天命

先日の醜い犯罪者のニュース記事は消しました。
いつまでも残す価値がないからです。
もっと言えば不愉快だからです。

何が不愉快？顔面が醜いから？身勝手な犯罪者だから？
そのどれもですが、最も不愉快なのは彼の者が「人間ではない」ことです。

では人間とは？
言語を話して自我を持ち、普通に暮らしている二足歩行の哺乳類。
それを「人間」と呼びますか？
ならあまりにも愚かだ。

人間とは本来、己の天命を知り、そしてそれを全うするために、
日々を捧げる生き物だった筈です。

いつしか人は生きることを当たり前かのように穿き違え、
喉を潤す水に、糧となる命に感謝することも、
日々完結の下に精いっぱい生きることも忘れ、

自由に動く両手で他者を殴り屠り、足でもって他者を踏み拉き、
目に映るものを曇らせ、卑しき飽食に舌を伸ばし、色欲に鼻の下を伸ばすようになった。

そしてそれらが儘ならぬとなると途端に不貞腐れ、
獣の如き浅薄さで短絡的な犯罪に奔って願望を叶えようとする。

これをいわゆる人間と呼ぶのなら、僕は人間ではない事になる。

己の我欲に生きるものを無碍に否定はしない。
だけど、それを人間であるとは言って欲しくない。

金を持ちたい、強い膂力を持ちたい、他者より美しくありたい。
それらの願望は自然の事だが、しかしそのどれもが「飾り・彩り」でしかない。
それを忘れてそれらに我を失うのは、猪突猛進ならぬ猪突盲進と言えないか？

己の天命は、一体何であるか。
果たしてそれは、他者よりも金や膂力や美貌がなくては成し遂げられぬものか？
もし「そうだ」と言うのなら、そんな天命などたかが知れたモノだ。

親が子を殺し、子が親を殺す。
それが人間か？
先ほどから獣、獣と言っているが、まさに獣にも劣る所業ではないか。

老いも若きも一切関係ない。
己がこの世において成し遂げるべき天命を當に知るべし。
それを忘れて無駄に生を繋ぎ続けた結果、人はその知性を失したのだ。