まさおさまの 何でも倫理学

日々のささいなことから世界平和まで、何でも倫理学的に語ってしまいます。

学内車道無用論

2010-09-22 17:32:00 | ドライブ人生論
先日、福島大学の学内を猛スピードで走っているクルマを見かけました。
福島大学の学内は制限速度が時速20kmとなっておりますので、
どれほどスピードオーバーしていたのでしょうか。
まあ制限速度20kmというのはありえないくらい遅いスピードですので、
実際にそれを守っているクルマを見たことがないくらいですが、
それにしても大学の施設内をあんなにスピード出すなんて危ないったらありゃしません。
その昔、寮生が (福大の学生寮はキャンパス内にあります)、
図書館の先の下り坂になっている急カーブのところを猛スピードで走っていたら、
曲がりきれなくてクルマが横転する大事故を起こしたことがありました。
単独で事故るのは自業自得だからかまいませんが、歩行者を轢いたりしたら大惨事です。
時速20kmで走れとは言いませんが、学内はできるだけそーっと走ってもらいたいものです。

ところで、私は福島大学に来たときから気になっていたことがあります。
そもそもなんで学内に自動車用の舗装道路が通っているのでしょうか?
そんなものを作るからみんなスピードを出したくなるのです。
例えば、皆さんの小学校や中学校や高校の敷地内に車道なんてありましたか?
舗装はされていたかもしれませんが、センターラインまで引いてあって、制限速度まで指定してあって、
どうぞクルマで通過してくださいなんていうような道路はなかったはずです。
基本的に学内というのは児童・生徒が歩行するわけですから、
たとえクルマが乗り入れることができたとしても、
肩身を狭くしながらそーっと通らなければいけないような作りになっていたはずなのです。
それを福島大学みたいにきっちり車道が整備されて、
歩行者の側がクルマを気にしながら歩かなければならないなんていうのは本末転倒なのです。
福島大学の場合、車道だけはあって歩道すら設置されていない、
ないしは、道路の片側だけにしか歩道がないという箇所が多々ありますから、
学内を歩く人間のほうがものすごーく肩身の狭い思いをしなきゃいけないことになってしまっています。

ちなみに私は学部時代は東京外国語大学 (今はなき西ヶ原キャンパス)、
大学院時代は法政大学 (市ヶ谷キャンパス) に通っていましたが、
どちらのキャンパスにも自動車用の舗装道路なんてありませんでした。
もちろん学内にはクルマは乗り入れ可能でしたし、駐車場も若干ありましたが、
クルマのほうは大学の敷地内に入ったら、
闊歩する歩行者のジャマにならないように慎ましく駐車場まで静かに移動するしかありませんでした。
外語大も法政大もあまりキャンパスが広くなかったからそうなっていたと言えるかもしれませんが、
福島大学だって、数ある大学の中では本当に小さなもんです。
こんな小さなキャンパスに舗装道路をくまなく張りめぐらせた設計者の神経が理解できません。

今回のテーマから引き出される、人生全般に応用可能な教訓は次のようなものです。
人間の行動はシステムや環境に依存している部分が大きいので、
個人の善意やモラルに訴える前に、システムや環境を整える必要がある。
人が危険な行為に走ってしまう誘因を突き止めて、
それを根絶してあげれば、問題を飛躍的に改善することができる。
以上の2点です。
というわけで、福島大学から車道を撤廃すべきだ、というのが今日の結論でした。