ソーシャルメディアは何を掲載し、どのような責任があるか――そんなことが問われる裁判が行われるかもしれない。佐賀県の飲食店が店の情報を掲載するなと「食べログ」を提訴したとのこと。食べログを運営するカカクコムは削除を拒否している。
「店舗情報勝手に載せないで」 佐賀県の飲食店が「食べログ」提訴 : J-CASTニュース
J-CASTによると、「2010年3月、店舗の外観やメニューなどが、店に無断で投稿・掲載された。その後、店は外観やメニューを変更したが、「食べログ」の掲載内容は変更されないままだった。店舗側は「食べログ」に削除を要求したが、受け入れられなかった」とのこと。
また「店側は、独自のウェブサイトを開設しているものの、検索エンジンでは食べログの方が上位にヒットする。この点についても、「混乱を招く」と問題視している」ようだ。
WEBユーザーからすると、この店主はインターネットを分かっていないという風に見えてしまうかもしれない。当の店主からすれば、提訴するくらいだからかなり本気なのだろう。では、我々とこの店主との認識の何が違うのか。
カカクコム側の主張を聞いてみよう。「(1)掲載されている内容は、投稿時の情報としては正しい(2)最新の情報と異なる可能性がある旨、注意書きがある、として反論している。
つまり店主は、(カカクコムが)WEB上で他人の店舗を紹介するのであれば正確な情報を掲載すべきだと考えているのに対し、「食べログ」は投稿されている情報(口コミ)を掲載しているのであって、店舗の公式な情報を扱っているわけではない。だから正確な情報を掲載しているわけではない、と言っている。掲載されている情報を店舗の情報ととるか、口コミととるか、ここで既に認識が違うのだ。
仮にこれが雑誌や新聞、あるいはWEB1.0的なメディアである「ぐるナビ」だったらどうだろう。彼らが扱うのはあくまで「店舗の情報」だ。当然、事前に取材なり掲載する内容の確認なりを行うだろうし、仮に過ちがあれば訂正記事を掲載するだろう。これは彼らが「正しい情報」を扱っているからであり、その責任があるからだ。
これに対して「食べログ」のようなソーシャルメディアが掲載しているのはは自らが集めた情報ではない。あくまで利用者個人がアップした「口コミ」であり「私見」だ。
WEB登場以前であれば「口コミ」の影響は限定的なものだった。口コミが広がるためには、人づてで伝わっていく必要があったし、間に人が入るほど信用がなくなっていったからだ。しかしWEBは違う。誰かの書き込みは、WEBサイトを挟みはするが、直接、世界中人に伝わることが可能となった。2つのロスが改善されたのだ。
しかも口コミサイトのように、それを目的に人が集まるサイトが登場すると、投稿される情報量も半端じゃない。1件の口コミであれば当てにならなかったかもしれないが、100人中80人が「美味しい」といったらどうだろう、口コミでありながら、その信用力は確かなものになる。そしてメディアとしての影響力が増すことになる。
と、した時、果して「食べログ」に掲載されているのは他人が勝手に上げている口コミ情報なので正確性に責任をもてないというWEB的な理解の仕方が許されるのかは微妙だ。例えば「2ちゃんねる」などでは他人に対する誹謗中傷が掲載されていた場合、それを放置したままだと運営者の責任が問われかねない。
またブログやSNSのようにあくまで個人ベースの情報発信であればともかく、「飲食店の情報・評価」というテーマが優先されているサービスだ。あくまで口コミサイトとは言っても、運営者の責任が問われやすい状況でもある。
WEB2.0的なアプローチ、「集合知」を効率的・効果的に活かすためのサービスであることのメリットは、そうした情報収集・精査のコストを最小限に出来ることだ。しかしそうした考え方はリアルな世界のメディアやWEB1.0の世界では「ただ乗り」と批判を受けかねないところでもある。
仮に「食べログ」が投稿者の口コミ情報を掲載しているだけだとの主張が認められたとしても、その管理責任を問われれば、削除や修正に応じる必要が出るかもしれない。ある意味、ソーシャルメディアのあり方・責任が裁判となるかもしれない。
「ぐるなび」と「食べログ」に見るWEBメディアの争い - ビールを飲みながら考えてみた…
「店舗情報勝手に載せないで」 佐賀県の飲食店が「食べログ」提訴 : J-CASTニュース
J-CASTによると、「2010年3月、店舗の外観やメニューなどが、店に無断で投稿・掲載された。その後、店は外観やメニューを変更したが、「食べログ」の掲載内容は変更されないままだった。店舗側は「食べログ」に削除を要求したが、受け入れられなかった」とのこと。
また「店側は、独自のウェブサイトを開設しているものの、検索エンジンでは食べログの方が上位にヒットする。この点についても、「混乱を招く」と問題視している」ようだ。
WEBユーザーからすると、この店主はインターネットを分かっていないという風に見えてしまうかもしれない。当の店主からすれば、提訴するくらいだからかなり本気なのだろう。では、我々とこの店主との認識の何が違うのか。
カカクコム側の主張を聞いてみよう。「(1)掲載されている内容は、投稿時の情報としては正しい(2)最新の情報と異なる可能性がある旨、注意書きがある、として反論している。
つまり店主は、(カカクコムが)WEB上で他人の店舗を紹介するのであれば正確な情報を掲載すべきだと考えているのに対し、「食べログ」は投稿されている情報(口コミ)を掲載しているのであって、店舗の公式な情報を扱っているわけではない。だから正確な情報を掲載しているわけではない、と言っている。掲載されている情報を店舗の情報ととるか、口コミととるか、ここで既に認識が違うのだ。
仮にこれが雑誌や新聞、あるいはWEB1.0的なメディアである「ぐるナビ」だったらどうだろう。彼らが扱うのはあくまで「店舗の情報」だ。当然、事前に取材なり掲載する内容の確認なりを行うだろうし、仮に過ちがあれば訂正記事を掲載するだろう。これは彼らが「正しい情報」を扱っているからであり、その責任があるからだ。
これに対して「食べログ」のようなソーシャルメディアが掲載しているのはは自らが集めた情報ではない。あくまで利用者個人がアップした「口コミ」であり「私見」だ。
WEB登場以前であれば「口コミ」の影響は限定的なものだった。口コミが広がるためには、人づてで伝わっていく必要があったし、間に人が入るほど信用がなくなっていったからだ。しかしWEBは違う。誰かの書き込みは、WEBサイトを挟みはするが、直接、世界中人に伝わることが可能となった。2つのロスが改善されたのだ。
しかも口コミサイトのように、それを目的に人が集まるサイトが登場すると、投稿される情報量も半端じゃない。1件の口コミであれば当てにならなかったかもしれないが、100人中80人が「美味しい」といったらどうだろう、口コミでありながら、その信用力は確かなものになる。そしてメディアとしての影響力が増すことになる。
と、した時、果して「食べログ」に掲載されているのは他人が勝手に上げている口コミ情報なので正確性に責任をもてないというWEB的な理解の仕方が許されるのかは微妙だ。例えば「2ちゃんねる」などでは他人に対する誹謗中傷が掲載されていた場合、それを放置したままだと運営者の責任が問われかねない。
またブログやSNSのようにあくまで個人ベースの情報発信であればともかく、「飲食店の情報・評価」というテーマが優先されているサービスだ。あくまで口コミサイトとは言っても、運営者の責任が問われやすい状況でもある。
WEB2.0的なアプローチ、「集合知」を効率的・効果的に活かすためのサービスであることのメリットは、そうした情報収集・精査のコストを最小限に出来ることだ。しかしそうした考え方はリアルな世界のメディアやWEB1.0の世界では「ただ乗り」と批判を受けかねないところでもある。
仮に「食べログ」が投稿者の口コミ情報を掲載しているだけだとの主張が認められたとしても、その管理責任を問われれば、削除や修正に応じる必要が出るかもしれない。ある意味、ソーシャルメディアのあり方・責任が裁判となるかもしれない。
「ぐるなび」と「食べログ」に見るWEBメディアの争い - ビールを飲みながら考えてみた…
一般論としては「食べログ」にお店の情報が掲載されるというのは、(良くも悪くも)お店にとっても無償での宣伝効果があるわけで写真の掲載もその一部と見なすことも可能です。となると、その上でそれがお店にとってどうか、となるのですが、プライバシーの問題となると話は全く変わります。う~ん、難しいですね。
もちろん僕は外食しませんので食べたことも見たこともありません。
食べログは店を潰す最強ツールです。
是非、このサイトを応援ください。
自分のデスク(職場)や仕事ぶりを写真や文書で誰にでも洗いざらい言いふらし放題にされたら、キモチ悪くないのか?
何が解らんのか不思議だわ。
一件の事例ではどうか解らんがコレを期に提訴は増えるでしょうね、匿名のへタレ意見に対する権利は剥奪されると個人的に愉快だわ。
次ぎはSEO業界を調べて欲しい。こんなもんじゃないでしょう。