まさおさまの 何でも倫理学

日々のささいなことから世界平和まで、何でも倫理学的に語ってしまいます。

言われると意識しちゃう

2009-08-11 12:16:49 | ドライブ人生論
東北はもう梅雨は明けないままなのでしょうか。
昨日も大雨で、ワイパーを最強にしても前がよく見えないくらいでした。
それで思い出してしまったのですが、
その昔、学生たちといっしょに安比までスキーに行ったことがあります。
何台かのクルマに分乗し、私も運転手となり数名の学生を乗せていくことになりました。
あいにくの天気で行きは猛吹雪となり、
やはりワイパー最強にして、高速道路を徐行運転していました。
すると、同乗者のうちのひとりは運転免許をもっていない女の子だったのですが、
彼女がこんなことを聞いてきました。

「先生、ワイパー見てたら目が回ったり、眠くなっちゃったりしませんか?
 私はなんだか気持悪くなってきちゃいました。」

これにはやられました。
本人が意識していないことを言語化することによって気づかせてあげるというのは、
コーチングの高等テクニックなのですが、
これはまったく同じ手法をネガティブに使った例ですね。
意識しなくていいことを、わざわざ指摘することによって意識させてしまい、
調子を狂わせるという恐ろしいワザです。
それまでワイパーの動きなんてまったく見ていないし、意識もしていなくて、
窓の向こう側の路面状況に集中できていたのに、
そんなふうに言われると、ワイパーが気になって気になってしかたありません。
雪道から注意がそれ、しだいに気持も悪くなってきてしまいました。

ゴルフでは、一緒にラウンドしている調子いい選手をつぶすために、
こんなことを言ったりするそうです。
「今日はすごくいいスイングだね。
 グリップの強さだけど、右手と左手、何対何の割合で握ってるの?」
こんなことを聞かれると、そのことを意識してしまい、
それまで自然とできていたことがぎこちなくなってしまった挙げ句に、
調子を崩してしまったりするんだそうです。

身の回りにもこういうよけいな一言を言ってくる人っていませんか?
ゴルフの例みたいに悪意をもってわざと言うのではないんでしょうが、
なんでそんなことをと思うようなことをわざわざ言って、
人の意識を攪乱してしまうような人です。
先ほどのワイパーの例のように、初心者とか素人の発言ってけっこう恐ろしいです。
的を外しているんだけど、言われるとなぜか気になっちゃうようなことを、
さらっと言ってきたりします。
そういう人にペースを掻き乱されないようにしたいものです。