『 実りの秋 』
雀よけか、案山子が面白い。
河津 米子さん 撮影
朝から良い天気だ。ひんやりした空気も快い。蒲団を干したり、衣類の入れ替え
などとすることは多い。ほとんど思っているだけのことが多いのだけど。
昔のものの断捨離も全くの中途半端のままで、却って乱雑に散らかったままに
なってしまった。どうしてこうも昔のものが捨てられないのだろう。書類も、
写真も、衣類も、本もまだまだ残っている。
将来、またコロナなどが来て自粛生活の時が来たら、その時こそ仕上げをする
しかあるまい。
もう大分前からだが、体がふらつく、左手足のしびれと脱力感、一寸歩くと
もう足が痛い、時々気持ちが悪くなる等々の症状を抱えて居た。
ふらつくのは片目が不自由な勢だろう、しびれは腰痛持ちで脊柱管狭窄がある
からだろう、歩けない足が痛むのも腰から来ているのだろう、そして何よりの
原因は散歩もウオーキングもしないと言う運動不足の勢だと思っていて、あまり
気にしないことにはしていた。すぐ動悸や息切れするのもこの勢だろうと自分に
思いこませている。
これ等はある日、周りの健康な人のように、一念発起して何も考えずにだまされた
と思って、毎日体操、ストレッチ、散歩さえ実行すれば直るのだと思っていた。
やれば直るのだ、体調も良くなるのだと信じていたが、ただ私はそれを実行しないで
20年経ってしまっただけだと自分に言い聞かせて来た。
それが数日前から続いていた軽い頭痛が、ある夜寝ていても右後頭部が断続的に
ズキズキと痛んで寝ることも出来なかった。痛みと不安とで長い長い一夜だった。
昼間は軽いのだがこれが数夜も続いた。これはいよいよ脳に来たかと思った。
身内にもいたが、友人知人にも結構多かった脳溢血だった人のことを思いだして
しまった。
そこで、6年前に行ったことのある駅前の「脳神経外科クリニック」へ行って
おそるおそる脳のMRI検査を受けた。丸いドームに入って20分間、地下鉄工事の
ような騒音を聞いていた。
結果は幸い、出血や腫瘍、瘤のごときものはない様だと言われて一安心。
しかし6年前の写真と比べると明らかに、脳の萎縮や欠落があるようだと言われた。
そこで「それは年相応ですか」と聞くと、医者は「うーん、一寸越えてるかなぁ、
それほどでもないかなぁ、うーん」と言葉を濁されてしまった。
私ははっきりと「年相応ですから大丈夫ですよ」と言う言葉を聞きたかったのだが
残念だった。薬は、頭痛の時の痛み止めを出しますかと言われたが、歯医者の残りが
あるからと断った。脳の薬が出るわけでもなく、どんどんいろいろなことをやりなさい
と言われて帰ってきた。
結局、原因の分からぬ頭痛劇だったが、極力忘れて、頭が衰えないように積極的に
いろいろなことをやるのが一番の薬のようだ。