2008年9月19日、MSC(海洋管理協議会)の、アジア初の漁業認証が日本で取得されました。
今回認証を取得したのは京都府機船底曳網漁業連合会(以下「京都府底連」、京都府舞鶴市)の漁業です。
持続可能な漁業に与えられる「海のエコラベル」認証として世界で広く知られているMSC認証は、厳しい基準に照らし合わせて海洋環境の保全を図りながら、持続可能な漁業資源の利用を実践していると認められた漁業に与えられます。
認証された漁業による商品は“環境に配慮したシーフード”として国内外に流通するようになります。
今回の取得は、2006年2月から本審査が開始されたもの。長期間の審査を経て認証が取得される運びとなりました。
2006年6月から、一般消費者はすでに日本のスーパーマーケットの店頭でもMSCラベル付き商品を購入できるようになっていましたが、これらはサケやたらこなど海外の漁業で認証されたMSC商品。輸入ものに限られていました。
今回日本の漁業が認証されることで、海洋環境に配慮した国産の商品が流通することになります。
今回認証される取り組みの対象となっている魚種は、ズワイガニとアカガレイです。
京都府底連では、ズワイガニは1980年に58トン、アカガレイは1991年に71トンまで漁獲量が減少した経験を持ちます。そこで、京都府底連は京都府立海洋センターの科学的な資源評価に基づいて資源管理のための計画をたて、漁期や漁獲サイズなどを自主的に規制する保護区を設けるなどの工夫を実施。減少していた漁獲量は最近3年間の平均ではズワイガニが119トン、アカガレイが126トンにまで回復しました。こうした先駆的な資源管理の取り組みが、国際的に認められているMSC認証取得のきっかけとなりました。
MSCの取り組みは、一般の消費者の環境に対する意識を行動に移すことができる現実的な仕組みとして、国境を越えて拡大しつつあります。欧米を中心に世界39カ国でMSCラベル付き商品がのべ1,690品目も既に流通しており、スーパーマーケットなどで普通に販売されています。消費者が一目で、それが環境に配慮した製品だということがわかる仕組みなんですね~。
また、CoC認証(Chain of Custody認証:漁獲後の加工・流通過程の認証)により、トレーサビリティーも可能。消費者にとっては、環境への安心、食への安心の双方が、MSCラベルの有無によって、容易に見分けることができるようになっています。
MSCについては・・・。
http://msc-jp.matinee.co.uk (日本語)
http://www.msc.org/(英文)