ここ数年間、見守りをさせていただいていた所属教会の高齢の婦人が亡くなられた。
88年の生涯であった。
彼女の永遠の安息をこころから祈ります。
10数年前にくも膜下出血で倒れるまでは、御本人がしたいと思っていたことをすべてなさっていただろうと思われる素敵な老後を過ごされていた。
私は、この地に越してきた時に所属した最初の教会(今は閉鎖されてしまいましたが)で、毎週行われていた婦人による手芸の作成グループに2歳の息子と顔を出し、幼稚園に息子が行くまですっかり常連になった。
主にバザーの作品を製作していたが、時に、侍者服、初聖体の頭飾りなどを皆で作り方を教わりながら作っていた。
昼時になると、皆で持ち寄った食べ物を出して、ちょっとしたパーティになっていた。
彼女は、その中でも、とりわけリーダー的な存在の方でした。
油絵、陶芸、手芸など、なんでもなさって、とりわけ油絵は素晴らしかった。
時折、東京都美術館にも展示なさっていたり、個展もなさったり。
ご主人とお二人で暮らしていたが、彼女が闘病生活に入ってまもなく、病気になって、共倒れにならないうちにと近所の有料老人ホームに入られた。
ところが、1カ月余りでご主人は他界。
彼女は、一人っきりに。
しかも、くも膜下出血の後遺症で言語障害、軽い認知障害などもあり、頭で思っていることがすぐに言葉に出てこないなど・・・。
それでも、見守りに伺った時には読んでいる聖書は指で後を追って声を出して一緒に読まれたり、ご聖体の拝領後は、静かにしばらくお祈りをされ、私が持っていたお菓子には感激して下さり、さらに、御自分の冷蔵庫の中からお菓子や飲み物を出して勧めて下さる。
昔の婦人の集まりを思い出した。
スムースな会話は成り立たなかったが、こちらが話していることは判っているらしく、「いいですか?」、「判りますか?」と確認すると、頷いて見せたり、「大丈夫」、「そうそう」と行って下さった。
月1回程度のお見舞い。年間に他のお二人の方と共同で、5回程度は祝日や追悼ミサにお連れして、帰りには食事をして帰るのが常だった。
もっと頻繁に伺えれば良かったのだけれど、なかなか、自分の生活も慌ただしくって思うように伺えず申し訳ないと思っていた。
今日は、彼女の葬儀が行われた。
とても、素晴らしい神父様の司式に心温まる内容。
すべての参列者が信者さんで、いかにも教会らしい葬儀だったとどの方も感激して帰られた。
会葬御礼のかわりとして、帰天記念カードを彼女の絵を使って作り、皆様に配布させていただいた。
カードを作りながら、絵を見ていろいろと思い祈った。
ただ、今回の高齢者施設の対応には驚いた。
高齢者施設なので、亡くなられる方がいらっしゃるのは当然なのに、一日たりとも安置させていただけないのだ。
亡くなった当日に、「本日の夜9時までにご遺体を搬出して欲しい」と言われてしまった。
以前に、やはり、長年親しかった高齢の方が亡くなった時には、公的補助のある養護老人ホームであったが、御遺体を1日安置して、取り敢えずお別れが出来るような場所に移してくださった。
また、私が、以前に音楽(歌)の伴奏のお手伝いさせていただいた老人ホームでは、安置する場所がちゃんとあった。
今回のところは、仮にも高級といわれているかなりな高額な有料老人ホーム。
死んだとわかったら、看る価値がないという訳なのか?
そして、御遺体の搬出の為に葬儀屋さんが来たら、夕食時間なので、入居の皆様が食事に出てくる前に見えないように早く出してほしいと言われてしまった。
なんとも悲しい限り。
やっぱり、営業だけなんだと・・・。
老人ホームを選ぶ時には、そのへんも見極めたいところ。
事情があって、火葬は明日行う。
神父様はご予定があって行かれないので、代わりに信徒だけでお祈りをさせていただく。
葬儀のしおりを持って、事前に目を通し、やることを頭に入れて(先輩からのアドヴァイス)置かないといけない。
遺品の中からいくつかの写真と手書きと思われる絵葉書を発見。一緒に棺に入れさせていただきます。
遺品の整理をしている。
引き取ってくださるご親族がいらっしゃらないので処分するしかない。
一番親しかったはずの方も「いらない」と言われたので、彼女を想いながら、写真の一つ一つ、スケッチブックを一つずつはがし、バラしている。
もう天国で神様の元で幸せになられているのだろう。
そう思うとホッとする。ただひたすら彼女の為に祈る。そして、昔お世話になった神父様や、信徒の方々の顔を思い起こす。
納骨の日まで、御遺骨は教会で預かってくださった。
写真は持ち帰ったが、一番状態が悪くなってからのものだったので、アルバムの中から、素敵なプリントを見つけてこれと入れ替えた。
いかにも絵を描かれていた彼女らしい感じになった。
❀お知らせ❀
追悼ミサ・納骨(埋葬)日程:2016年7月2日(土) 午前11時
カトリック府中墓地聖堂、納骨堂
関町教会主任司祭稲川保明神父様の司式で追悼、納骨ミサと式が行われました。写真と一緒に光子さんが書かれた絵のカードを神父様が置いてくださいました。 御花は信徒のお花屋さんがとても良い御花を準備してくださり教会から運びました。 参列者は6名(後見人山崎司法書士、堀江夫妻、小林さん、松倉さん、伊集院)でしたが、神父様の心をこめた祈願で、ご主人一様の追悼も一緒にしていただきました。墓地全体も綺麗に改修工事がされて庭園風になり、”こみち”(関町教会管理墓地)も同時に改修されていました。 石屋さんのご配慮でご主人様の隣に骨壷を置いていただけました。無事に埋葬ができてホッとしたと同時に感謝でいっぱいです。