天才技術者・本田宗一郎、名経営者・藤沢武夫の2人創業者の挑戦とその子供たちの苦悩ぶりを軸に、ホンダ創業からトヨタ、日産に次ぐ国内3位の地位を巡る攻防と大競争時代までを描く。単に「ホンダ」という社史を追うのではなく、「ホンダ」を通じて「企業の盛衰」がを追った作品。
以前に著者である佐藤正明さんの「陽はまた昇る」が面白かったので読んだんですが、「陽はまた昇る」がビクターが β vs VHS戦争に勝利するまでの、技術面での奮闘、商品開発に関わる技術とマーケティング齟齬、ある種陣取り合戦とも言える戦略的企業提携など、自分が仕事をする上でもかなり刺激になることが多かったのですが、こちらについてはどちらかというと小説的な楽しみ方になったかな、という感じです。
![](http://www.bk1.co.jp/bookimages/00/00/87/85/000087850000.jpg)
本田宗一郎、藤沢武夫が邁進した時代というのは、まだまだモノが少なく、「プロダクト・アウト」というか「いいものであれば売れる」という時代だったと思います。そうした時代だからこそ、基本的には天才・本田宗一郎の作った他社の商品よりも性能のいい商品―スーパーカブ、N360、CVCCなど、を売ればよかった。しかしいつしか時代は変わり、人が豊かになり、あるいはモノが溢れる時代となり、単純に他社より性能がいいというだけで売れる時代ではなくなりました。この変化にこそカリスマ亡き後の子供達、特に「本田宗一郎」がいない時代に社長になった川本氏の苦悩があったのではないでしょうか。
藤沢武夫が「万物流転の法則―栄えた企業もまた滅びる」からホンダが逃れるために用意した、多様な分析と意見集約、合意過程を併せ持った非公式な会議「ワイガヤ」などは、ナレッジマネージメントの一種としてみると、今でも非常に面白い仕組みです。しかし完璧なシステムが存在しないように、常に自分を取り巻く環境変化に注意し、それに適応するように自己革新を続けねばならないということでしょうか。
近年、ホンダはFITの成功で日産と国内2位の座を激しく争っています。日産は日産でカルロス・ゴーンのリバイバルプランによって危機的状況から脱却し、トヨタ追撃に向けて準備OKというところでしょうか。この本を読んだあとの感想として、やはりホンダはホンダなのだなと感じます。FITに見られるように他社とは全く違う車の機能による差別化が、技術優位の姿勢がホンダであり、代わって日産は「技術による競争」だけではなく「デザイン」「コンセプト」を軸とした「消費者との関係」を新しい競争の軸、差別化の軸に据えはじめました。
自動車が「速く走る」ことから「楽しむ」ものへと変わりつつある時代に、ホンダはどのように生き抜くのか―。ここの技術者や担当者の奮闘振りについても知りたいと思いました。
以前に著者である佐藤正明さんの「陽はまた昇る」が面白かったので読んだんですが、「陽はまた昇る」がビクターが β vs VHS戦争に勝利するまでの、技術面での奮闘、商品開発に関わる技術とマーケティング齟齬、ある種陣取り合戦とも言える戦略的企業提携など、自分が仕事をする上でもかなり刺激になることが多かったのですが、こちらについてはどちらかというと小説的な楽しみ方になったかな、という感じです。
![](http://www.bk1.co.jp/bookimages/00/00/87/85/000087850000.jpg)
本田宗一郎、藤沢武夫が邁進した時代というのは、まだまだモノが少なく、「プロダクト・アウト」というか「いいものであれば売れる」という時代だったと思います。そうした時代だからこそ、基本的には天才・本田宗一郎の作った他社の商品よりも性能のいい商品―スーパーカブ、N360、CVCCなど、を売ればよかった。しかしいつしか時代は変わり、人が豊かになり、あるいはモノが溢れる時代となり、単純に他社より性能がいいというだけで売れる時代ではなくなりました。この変化にこそカリスマ亡き後の子供達、特に「本田宗一郎」がいない時代に社長になった川本氏の苦悩があったのではないでしょうか。
藤沢武夫が「万物流転の法則―栄えた企業もまた滅びる」からホンダが逃れるために用意した、多様な分析と意見集約、合意過程を併せ持った非公式な会議「ワイガヤ」などは、ナレッジマネージメントの一種としてみると、今でも非常に面白い仕組みです。しかし完璧なシステムが存在しないように、常に自分を取り巻く環境変化に注意し、それに適応するように自己革新を続けねばならないということでしょうか。
近年、ホンダはFITの成功で日産と国内2位の座を激しく争っています。日産は日産でカルロス・ゴーンのリバイバルプランによって危機的状況から脱却し、トヨタ追撃に向けて準備OKというところでしょうか。この本を読んだあとの感想として、やはりホンダはホンダなのだなと感じます。FITに見られるように他社とは全く違う車の機能による差別化が、技術優位の姿勢がホンダであり、代わって日産は「技術による競争」だけではなく「デザイン」「コンセプト」を軸とした「消費者との関係」を新しい競争の軸、差別化の軸に据えはじめました。
自動車が「速く走る」ことから「楽しむ」ものへと変わりつつある時代に、ホンダはどのように生き抜くのか―。ここの技術者や担当者の奮闘振りについても知りたいと思いました。
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