全てを失うか、或いは全てを手に入れるか。
勝負事の世界には幅広く引用される言葉だ。
勝てば得る。
敗ければ失う。
僕は、最後の大会を前に怖れていた通り、0になったのか。
真っ白になって全てを失ったのだろうか。
よく分からないけれど、
間違いなく今、再起を誓う気にはならない。
呆けているのではないみたい。
珍しく客観的に、冷静になって考えている。
「これから」が僕にあるのだとしたら
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呆けているとは言え、感じた事は書き留めていたい。
自分がどんなフィールドに立ち、
どんな選手たちに出会い、どんな経験をしたのか。
一つ言える事は、風評など糞喰らえという事。
天才と呼ばれる選手は、
天才ではなく努力に努力を重ねて才を呼び寄せた選手だった。
怪物と呼ばれる選手は、
そのポテンシャルに甘んじる事なく技術を磨いていた。
スターと呼ばれる選手は、
誰よりも謙虚で無口で、 . . . 本文を読む
全てが終わったのに
身体の動きを止められない。
相変わらずケガはアチコチ痛いけど、
だけど何もしなければこのまま朽ちてしまうから。
30分と少し掛けて500メートル泳ぐ。
疲れない。息は上がるけど、疲れない。
すぐに回復してくれる。
この身体は、まだ動く。
まだ戦えると言ってる。
いつかまた、戦う日が来るのかな?
だけど約束通り、今は
ゆっくり休んで貰おう。
お疲れ、僕の身体。
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