世の中は本当に色んな人がいる。立場が違うと見方も違うと頭で分かっても、ああ、ヤッパリ完璧はないのだと・・・。
余命半年と言われた母。本人は自覚もなく、ひたすら与えられた命を一生懸命に生きようと、私達に迷惑をかけないようにと考えて、どうにかこうにか弱った脚のリハビリをして、すっかり固くなって落ちた筋肉を柔らかくして、歩行器を使って歩けるようになった。ボケないようにと、好きな短歌を詠み、日々行われるケアをノートに書き留め、窓から見える景色をスケッチして、痺れる手を少しでも忘れていられるように編み物をして・・・。すごいな~と感心する。
でも、立場の違う看護師からは、こんなに元気なら「ホスピス」なんかに入る必要はないと思うらしい。母にしてみれば、不治の病になったのは青天の霹靂。苦しい戦争を体験した世代。少しでも皆さんの手を煩わせないようにと頑張ってるのは、病人ではないと見えるらしい。まだ、入院して2週間位の頃、しっかりしてる母をみて、「高齢者の癌はなかなか進まないので、案外長く生きるんですよね。お母さんも元気そうだから、他の施設に移ることも考えた方が良いですよ・・・。」と言われ、前の病院では、2ヵ月位で食べ物が食べられなくなって、栄養不足になり衰弱すると・・・」言われてきたので、先の見通しは2ヵ月後と思っていたので、早くも転院を促されてガッカリするやら、無神経な言い方だなと・・・。勿論、長く生きて欲しいのは当然だが、初めて大病(だと思う)を患った母を心配する家族にもう少し配慮して言い方を考えて欲しいなと・・・。
会える時間が限られて、ただでさえ、コロナで面会時間15分なのだから、心が揺らぎあとどのくらいかなと不安でいっぱいなのに・・・
ひと月したら、軽症で、ナースセンターから一番離れた部屋になり、担当看護師は、ちょっと愚痴めいた言い方で、他に重症患者がいて長い話には付き合えないなど・・・。まあ、そうだろうなとは思ったが、日々の母の様子に無関心で、声かけすらなくなってきたと母。
重症患者がいるから忙しいんじゃないかしらと伝えたが、どうもそれだけでなく、つっけんどんな対応しかしてもらえなくなり、他の看護師さんが明るく親切に話に付き合ってくれ、声かけしてくれるのに比べると、何の反応もないと。
当の看護師は、母が不満ばかり言って騒ぐというのだが。その場を見てない私はひたすら「ご迷惑をお掛けします。宜しくお願いします。」と言う以外なのも出来ない。
母にそれとなく様子を探るように「困ったことはない?」と尋ねると「看護師さんたちがとても良くしてくれるから大丈夫」という。
真偽の程がわからない。ある夜、突然、看護師から電話で、「母が、朝から騒音がすると騒いで夜勤の看護師を怒鳴りつけた。また、自分に何か不満があるらしく、話をしてくれないが理由がわからない。最後には、あなたが問題だから、他の重症のかたをみてあげて私のことは一切していただかなくて結構ですと」困っていると言う。
たしかに、筋が通らないことや、自分に嫌なことをされたら、ハッキリ言う母だが、いきなり怒鳴りつけたりする事はないはず。
心配なので、母に「元気?」かを電話したら、どうやら一連の母に対する言動や無視する態度に嫌気がさし、思わず言ってしまったらしい。
母は人一倍思い入れが強いひとで、自分のことを身近で支える人には、思いを込めて頼り、更に、アレコレ出来る範囲で感謝の気持ちを表す。今回は、毛糸の帽子やレース編みセンターを一生懸命編んで差し上げ、この担当看護師には、特に多くあげたようだとわかった。
それにしても、上手に言葉かけやあしらうことが出来ない方のようだ。更に、高齢者特有の性格を読めないらしく、ちょっと気に食わないと家族にも患者には問題があるとして、自分を正当化する方のようだ。
しばらくして面会にいくと、ナースセンターで「お世話になります。ありがとうございます」といつものように声かけたら、その看護師だけ下を向いたまま、目も合わせず微動だにせず知らん振りで何も言わない。以前は、いち早く出てきて応対してたので、母との摩擦は家族にも波及するらしい。最初はたまたまかなと思ったが、毎回となると敢えてそのようにしてるのだとわかる。
それまで、最高のケアをしてもらえる素晴らしい病院とおもったが、この看護師の態度でスッカリ下がった!
もっとも、他の看護師さんはそれまでと変わらないので、やはり、この方の問題なんだと。
また、悲しいことにカトリック信者さん。兎に角、彼女と母の為に祈ろう!