2007年9月に、沖縄県名護市の大浦湾で発見された、アオサンゴの大群集。
これに関して、WWFは2008年、研究者や他の自然保護団体と共に、この大群集の調査を行ない、7月18日にその結果を発表しました。
WWFは現在、大浦湾の環境保全と、そこにすむ希少種ジュゴンの保護、そして計画されている米軍基地の移設計画の取り止めを強く訴えています。
WWFジャパンなどが、その保全に取り組んでいる沖縄県石垣島・白保のアオサンゴ群集は、世界でも最大級の規模を誇るサンゴ群集として知られています。このアオサンゴの大群集が、2007年7月9日にもう一カ所、国内で確認されました。場所は、沖縄本島・名護市東部の辺野古・大浦湾です。
この大浦湾では、日本で唯一、希少な海生哺乳類のジュゴンの生息が確認されていますが、同時に、現在、米軍基地の移設計画が進められようとしている海域です。
この海域の環境保全を求める、WWFジャパンや日本自然保護協会、国士舘大学地理学教室、沖縄リーフチェック研究会、じゅごんの里などの団体・組織では、これまでの白保サンゴ礁の研究実績や、辺野古・大浦湾での調査・保護活動を踏まえ、合同でこのアオサンゴの群集の調査を実施。2008年7月18日に、環境省記者クラブでその調査結果を発表しました。
調査は、2008年1月、3月、5月にそれぞれ実施。この一連の調査によって、大浦湾のアオサンゴ群集は、湾の汀間漁港の南東およそ2キロのところにある、通称「チリビシ」と呼ばれる場所に位置していること、また、高さ12m、幅30m、長さ60mにわたって広がっていることがわかりました。
世界でも最大級といわれる、石垣島の白保のアオサンゴ群集とは全く異なる形状です。これほどのアオサンゴ群集が、これまで発見されなかった理由は、分布域が人目につきにくいところにあったためではないかと推測されます。
■大浦湾のアオサンゴ群集と貴重な生物たち
一連の合同調査は、白保とは異なる環境で育つアオサンゴ群集の、知られざる形態や特徴を明らかにしただけでなく、大浦湾の自然環境と生物多様性の豊かさを示すものとなりました
大浦湾には大浦川や汀間川が流れ込み、サンゴ礁の他にも、マングローブや深い海底、沖縄島では最大規模の藻場など、多様な環境が広がっています。漁港以外の場所には自然の海岸が残り、人の手もほとんど加わっていません。
サンゴ類はもちろんのこと、沖縄に生息する6種のクマノミ類を全て見ることができ、豊かな藻場で海草を食べる、海の哺乳類ジュゴンも比較的によく観察されています。日本国内のジュゴンは、推定で50頭以下が生き残るのみと考えられており、その最も重要な生息場所が、この大浦湾なのです。
そして、昨日お伝えした通り、アオサンゴという種自体が絶滅する危険性が、高まっています。
世界的に開発や白化現象などによって、多くのサンゴが減少しつつある中、希少かつ特徴的なアオサンゴが大規模に分布する大浦湾の環境を守ることは、日本の生物多様性を保全してゆく上でも重要な意味を持つ取り組みといえます。
■大浦湾と普天間飛行場代替施設計画
現在、大浦湾では、辺野古崎にある米軍のキャンプシュワブ沿岸を埋め立て、新たに滑走路を建設する「普天間飛行場代替施設計画」が進められています。
この計画が実施されれば、今回発見されたアオサンゴ群集をはじめ、辺野古・大浦湾海域の豊かな自然環境が、重大な悪影響を受けることが懸念されます。
これに関して、WWFは2008年、研究者や他の自然保護団体と共に、この大群集の調査を行ない、7月18日にその結果を発表しました。
WWFは現在、大浦湾の環境保全と、そこにすむ希少種ジュゴンの保護、そして計画されている米軍基地の移設計画の取り止めを強く訴えています。
WWFジャパンなどが、その保全に取り組んでいる沖縄県石垣島・白保のアオサンゴ群集は、世界でも最大級の規模を誇るサンゴ群集として知られています。このアオサンゴの大群集が、2007年7月9日にもう一カ所、国内で確認されました。場所は、沖縄本島・名護市東部の辺野古・大浦湾です。
この大浦湾では、日本で唯一、希少な海生哺乳類のジュゴンの生息が確認されていますが、同時に、現在、米軍基地の移設計画が進められようとしている海域です。
この海域の環境保全を求める、WWFジャパンや日本自然保護協会、国士舘大学地理学教室、沖縄リーフチェック研究会、じゅごんの里などの団体・組織では、これまでの白保サンゴ礁の研究実績や、辺野古・大浦湾での調査・保護活動を踏まえ、合同でこのアオサンゴの群集の調査を実施。2008年7月18日に、環境省記者クラブでその調査結果を発表しました。
調査は、2008年1月、3月、5月にそれぞれ実施。この一連の調査によって、大浦湾のアオサンゴ群集は、湾の汀間漁港の南東およそ2キロのところにある、通称「チリビシ」と呼ばれる場所に位置していること、また、高さ12m、幅30m、長さ60mにわたって広がっていることがわかりました。
世界でも最大級といわれる、石垣島の白保のアオサンゴ群集とは全く異なる形状です。これほどのアオサンゴ群集が、これまで発見されなかった理由は、分布域が人目につきにくいところにあったためではないかと推測されます。
■大浦湾のアオサンゴ群集と貴重な生物たち
一連の合同調査は、白保とは異なる環境で育つアオサンゴ群集の、知られざる形態や特徴を明らかにしただけでなく、大浦湾の自然環境と生物多様性の豊かさを示すものとなりました
大浦湾には大浦川や汀間川が流れ込み、サンゴ礁の他にも、マングローブや深い海底、沖縄島では最大規模の藻場など、多様な環境が広がっています。漁港以外の場所には自然の海岸が残り、人の手もほとんど加わっていません。
サンゴ類はもちろんのこと、沖縄に生息する6種のクマノミ類を全て見ることができ、豊かな藻場で海草を食べる、海の哺乳類ジュゴンも比較的によく観察されています。日本国内のジュゴンは、推定で50頭以下が生き残るのみと考えられており、その最も重要な生息場所が、この大浦湾なのです。
そして、昨日お伝えした通り、アオサンゴという種自体が絶滅する危険性が、高まっています。
世界的に開発や白化現象などによって、多くのサンゴが減少しつつある中、希少かつ特徴的なアオサンゴが大規模に分布する大浦湾の環境を守ることは、日本の生物多様性を保全してゆく上でも重要な意味を持つ取り組みといえます。
■大浦湾と普天間飛行場代替施設計画
現在、大浦湾では、辺野古崎にある米軍のキャンプシュワブ沿岸を埋め立て、新たに滑走路を建設する「普天間飛行場代替施設計画」が進められています。
この計画が実施されれば、今回発見されたアオサンゴ群集をはじめ、辺野古・大浦湾海域の豊かな自然環境が、重大な悪影響を受けることが懸念されます。