昨日会った内の一人とは、スイングについても徹底的に議論出来た。
ありがたい事に様々な機械を用いて、僕のスイングの弱点を分析してくれた。
現時点で、僕が最も必要としていたパーツ。
それを彼が的確に指摘してくれた。
そしてたった一つのほんの小さな動きを変えただけで、
僕の弱点は払拭され、それどころか全体の動きさえ
今の身体であっても驚く程スムーズに変化した。
今まで、僕の体格とパワー、スイングを見た選手たちは
口々に「もっとＨＳ上がっても不思議じゃないのに…」と言ってきた。
それは僕自身も毎日感じていて、いくら鍛え上げようと、
身体を振り絞ろうとも、微細にしか数値は変わらなかった。
原因も分からなかった。
それを彼は数回、僕が打つ姿と球筋を見ただけでズバリ言い当てた。
勿論、スーパースロー動画を見て分析もした結果ではあった。
に、しても日本選手権に何度も出る選手でさえ分からなかったものを
彼はいとも容易く看破した。
そして彼の導き出した改善策は
「右肘の内側を正面に向ける」
たったこれだけだった。
しかしその効果は絶大だった。
そうする事でダウンスイング時に右脇が自然と締まり、
クラブは自然な落下速度で加速し、身体に巻きつくように降りてくる。
僕が理想としていたスイングアークだ。
今までのフルスイングの数値と、新しいスイングの7割の力で出した数値は
全く同じ、いや後者の方がミート率も初速も上だった。
鍛えに鍛えた身体を酷使したスイングに成り果てていた僕は、
いつしか腕の力を頼り、その為スイングアークをわずかに歪ませながら
力任せにクラブを引き下ろして打球を管理していた。
その為、一瞬の不自然さが生じ
スピードを減速させ、更にパワーの伝導を阻害し、
身体中の負担だけを残して打つ事になっていた。
試合まであと4日。
リハビリに一日、通院に一日、練習に一日充てるスケジュールの為、
この不自由な身体と制約された時間枠で、どう戦うのか正直頭を抱えていた。
4月25日に出したスイングでは、ダメージがデカすぎる。
そんな中で彼に会い、思わぬスキルアップを与えて貰った。
スイング改造は、これで一応の完成を見た。
勿論、今現段階での、ではあるが。
