3月は嫌いだ
体調を崩すのはいつも3月だし
寒いのか温いのか分からない天気も好きになれない
花粉だかなんだか分からないものが飛んでて
ずっと鼻が痛いのもやだな
だけどそんな事よりも
10年前の、3月17日。
色んなものを失ったのもあの日だから
やっぱり相性が悪いんだな、3月は
それが明日またやってくる
時計が午前0時を回って
日付がカチっと切り替わる
この日が来るのだけは、どうしても構えずにはいられない。
恐怖でもないし、トラウマというものでもない。
淡々と、失っていくものをただ眺めているしか出来なかったあの時の自分を、
どんな名医でもどんな学者でも、どうする事も出来ないあの瞬間を、
たった一日で雪崩のように何もかもが崩れ去っていく様を、
残念ながら鮮明に刻まれた映像として、今もフラッシュバックする。
あの日、10年後の未来を僕はどんな風に想像したんだろうか。
すっかり何事もなかったように生きていられると、思っていたんだろうか。
或いは、そんな未来をもう捨てていたのだろうか。
どうだったか、それだけ覚えてないや。
だけどただ一つだけ、自分はもう人間として幸せなんて追いたくないと思った。
誰を責める事も、何を恨む事も出来なかった。
余りにも生というものは無情で無機質なものだとしか。
得る時は表し難い幸福であり、失う時はそれ以上に言葉が見当たらない。
10年か
僕はまだ生きてるけど
そっちはどうなんだろう