この本の帯「『発想するための技術』は、21世紀を生き抜くための最重要スキルです」にあるように、この本は大前研一氏が自身の発想法のメソッドを簡単にまとめたものだ。「企業参謀」などと比べると遥かに読みやすく、考え方のポイントも容易だ。「企業参謀」が「戦略」という部分を前提していたせいか、あるいは体系化・メソッドとしての様式に重きをおいたためか、どちらかというと堅苦しくかつ静的なメソッド・パターン化することことが目的化しそうな感があったが、こちらは考え方の観点のみを整理しているためか「状況に応じてどう使うか決めなさい」といった感じ。特に、ボーダレスワールド化・IT化・マルチプル経済化といった「旧大陸」の社会システムからの断絶的な変化が突入した社会においては、新しい社会ルールで安定するまでの間は、常にダイナミックな状況の変化に対応できるような思考が必要だろう。固定化されたメソッドに捉われすぎるのではなく、状況に応じて必要な知識をバランスよく利用することが求められるのだ。
![](http://images.amazon.com/images/P/4163676104.09._PE00_OU09_SCMZZZZZZZ_.jpg)
そんなわけでこの本で記されたメソッドは以下の通り。
1)先入観を疑う
2)ネットワークから考える
3)「他にないもの」を目指す
4)歴史から教訓を引き出す
5)敵の立場で読む
6)討論する
まぁ、項目を並べると当たり前じゃん!という風に思えるかもしれないが、この本ではこれらの考え方に即すと、物事をどのように理解できるかということが具体的事例に即して書かれている。例えば、大前さんのBLOGなどでも書かれていたが、ライブドアがニッポン放送買収を仕掛けたとき「通信と放送の融合」を建前としたわけだけれど、大前さんの言うように「ネットワークから考える」と、それぞれのシナジーを考えた場合、放送局が1ポータルサイトと組むメリットはないわけでこれは「建前」でしかないという結論となる。
こうした考え方とそれに即した事例が各メソッドごとに書かれている。
個人的な感想からいうと、1~5までは個人の努力で何とかできるかもしれないが、「討論する」というのは他者がいないと難しい。もちろん自分の中で複眼的に考えればある種の「討論」にはなるのだけれど、やはり他者の立場からの意見というものは必要だ。
しかし討論するには、相手の話を聴き、自らの意見を説明し、その上で問題点や相違点などを検討しより適切な「解」を求めるという、目的の共有とそのためのルールが必要になるわけだけれど、これができないケースが多い。これは当事者の皆がそのような意識の上でではないと、最悪、声の大きいもの勝ちとか、上司の意見だけが一方的に通ったりといった結果になる。自分自身でコントロールできないだけに一番厄介な気がする。
まぁ、いずれにしろこうした「発想力」とは別に、「コミュニケーション力」も磨かねば、物事を達成することはできないのだろう。
書評:質問する力 / 大前研一
「伝わる!」説明術 / 梅津信幸 : 社内で伝えることの難しさ
「質問力」ということ
![](http://images.amazon.com/images/P/4163676104.09._PE00_OU09_SCMZZZZZZZ_.jpg)
そんなわけでこの本で記されたメソッドは以下の通り。
1)先入観を疑う
2)ネットワークから考える
3)「他にないもの」を目指す
4)歴史から教訓を引き出す
5)敵の立場で読む
6)討論する
まぁ、項目を並べると当たり前じゃん!という風に思えるかもしれないが、この本ではこれらの考え方に即すと、物事をどのように理解できるかということが具体的事例に即して書かれている。例えば、大前さんのBLOGなどでも書かれていたが、ライブドアがニッポン放送買収を仕掛けたとき「通信と放送の融合」を建前としたわけだけれど、大前さんの言うように「ネットワークから考える」と、それぞれのシナジーを考えた場合、放送局が1ポータルサイトと組むメリットはないわけでこれは「建前」でしかないという結論となる。
こうした考え方とそれに即した事例が各メソッドごとに書かれている。
個人的な感想からいうと、1~5までは個人の努力で何とかできるかもしれないが、「討論する」というのは他者がいないと難しい。もちろん自分の中で複眼的に考えればある種の「討論」にはなるのだけれど、やはり他者の立場からの意見というものは必要だ。
しかし討論するには、相手の話を聴き、自らの意見を説明し、その上で問題点や相違点などを検討しより適切な「解」を求めるという、目的の共有とそのためのルールが必要になるわけだけれど、これができないケースが多い。これは当事者の皆がそのような意識の上でではないと、最悪、声の大きいもの勝ちとか、上司の意見だけが一方的に通ったりといった結果になる。自分自身でコントロールできないだけに一番厄介な気がする。
まぁ、いずれにしろこうした「発想力」とは別に、「コミュニケーション力」も磨かねば、物事を達成することはできないのだろう。
書評:質問する力 / 大前研一
「伝わる!」説明術 / 梅津信幸 : 社内で伝えることの難しさ
「質問力」ということ
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