ピレネーの山の犬 Zion♪シオン

シオンとともに歩く道、ともに見る風景、暮らしと庭の花たち。

天草の海の教会

2015-06-06 | 教会
九州を北上し、海の中道に来ていた阿蘇の大河くん、
今頃は日本の真ん中あたりだろうか・・・
北への旅が素晴らしいものになりますように・・・

その頃、Zionは南下して熊本県天草市へ。



昔ながらの漁村の景観が残る崎津集落の中心に白い尖塔が見える。
漁港の集落に教会がある風景・・・
崎津教会。



とても不思議な感じがした。
隠れキリシタンの歴史を持つ地域の教会は、
人家もまばらな山の中などにひっそりと建っていることが多く、
このような集落の中心にあることは珍しい。

それ故、小さな路地を歩いて教会に向かうと、
教会と人々の暮らしの一体感に安らぎを感じた。



ザビエルが鹿児島に上陸してから17年後、
アルメイダ神父により、天草にキリスト教が伝えられたのは1566年のこと。
崎津教会は、1569年に建てられた。

明治以来3度建て直され、現在の教会は1934(昭和9)年に竣工。
ハルブ神父により、禁教時代に踏絵が行われていた庄屋屋敷跡に建てられている。
設計・施工は鉄川与助、鉄筋コンクリートと木造から成る。
堂内は、今では珍しい畳敷きになっている。



教会の近くの岬にはマリア像が海を見守って・・・

神社の行事にも参加するという崎津教会の信者さん。
宗派関係なく助け合う心が日本人らしくて好きだ。



教会のすぐそばにある店で崎津の伝統菓子「杉ようかん」を買った。
後世に伝えようと頑張るおかあさんたちの笑顔と
素朴な美味しさが心に残った。



そして、崎津から大江へ。
丘の上に佇む大江教会を訪れた。
白い教会は、周囲の深い緑に映え、遠くからでもよく見えた。



大江教会は、明治初期に建てられた木造の旧教会堂に替わり、
ガルニエ神父により、1933(昭和8)年に建て替えられた。
鉄川与助の設計・施工、鉄筋コンクリート造り。

1892(明治25)年に天草に赴任したガルニエ神父は、
以来50年(大江崎津兼任、後に大江の主任神父)
この地に尽くし、大江教会に永眠している。

また、1907(明治40)年、与謝野鉄幹や北原白秋ら文豪5人が
ガルニエ神父に会うために旧教会堂を訪れている。
九州の旅の紀行文「五足の靴」に、その時のことが記されている。



夕日が沈む頃、再び崎津に戻った。
岬のマリア様に夕日が重なるのは冬だろうか・・・

今度は、遊覧船から夕日を見てみたいと思った。
いつかまた、天草の教会を訪ねて・・・


  

今日も会いに来てくれて、ありがとう!




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