先日まで航空自衛隊のバンパイア練習機の話を続けてまいりましたが、本来はイギリスをはじめとした国々で多く使われていた機体であります。当然エアフィックス1/72のキットもイギリスの機体を中心に再現できるわけで、それらを組んでみました、というお話です。なお、今回ご紹介する作例を組んだのはだいぶ前のことであり、このブログでご紹介することは前提としておりません。あくまで自分が楽しみのために組んだものですので、出来の方もそれなりとなっています(おまけに保存が悪かったのか、いくつかの機体はピトー管も折れています。やれやれ)。なにとぞご了承ください。
当初発売されていたキットは、イギリス空軍のラウンデル(蛇の目)が入った二種のうちどちらかを組めるようになっていました。
右側は練習機として使用されていたもので、オレンジの帯も鮮やかです。
模型ではMrカラーのサファリオレンジで塗っています。
左側の黄色い帯の機体は、現存する唯一の飛行可能な複座型バンパイアだそうで、保存団体の手で大切に整備され、現在でもエアショーで飛行するなど、元気な姿を見ることができます。保存団体がSNSに動画などを投稿していることもあり、遠く離れた極東の地でもスマホで雄姿を見ることができます。この保存されている機体、テールブームに保存団体のurlが目立たないように記載されています。第二次大戦中に開発された機体とインターネットという組み合わせが面白いですね。
バンパイア練習機は世界各国で使用されましたが、ほとんどの国が銀色の機体で、視認性を高めるためにオレンジ色の帯を巻くなどの処理をしていました。ところが、銀色以外の塗装で使用された例もいくつかあります。スウェーデン空軍では、この国の少し古い機体ではお馴染みの上面オリーブドラブ、下面ライトグレーという塗装でした。
作例では「XTRADECAL 72-173」バンパイアの海外ユーザーの入ったデカールを使用しています。
塗装指示によると上面はFS24079ということでMrカラー309番が近いところですが、Mrカラー12番のオリーブドラブでもいいと思います。
下面色のライトブルーグレイは近似色もなく、RLM78ライトブルー(Mrカラー118番)が強いて言えば、というところです。作例でもこの色をベースに調色した記憶があります。主翼などのオレンジ色はサファリオレンジですが、機首のオレンジ色の帯は、昔懐かしいモデラーズの蛍光オレンジ色のデカールをコンパスカッターで6ミリ幅に切り出してから使いました。
この機体、完成してから1年どころではなく時間が経過しているのですが、つや消しクリアーのコーティングが悪かったのか、主翼の王冠マークなどのデカールが完成からだいぶ経ってからひび割れを起こしてしまい、改めて手持ちのデカールを貼っています。
さて、キットだけではなく、バンパイアに因んだちょっと変わったものもご紹介します。
2009年にロンドンのRAFミュージアムに行ったときのこと、広大な面積を持つ博物館を見た後で売店で購入したたくさんのお土産の一つがパイロット向けのマニュアルとも言える「PILOT'S NOTES」の復刻版でした。
文章やイラスト、写真等でバンパイア練習機のことが解説されています。
日本では一機だけの導入に終わったバンパイアですが、もし、戦後の日本がフィンランドやオーストリアのように大国の狭間で軽武装の中立国としてようやく独立を保てていたら、あるいはスウェーデンやスイスのように武装中立国として、自らも武器を各国に売り込み、また他国からも装備を調達していたら、数多く購入する可能性もあったのでは、と想像することがあります。もちろん、日本は先の大戦までは海軍力や航空戦力で列強の一つだった国ですし、地政学的に見ても極東・西太平洋地域での日本の位置というのは周辺国にとって無視できない存在でしょうから、現実には難しいでしょうね。バンパイアだけでなくハンター、ライトニングなど、日の丸で見てみたい機体というのはいくつかあるのですが・・・。
バンパイア練習機を調達してから時はだいぶ流れて平成の時代に入り、航空自衛隊では再びイギリス製の機体を導入しました。飛行点検隊のU-125がそれにあたります。
この機体のルーツはD.H125、つまりバンパイアと同じくデハビランド社の飛行機です。U-125が飛行点検隊に導入された際、関東地方のニュースで「イギリス製の飛行機を航空自衛隊が導入したのはバンパイアという練習機以来」とアナウンサーが原稿を読んでいたそうですが、いったいどれくらいの視聴者が「ああ、バンパイア以来なのね」と理解したかはわかりません。こちらも用途が特殊故、導入は少数にとどまっています。
バンバイアについては単座型の機体もキットが各種出ておりますし、既に組んだことがあるものもございます。ご紹介できる時がありましたら、またお目にかけたいと思います。
当初発売されていたキットは、イギリス空軍のラウンデル(蛇の目)が入った二種のうちどちらかを組めるようになっていました。
右側は練習機として使用されていたもので、オレンジの帯も鮮やかです。
模型ではMrカラーのサファリオレンジで塗っています。
左側の黄色い帯の機体は、現存する唯一の飛行可能な複座型バンパイアだそうで、保存団体の手で大切に整備され、現在でもエアショーで飛行するなど、元気な姿を見ることができます。保存団体がSNSに動画などを投稿していることもあり、遠く離れた極東の地でもスマホで雄姿を見ることができます。この保存されている機体、テールブームに保存団体のurlが目立たないように記載されています。第二次大戦中に開発された機体とインターネットという組み合わせが面白いですね。
バンパイア練習機は世界各国で使用されましたが、ほとんどの国が銀色の機体で、視認性を高めるためにオレンジ色の帯を巻くなどの処理をしていました。ところが、銀色以外の塗装で使用された例もいくつかあります。スウェーデン空軍では、この国の少し古い機体ではお馴染みの上面オリーブドラブ、下面ライトグレーという塗装でした。
作例では「XTRADECAL 72-173」バンパイアの海外ユーザーの入ったデカールを使用しています。
塗装指示によると上面はFS24079ということでMrカラー309番が近いところですが、Mrカラー12番のオリーブドラブでもいいと思います。
下面色のライトブルーグレイは近似色もなく、RLM78ライトブルー(Mrカラー118番)が強いて言えば、というところです。作例でもこの色をベースに調色した記憶があります。主翼などのオレンジ色はサファリオレンジですが、機首のオレンジ色の帯は、昔懐かしいモデラーズの蛍光オレンジ色のデカールをコンパスカッターで6ミリ幅に切り出してから使いました。
この機体、完成してから1年どころではなく時間が経過しているのですが、つや消しクリアーのコーティングが悪かったのか、主翼の王冠マークなどのデカールが完成からだいぶ経ってからひび割れを起こしてしまい、改めて手持ちのデカールを貼っています。
さて、キットだけではなく、バンパイアに因んだちょっと変わったものもご紹介します。
2009年にロンドンのRAFミュージアムに行ったときのこと、広大な面積を持つ博物館を見た後で売店で購入したたくさんのお土産の一つがパイロット向けのマニュアルとも言える「PILOT'S NOTES」の復刻版でした。
文章やイラスト、写真等でバンパイア練習機のことが解説されています。
日本では一機だけの導入に終わったバンパイアですが、もし、戦後の日本がフィンランドやオーストリアのように大国の狭間で軽武装の中立国としてようやく独立を保てていたら、あるいはスウェーデンやスイスのように武装中立国として、自らも武器を各国に売り込み、また他国からも装備を調達していたら、数多く購入する可能性もあったのでは、と想像することがあります。もちろん、日本は先の大戦までは海軍力や航空戦力で列強の一つだった国ですし、地政学的に見ても極東・西太平洋地域での日本の位置というのは周辺国にとって無視できない存在でしょうから、現実には難しいでしょうね。バンパイアだけでなくハンター、ライトニングなど、日の丸で見てみたい機体というのはいくつかあるのですが・・・。
バンパイア練習機を調達してから時はだいぶ流れて平成の時代に入り、航空自衛隊では再びイギリス製の機体を導入しました。飛行点検隊のU-125がそれにあたります。
この機体のルーツはD.H125、つまりバンパイアと同じくデハビランド社の飛行機です。U-125が飛行点検隊に導入された際、関東地方のニュースで「イギリス製の飛行機を航空自衛隊が導入したのはバンパイアという練習機以来」とアナウンサーが原稿を読んでいたそうですが、いったいどれくらいの視聴者が「ああ、バンパイア以来なのね」と理解したかはわかりません。こちらも用途が特殊故、導入は少数にとどまっています。
バンバイアについては単座型の機体もキットが各種出ておりますし、既に組んだことがあるものもございます。ご紹介できる時がありましたら、またお目にかけたいと思います。