えます。パルサーも欧州車にありそうなハッチバックをイメージしています。このくらいのサイズの自動車は小回りもききますので、メーカーはさまざまですが都会でよくみかけました。

 右奥から青いメタリックのセドリックが発進しようとしています。こういうのは動きがあっていいですね、と鉄道模型にあまり詳しくない方からもお褒めの言葉をいただました。ありがとうございます。それぞれのお店の前も人でにぎやかですね。

真上からのぞき込むとこんな感じです。一番左側のバンもWikingの1/160です。

 トラットリア(食堂)の周辺です。

ここにも銀色のヤリスが停まっています。店の前にグレーのスーツを着込み、ビジネスバッグを持った一人の男が立ち、何か迷っているようです。「セッテベロ?ずいぶんとベタなネーミングだなあ。さっき中華もあったし、ピッツェリアもあったよな・・・。いや、ここは初志貫徹、今日はローマ料理を心ゆくまでいただくんだった」ということで、どうみても「孤独のグルメ」ですね。おそらく30分後には「なんだかすごいことになってきちゃったぞ」となるわけですが・・・。

トラットリアの二階ではプランターに水やりしている人も見えます。プライザーの人形にありました。

プランターはキャラクターモデルのサポート用のパーツで出ているノズルのパーツから作っています。窓の左右に成型時のピンの跡が残ってしまっていますが、これをきれいに修正するのもきついので、模様と思って残しました。

ジオラマの手前側、古代ローマの円柱がある方も見てみましょう。

犬を連れている人、赤ちゃんをのせた乳母車を押しているお母さんなど、そして右側には教会に向けてカメラを向けている人も見えますね。乳母車とお母さんの人形ですが、金属製のイギリス製品で、国際鉄道模型コンベンション期間中にメディカルアートさんのブースで買ったものでした。旧ローマ街道の石畳の上でベビーカーを押すのは至難の業です。赤ちゃんはこのスパルタンな乗り心地を案外喜んでいるかもしれませんね。石畳は津川洋行製ですが、周りの四角い敷石のように見えるのはカトーの側溝(の蓋ですが)を切り出しています。薄いプラパーツですので、こうした用途にも使えます。

円柱近くのベンチに腰掛ける人たち。緑のベンチの人物が持っているのは本と思ったら・・・「おはようフェルプス君。写真の男は・・・なお、このテープは自動的に消滅しないのでそれぞれの自治体のルールに沿って処分・・・」できるかよ!と憤っています。昔のテレビドラマ「スパイ大作戦」では、変な場所に任務を説明するカセットテープレコーダーがあって、それを再生するところからドラマが始まります。80年代末ににリメイクされたときは小さなディスクになっていましたっけ。そしてこちらのトラックです。

「The Hartford and Globe Repartry companies」ですが、ドラマに登場する主人公たちの協力者として写真だけで登場するグループです。実はこれ、カーコレクションのキャンターを塗り替えたものです。2トン車を欧州で見かけているかはともかく、商用車も必要ですからね。

だいぶ長くなりましたので次回に続きます。

 

 

 


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T-TRAKジオラマ ローマ・マエストラーレ通りを作る(10)

2024年10月23日 | T-TRAKジオラマ ローマ・マエストラーレ通り

 久々にこちらに戻ってきました。今回からは人形や自動車といった街を彩るアクセサリー類を、建物や場所別に書いてまいります。

10-1 映画館

「オリオン座」では「さらば友よ」と「狼の挽歌」が上映されていますが、左側にはこれからチケットを買おうとしている男が、そして出入口には映画館から出てきたような感じの男が2人います。気分だけはチャールズ・ブロンソンです。

建物の上にも誰かいますね。

幕間で時間ができたのか、椅子を持ち出して座る男。この映画館の映写技師でしょうか。その昔、TOMIXがプライザーの人形を販売していたときの中の一体です。パイプか何かを口にくわえています。ニューシネマ・パラダイスでフィリップ・ノワレが演じた映写技師アルフレードをどこか意識して配置しました。

そして建物の縁に座るこの男は・・・

果たして何者なのでしょうか。これは某時代劇にストーリーとは関係ないところで出てくる「屋根の男」を意識しています。

 

10-2 新聞スタンドとワゴン車

新聞スタンドは以前ご紹介しました。新聞を選ぶ客、既に買い物を済ませてスタンドを後にする客(右)とさまざまです。

自動車は昔TOMIXから発売されていたクラウンのワゴンで、正直あまり似ているとは言い難いのですが、成形色ではなく、緑色系のメタリックを塗って、灯火類を色差ししました。

10-3 バール周辺

 

バールの前に停めた赤い車ですが、トミーテック「カーコレクション」に「ハコスカ」こと昔のスカイラインが入っておりまして、こちらをいじって(主にフロント部のライトやエンブレムなど)、アルファロメオ・ジュリア風にしました。塗装も一度はがして塗りなおしています。丸く大きなライトはプラ材から、逆三角形のアルファロメオのエンブレムはプラ板を小さく切り出しています。赤い車の手前、上着をなびかせてバールから飛び出した男はこちらもTOMIXが昔プライザーと組んでいた頃のおなじみ「歩行者 下町」のセットの一体です。

 

10-4 ホテル周辺

ホテル・マエストラーレの前には一台のタクシーが停まっています。ちょうどお客さんを下ろし、次のお客さんが乗り込もうとしているのでしょうか。こちらはTOMIXから昔出ていたクラウンのタクシーです。ローマのタクシーはみなアイボリーに塗られていて、このジオラマに登場するタクシーはみなGMカラー21番のアイボリーAに塗られています。灯火の部分は黄色です。TAXIの文字は自作デカールによります。

 

10-5 デパート「COIN」周辺

小さなデパートの横にもタクシーが横付けされています。こちらはカトーの「90年代日産車」よりセドリックを塗り替え、行燈を別に取り付けたものです。イタリアでは流しているタクシーを捕まえる、ということはあまりなく、広場などに「タクシー乗り場」が用意されていて、タクシーが何台も客待ちしていることが多かったと思います。もうちょっと大きなサイズでジオラマを作っていれば、車種も多種多様なイタリアのタクシーを再現できたところです。日本のようにジャパンタクシーか、クラウンかセドリックあたりでおしまい、ということはなく、イタリアのタクシー実にさまざまな車輌が使われています。冷房のほとんど効いておらず、シートも安っぽくて車内が埃っぽいフィアットもあれば、アウディのワゴンに乗ることができて今日はラッキー!という日もありました。フィアット・ムルティプラなんていう珍しいくるまに出くわすこともありました。

 

小ネタ満載、マエストラーレ通りのくるまと人形の話はしばらく続きます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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T-TRAKジオラマ ローマ・マエストラーレ通りを作る(9)

2024年10月11日 | T-TRAKジオラマ ローマ・マエストラーレ通り

9-1  切通しの造形について

 切通し部分ですが、津川洋行製の材料、パーツを多用しました。

擁壁部分には津川洋行の「ニューデザインプラスチックペーパー」を使っています。成形色はグレーですが、GMカラーのねずみ色1号を吹き付けた後、ウェザリングを施しました。真ん中のあたりの高さのところに排水口があるという設定にしたので、ピンバイスで穴をあけて金属製のパイプを差し込み、水あかをウェザリングで表現しています。また、こういったところにお約束のグラフィティ(落書き)もあります。AFV関連のデカールでこういったものが多く出ていますが、右側のものはAKインタラクティブというメーカーのものです。このDJの横にはイタリア語で「無意味、無意味」と歌詞が書かれています。

左の緑のお化けは家人が考えたキャラクターを拝借しました。

なお、高架部分の作りも含めて、現物合わせになってしまった箇所があり、大きな隙間ができてしまいました。

看板の下側がそうなのですが、スチレンボードの端材をあてがい、プラ材をつけてダクトか配管の跡のような感じにしました。

なお、上部にある看板ですが、左側が「BIG FRUT」というゼリーキャンディーです。甘さと酸っぱさのバランスがよく、お土産で買うと喜ばれました。一時は輸入されて買うこともできたのですが、こちらはずっとイタリアでしか買えなくなっています。

隣は「サン・ベネデット」というミネラルウォーターで、こちらは日本でも売っています。炭酸がそれほど強くない炭酸水がお気に入りで、現地でもよく飲みました。

9-2  トンネル周辺

トンネルポータルも津川洋行製です。こちらは一度、Mr.カラー31番に塗って、そこにウェザリングを施しました。

また、教会の手前側にはサッカーのグラウンドを作りました。地面はタミヤの「情景テクスチャーペイント」にしました。芝生が随分と荒れています(汗)。ネットは建築模型の材料から持ってきました。1mmの丸棒を支柱にしています。

 

教会の周辺から古代の円柱が建つあたりは独特の舗装になっています。

こちらも津川洋行のニューデザインプラスチックペーパーの玉石です。古代ローマ街道の一部が現代に遺されているという感じですので舗装も摩耗しています。玉石の両脇には、カトーの側溝のふた部分のパーツを敷きました。石畳もそうですが、これはそれ以上に歩きにくそうです。

さらにこんな円柱があります。

実物なのかレプリカなのかは分かりませんが、古代ローマのマイルストーンです。パイプ状のプラ材を切り、プラ材の丸パーツを乗せ、アイボリーに塗った後でごく薄く溶いたグレーをちょぼちょぼと塗り、碑文ぽく作りました。実際には各都市までの距離とかが彫られていたようです。

 

9-3 高架部分

「マエストラーレ通り」から手前に延びる高架線ですが、スチレンボード、プラ材などから作っています。柱はプラ材です。コンクリの質感を出したかったのですが、鋼板を巻き付けた感じになってしまいました。高架やトンネルポータル上の柵というか壁については、やはり津川洋行のデッキガーター橋、グリーンマックスのデッキガーター橋のキットを加工して取り付けました。津川製品は茶色や緑色のモールドがありますが、塗装をして、ウェザリングも施しています。

 

さて、以前も書きましたが、上から見ると分かるように、行政機関は高架の方に半分近くはみ出していますし、教会もトンネルの上と言っていいような場所にあります(人形、車などを配置する前に撮影)。

行政機関の建物についてはいくら二階建てとはいえ、普通なら頑丈な基礎の上に建てるでしょう。教会についても静謐さを求められる環境ですから、ひっきりなしに列車の振動、騒音が出る場所の上に教会と言うのはあり得ないでしょう。19世紀に統一したイタリアはローマ・カトリック教会と折り合いが悪かった時期がありますので、教会なんて邪魔、とばかりにその下にトンネルを掘ったのかも知れませんね。

 

これで建物関係は完了、あとは人形、車を配置していくことになります。

なお、本ジオラマ裏側はこんな感じになっています。

左側3胸の建物の下から伸びている配線はトミーテックの電飾キットにつながっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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