この夏までを目途に議論されている安保法ですが、どうも安倍総理自身が内容を
把握できていないような気さえしてくる対応や答弁が増えてきた。
これまでのパターンだと自民党の論は行き詰まりになれば、相手側に対案や代替案が無いと
指摘して煙に巻こうとするのが常套手段ではあったが、今回の民主岡田代表との討論でも
安倍総理は民主党に対して伝家の宝刀の対案の有無に縋る形で民主岡田代表をいなせた様に見えた。しかし
安倍総理は高村副総裁と同じく「日米同盟と自衛隊があったから平和を享受できた」と
検討違いの話を中心に持ってきた。これまで平和を維持できた理由として日米同盟と自衛隊の
お蔭ですと持ち上げておきながら、継続的維持ではなく、国際情勢に「柔軟に対応する為」と
前振りを置きながら安保法による自衛隊リスクを容認する法改定の考えを述べた。
本来ならば現行法での日本の安全保障は不完全で混迷する情勢に対応が難しいと否定的な立場から
アウフヘーベンさせて議論しなければ安保法の本質を主張しきれないのだが、稚拙にも枕詞のように
耳触りの良い言葉を無理矢理使うのは総理の安保に対する考えは非常に拗れた印象を持っているのが解る。
自分で自分を納得させようとしてるかのようだった。
そして日米同盟による抑止力が平和には効果的であるとする考えは、日露情勢から判断すると年間200回にも
及ぶロシア軍の日本領空侵入に対して違和感を覚える。ましてや対ロシアを想定していた国内配備の
自衛隊の戦車を200両削減した安倍政権の防衛戦略を考えれば、返って現段階よりも防衛力は減少すると思われる。
その代りに米国から水陸両用車やオスプレイを購入するということは国内軍産を排他的にした後に
軍事的にも産業的な属国化を図る安保法だといえる。
現在のTPP日米協議においてこうした米国ネオコンの日本国内への殖産が円滑に進むためには日米同盟の強化と
集団的自衛権と安保法という法律と行政のフィールド作りの役割を自民党が果たさなくてはいけないのだろう。
日本の防衛予算は一般会計ではなく特別会計で計上する部分が大きく国会審議にはかからない所が多い、
こうした水面下の不透明性を突いてくる米国ネオコンの策略は今の所功を奏している。
・特別秘密保護法
・防衛大綱の改革
・軍事ODAによる財政支出
・集団的自衛権の行使容認
・安保法整備
と安倍政権は段階的に自衛隊の武具装備品が活躍し消耗できる体制が整いつつある。こうして武器商人の
懐を温める為に今後も軍事費の消費活動を率先していくのだろうと思う。
財政問題では社会保障費とは全く逆行した流れを作り出している安保法案に期待できるものは薄くとも
政権維持の為に有権者に都合よく聞こえるように努力するのが今の自民党のお仕事とは、情けなく
なってくるものだ。
戦後復興支援ならば現憲法でも可能だが、この安保法が成立したあかつきには米軍の後方支援から
戦時に及んでの財政出動も可能となる。ODAと組み合わせれば、ほとんど無料で米軍は日本の武具装備品を
提供できることになる。
正直に云ってしまった方がいいんだよ。米国軍産関連に資金を流す為で間接的に日本がアジア地域を
管轄する裏側に米国に立って貰って発言力を強めたいって。財政面では属国化だが、安全保障の面では
バックスアメリカーナですって。言ってしまった方が議論が出来るってものだ。
しかし強かな米国ネオコンはこれまで米国の覇権に絡んで中国とのイザコザに関与していたものを
自身の利益関係ではなく、日本から米国へのアジア地区の委託業務として南沙や尖閣諸島の安全保障を実現するかもしれない。
中国が騒ぐから米軍が覇権争いで対処するのではなく、中国が騒げば日本からの要請を待ってその後米国が事態の収拾を図る
これが達成されれば、米国は中国叩きにアジア地区でのロイヤリティが発生する。
中国と米国をブッキングして国交を悪化させ傍目でせせら笑う日本人には大分痛みが強いものだ。
今まで在日米軍を容認させるためにしていた事が有料化するなて・・・やっぱりビジネスですな。
自衛隊が海外で派兵され活躍できるかはあまり問題ではない。
これまでの無料使用期間は過ぎましたってことだな。