【はじめに】
菅内閣が日本学術会議から推薦された会員候補・105名の内、6名を認めなかったことで、マスコミと野党などが大騒ぎしています。 最近まで殆どの国民は、日本学術会議と言う名前を聞いた事が無かったのでは?
数日前に、尊敬している三浦瑠璃氏のコメントを読んで、日頃は”歯に衣を着せない”彼女なのに、日本学術会議側の批判は殆どしていませんでした。 彼女は”学者”ですから、「老先生達の問題点は指摘できないのか?」と思いました。 それなら、私が書こうと思い立った分けです。
【日本学術会議とは】
日本学術会議は、1948年に制定された『日本学術会議法』に基づいて、内閣府に設けられた機関です。 学者・先生達が科学に関する意見を議論して、発表する団体です。 科学に関する予算に関連したり、政治的圧力を加える団体では有りません。
ウイキペディアによると、意見表明には下記の六種類が有るようです。近年は、政府から意見を求められる事も無く、日本学術会議の方から勧告や要望を出す事も殆ど有りません。
① 勧告 :科学的な事柄について、政府に対して実現を強く勧めるもの
② 要望 :科学的な事柄について、政府及び関係機関等に実現を望む意思表示をするもの
③ 声明 :科学的な事柄について、その目的を遂行するために特に必要と考える事項について、意思等を発表するもの
④ 答申 :専門科学者の検討を要する事柄についての政府からの問いかけに対する回答
⑤ 提言 :科学的な事柄について、部、委員会又は分科会が実現を望む意見等を発表するもの
⑥ 会長談話 :緊急な課題等について、日本学術会議会長から発する談話
(余談) 日本には科学アカデミーに相当する団体は、日本学術会議の他に日本学士院と日本工業アカデミーが有ります。 科学予算の配分に関係しているのは、国立研究開発法人・科学振興機構と独立行政法人・日本学術振興会です。
【会員の任命】
問題になっている『会員の任命』についての規定は、日本学術会議法の第7条の2項「会員は、第17条の規定による推薦に基づいて、内閣総理大臣が任命する」。 第17条は、「日本学術会議は、規則で定めるところにより、優れた研究又は業績がある科学者のうちから会員の候補者を選考し、内閣府令で定めるところにより、内閣総理大臣に推薦するものとする」となっています。
「推薦された会員候補を総理大臣が拒否出来るか?」は法律には明記されていません。 最近亡くなられた中曾根康弘氏が総理大臣だった、1983年に「学会から推薦したものは拒否しない、形だけの任命をしていく、政府が干渉したり、そういうものではない」との見解を出されました。 野党の一部などは、この見解を盾に異議を唱えています。
中曽根氏の見解は40年ほど前の話しです。「世の中が変化しても、昔の総理大臣の考え方に縛られる」と、皆さんは考えますか? もし、そんなルールが存在しているのだったら、新しい事は何も出来ません。 立憲民主党が政権を取っても、自民党時代の政府見解を守るのですか?
【推薦する会員の決定】
内閣府に推薦する『会員』の決定方法は、過去・何回か変更されましたが、2005年から「現在の会員が次の会員を選ぶ『コ・オプテーション方式』」になっています。 左派の現会員は左派の人を、右派の現会員は右派の人を推薦する事になります。理工系でも学閥が存在しますから、○○学閥の現会員は○○学閥の人を推薦します。
国立大学で新たな教授を採用する事になったとします。「××領域の研究をしている・・・を募集する」と言う官報が出ます。 貴方が正に該当すると考えて応募して見て下さい。 ノーベル賞の様な権威のある賞を得ている場合は別ですが、不採用になります。 官報を出す前に内示が出ているケースが殆どだと、私は思います。学者先生達はそう言う世界に生きているのです。
政治家は、国民の考え方が多いい方が当選しますが、学者先生達は国民の思想とは無関係です。従って、どんな『推薦会員』の決定方法でも、国民の少数しか支持しない思想の持ち主の『会員』が誕生します。 然し、「日本学術会議には国政に関する決定権が無いのですから、色々の考え方の『会員』がいる方が健全だ」と私は思います。
(余談 :日本学術会議の選挙?) 日本学術会議には210名の会員と約2,000名の連携会員がいます。会員と連携会員の任期は6年で、会員は再任不可、連携会員は2回まで再任可能です。3年毎に半数が交代する事になっています。会員の定年は70歳です。
現在の会員と連携会員が(次期の)会員候補と連携会員候補を投票用紙に5名まで記入します。 その内、会員候補は0名~2名まで書く事になっています。 「投票結果をどの様に集計して当選者を決めるのか?」私が調べた範囲内では不明です。「当落ライン上で、得票数が同じ場合はどうするのか?」、「定員に達しなかったらどうするのか?」、「1票しか得られ無かった人でも、当選にするのか?」・・・日本学術会議は公表する義務が有ります。
会員候補を105名選んで、リストを内閣府に提出しますが、連携会員には内閣の認定は不要ですから、日本学術会議が投票結果を基に独自に決定します。 なお、「会員は特別職、連携会員は一般職の国家公務員となります」が、貴方や私の毎月の小遣い程度の手当が支給されるだけだと思われます。「会員になったら年金が増える」との報道がありましたが、噓です! 全くの名誉職です。
【日本学術会議は必要か?】
欧米諸国には科学アカデミーと言う団体が有ります。日本にも戦前には『学術研究会議』が有りましたが、終戦の年(1945年)に廃止されました。 多分・GHQの指導が有ったのだと思いますが、1949年に『日本学術会議』として復活しました。
初期の頃は、荒廃した科学の復興に日本学術会議は貢献した様に思いますが、次第に政治家にとって日本学術会議は重要ではなく、寧ろ困った存在になったと思われます。
政府が専門家に意見を出して貰いたい時、日本学術会議に意見を求めると(忖度しない)意見が出て来る恐れが有ります。 従って、現在は民間人と御用学者を含めた有識者会議で議論してもらう様になっています。
現在の存続の意義は、「欧米諸国にアカデミーが存続しているから、国の体裁の為にそのままにしておこう!」、「年間の経費は僅か11億円ほどだから」と考えて、歴代の内閣は放置して来たのだと私は考えています。 近年は、「秘書付き、小遣い付き、居心地の良い高給老人クラブ」の様な存在になっている様に思われます。
野党は6人排除した事を問題にしていますが、立憲民主党や共産党が将来・政権を取ったとしても、日本学術会議に活躍して貰う事は無いでしょう。 日本学術会議には右寄りの先生もおられるので、立憲民主党や共産党にとっても、好ましい団体では無いのです。
【学者・先生達の組織を改革出来るのか?】
菅総理は、日本学術会議を改革したいと考えているのでしょうか? どう改革したいのでしょうか? 私は、「軽い気持ちで(深い考え無しに)6人排除した書類にサインしてしまったのでは」と想像します。
日本学術会議の会員と連携会員は、文章を書くのに慣れており、口の達者な方が多く、何よりも年寄り達ですから、人の意見を聞く耳を持っていません。 「少しは、政府の方針を忖度した発言をして欲しい!」と言っても、馬耳東風です。
一時的に左寄りの学者を排除しても、十年もしたら左寄りの学者が会員になるでしょう! 総理大臣の貴重な時間とエネルギーを割いて、日本学術会議の改革(?)を行う必要は無いと思います。
【学会の選挙】
日本学術会議の会員(210名)と連携会員(約2,000名)は、各種学会の推薦で選ばれます。 各学会のボス達が独断で人選しているのだと思います。ガラス張りの状態で決めているのでは有りません。
ウイキペディアによると、2020年現在・日本には1,176もの学会が有ります。学会より会員の少ない協会、研究会や勉強会も多数有ります。 研究者や開発者は、大抵・複数の学会や協会のメンバーになります。(私も、五つの団体に会費を納入していました。)
学会には『公的学会』があり、それらは日本学術会議が指定しています。公的学会で無い学会も有ります。『創価学会』は公的学会では有りません。
私は、1971年に機械工学科を卒業して社会人になりましたが、当時の機械工学関係の学会や研究会は会員は少なかったですが、戦争で遅れてしまった工業の発展に貢献したいと考えて、皆さん頑張っていた様に思います。学会で活躍されていた方が理事になられました。
日本が豊かになって来ると学会の会員数が増えて、名誉欲の強い人間が学会の理事に立候補する様になって来ました。 民間企業からも理事が選ばれましたが、名誉欲だけは人一倍強いのですが、工学的知見は殆ど無い”お偉方”が理事になるケースが増えて来ました。
【日本弁護士連合会】
欧米諸国では、市民が血を流して民主主義を獲得しましたが、日本は戦後・GHQから与えられました。民主国家になったと考えておられる方が多いいと思いますが、何かの団体を作ると、直ぐに非民主化してしまいます。その典型が日本弁護士連合会(日弁連)だと思います。
日本には1949年に全面改正された『弁護士法』が有ります。この法律によって、弁護士の資格を得ても、どこかの弁護士会に所属しないと、弁護士の仕事が出来ません。 全国に有る弁護士会は、日弁連に所属しなければなりません。
日本学術会議は税金で運営されていますが、弁護士会は弁護士達が治める会費などで運営されています。(国費は投入されていません。) 従って、弁護士として働くためには、地域の弁護士会と日弁連に会費を納入しなければならないのです。 合計の年会費は20万円以上になるようです。日弁連に入る年会費の総額は(私の試算では)60億円ほどになります。(日本学術会議の運営費は11億円ほどです。)
弁護士になるためには、ある程度・頭脳明晰でなければなりませんが、「頭の良い人間の団体はガラス張りの民主的な団体だろう」と思われそうです。 然し、実情は全く違う様に見えます。
日本人の多くは『事なかれ主義』です。自分達の出す金で運営される団体で、ボス達が勝手に決定しても文句を言わないケースが多々有るのです。 その典型例が、日弁連と民間企業の御用組合だと思います。
(余談) 橋下徹氏も日弁連の会員です。 橋本氏でも、日弁連の左寄りで、理想主義的な主張を止める事が出来ません。 私は典型的な悪徳御用組合に所属していましたが、組合員を無視した会社寄りの(高給を食む)組合幹部に異議を申し立てた事は有りません。そんな事をしたら、昇格が完全にスットップしたからです。
【私の考え】
日本学術会議は有っても無くても良い機関ですから、この際・廃止したらスッキリすると思います。日本学術会議法を廃止するだけで良いのでは? 野党は6名排除した事は問題にしていますが、日本学術会議の廃止にも反対するでしょうか? 民主党政権時代にも、日本学術会議は何の役にも立たなかった様に思えるのですが!?
廃止したら、東京の地下鉄・乃木坂駅前の一等地が空きます。職員50名の給与4億円と、更に7億円ほどの予算が浮きます。
国民に民主主義思想がもっと広がって、事なかれ主義から脱却出来て、自分の意見をハッキリ言う人が増えて来たら、「日本科学アカデミー」として再スタートしたら良いと考えます。日本の国民は残念ながら、ガラス張りの民主的な団体を作ったり、維持する能力が有りません。 少子化対策が進んで『未婚女性家族社会』になったら、世の中はガラリと変わって、民主主義思想が定着すると期待しています。
(余談) 私は「自衛隊は必要だ」と考えています。従って、兵器も必要です。 日本学術会議は1950年以来・一貫して兵器の研究開発を否定しています。欧米諸国、ロシア、中国にも科学アカデミーは有りますが、兵器の研究開発を否定しているアカデミーは、他には無いと思います。
菅内閣が日本学術会議から推薦された会員候補・105名の内、6名を認めなかったことで、マスコミと野党などが大騒ぎしています。 最近まで殆どの国民は、日本学術会議と言う名前を聞いた事が無かったのでは?
数日前に、尊敬している三浦瑠璃氏のコメントを読んで、日頃は”歯に衣を着せない”彼女なのに、日本学術会議側の批判は殆どしていませんでした。 彼女は”学者”ですから、「老先生達の問題点は指摘できないのか?」と思いました。 それなら、私が書こうと思い立った分けです。
【日本学術会議とは】
日本学術会議は、1948年に制定された『日本学術会議法』に基づいて、内閣府に設けられた機関です。 学者・先生達が科学に関する意見を議論して、発表する団体です。 科学に関する予算に関連したり、政治的圧力を加える団体では有りません。
ウイキペディアによると、意見表明には下記の六種類が有るようです。近年は、政府から意見を求められる事も無く、日本学術会議の方から勧告や要望を出す事も殆ど有りません。
① 勧告 :科学的な事柄について、政府に対して実現を強く勧めるもの
② 要望 :科学的な事柄について、政府及び関係機関等に実現を望む意思表示をするもの
③ 声明 :科学的な事柄について、その目的を遂行するために特に必要と考える事項について、意思等を発表するもの
④ 答申 :専門科学者の検討を要する事柄についての政府からの問いかけに対する回答
⑤ 提言 :科学的な事柄について、部、委員会又は分科会が実現を望む意見等を発表するもの
⑥ 会長談話 :緊急な課題等について、日本学術会議会長から発する談話
(余談) 日本には科学アカデミーに相当する団体は、日本学術会議の他に日本学士院と日本工業アカデミーが有ります。 科学予算の配分に関係しているのは、国立研究開発法人・科学振興機構と独立行政法人・日本学術振興会です。
【会員の任命】
問題になっている『会員の任命』についての規定は、日本学術会議法の第7条の2項「会員は、第17条の規定による推薦に基づいて、内閣総理大臣が任命する」。 第17条は、「日本学術会議は、規則で定めるところにより、優れた研究又は業績がある科学者のうちから会員の候補者を選考し、内閣府令で定めるところにより、内閣総理大臣に推薦するものとする」となっています。
「推薦された会員候補を総理大臣が拒否出来るか?」は法律には明記されていません。 最近亡くなられた中曾根康弘氏が総理大臣だった、1983年に「学会から推薦したものは拒否しない、形だけの任命をしていく、政府が干渉したり、そういうものではない」との見解を出されました。 野党の一部などは、この見解を盾に異議を唱えています。
中曽根氏の見解は40年ほど前の話しです。「世の中が変化しても、昔の総理大臣の考え方に縛られる」と、皆さんは考えますか? もし、そんなルールが存在しているのだったら、新しい事は何も出来ません。 立憲民主党が政権を取っても、自民党時代の政府見解を守るのですか?
【推薦する会員の決定】
内閣府に推薦する『会員』の決定方法は、過去・何回か変更されましたが、2005年から「現在の会員が次の会員を選ぶ『コ・オプテーション方式』」になっています。 左派の現会員は左派の人を、右派の現会員は右派の人を推薦する事になります。理工系でも学閥が存在しますから、○○学閥の現会員は○○学閥の人を推薦します。
国立大学で新たな教授を採用する事になったとします。「××領域の研究をしている・・・を募集する」と言う官報が出ます。 貴方が正に該当すると考えて応募して見て下さい。 ノーベル賞の様な権威のある賞を得ている場合は別ですが、不採用になります。 官報を出す前に内示が出ているケースが殆どだと、私は思います。学者先生達はそう言う世界に生きているのです。
政治家は、国民の考え方が多いい方が当選しますが、学者先生達は国民の思想とは無関係です。従って、どんな『推薦会員』の決定方法でも、国民の少数しか支持しない思想の持ち主の『会員』が誕生します。 然し、「日本学術会議には国政に関する決定権が無いのですから、色々の考え方の『会員』がいる方が健全だ」と私は思います。
(余談 :日本学術会議の選挙?) 日本学術会議には210名の会員と約2,000名の連携会員がいます。会員と連携会員の任期は6年で、会員は再任不可、連携会員は2回まで再任可能です。3年毎に半数が交代する事になっています。会員の定年は70歳です。
現在の会員と連携会員が(次期の)会員候補と連携会員候補を投票用紙に5名まで記入します。 その内、会員候補は0名~2名まで書く事になっています。 「投票結果をどの様に集計して当選者を決めるのか?」私が調べた範囲内では不明です。「当落ライン上で、得票数が同じ場合はどうするのか?」、「定員に達しなかったらどうするのか?」、「1票しか得られ無かった人でも、当選にするのか?」・・・日本学術会議は公表する義務が有ります。
会員候補を105名選んで、リストを内閣府に提出しますが、連携会員には内閣の認定は不要ですから、日本学術会議が投票結果を基に独自に決定します。 なお、「会員は特別職、連携会員は一般職の国家公務員となります」が、貴方や私の毎月の小遣い程度の手当が支給されるだけだと思われます。「会員になったら年金が増える」との報道がありましたが、噓です! 全くの名誉職です。
【日本学術会議は必要か?】
欧米諸国には科学アカデミーと言う団体が有ります。日本にも戦前には『学術研究会議』が有りましたが、終戦の年(1945年)に廃止されました。 多分・GHQの指導が有ったのだと思いますが、1949年に『日本学術会議』として復活しました。
初期の頃は、荒廃した科学の復興に日本学術会議は貢献した様に思いますが、次第に政治家にとって日本学術会議は重要ではなく、寧ろ困った存在になったと思われます。
政府が専門家に意見を出して貰いたい時、日本学術会議に意見を求めると(忖度しない)意見が出て来る恐れが有ります。 従って、現在は民間人と御用学者を含めた有識者会議で議論してもらう様になっています。
現在の存続の意義は、「欧米諸国にアカデミーが存続しているから、国の体裁の為にそのままにしておこう!」、「年間の経費は僅か11億円ほどだから」と考えて、歴代の内閣は放置して来たのだと私は考えています。 近年は、「秘書付き、小遣い付き、居心地の良い高給老人クラブ」の様な存在になっている様に思われます。
野党は6人排除した事を問題にしていますが、立憲民主党や共産党が将来・政権を取ったとしても、日本学術会議に活躍して貰う事は無いでしょう。 日本学術会議には右寄りの先生もおられるので、立憲民主党や共産党にとっても、好ましい団体では無いのです。
【学者・先生達の組織を改革出来るのか?】
菅総理は、日本学術会議を改革したいと考えているのでしょうか? どう改革したいのでしょうか? 私は、「軽い気持ちで(深い考え無しに)6人排除した書類にサインしてしまったのでは」と想像します。
日本学術会議の会員と連携会員は、文章を書くのに慣れており、口の達者な方が多く、何よりも年寄り達ですから、人の意見を聞く耳を持っていません。 「少しは、政府の方針を忖度した発言をして欲しい!」と言っても、馬耳東風です。
一時的に左寄りの学者を排除しても、十年もしたら左寄りの学者が会員になるでしょう! 総理大臣の貴重な時間とエネルギーを割いて、日本学術会議の改革(?)を行う必要は無いと思います。
【学会の選挙】
日本学術会議の会員(210名)と連携会員(約2,000名)は、各種学会の推薦で選ばれます。 各学会のボス達が独断で人選しているのだと思います。ガラス張りの状態で決めているのでは有りません。
ウイキペディアによると、2020年現在・日本には1,176もの学会が有ります。学会より会員の少ない協会、研究会や勉強会も多数有ります。 研究者や開発者は、大抵・複数の学会や協会のメンバーになります。(私も、五つの団体に会費を納入していました。)
学会には『公的学会』があり、それらは日本学術会議が指定しています。公的学会で無い学会も有ります。『創価学会』は公的学会では有りません。
私は、1971年に機械工学科を卒業して社会人になりましたが、当時の機械工学関係の学会や研究会は会員は少なかったですが、戦争で遅れてしまった工業の発展に貢献したいと考えて、皆さん頑張っていた様に思います。学会で活躍されていた方が理事になられました。
日本が豊かになって来ると学会の会員数が増えて、名誉欲の強い人間が学会の理事に立候補する様になって来ました。 民間企業からも理事が選ばれましたが、名誉欲だけは人一倍強いのですが、工学的知見は殆ど無い”お偉方”が理事になるケースが増えて来ました。
【日本弁護士連合会】
欧米諸国では、市民が血を流して民主主義を獲得しましたが、日本は戦後・GHQから与えられました。民主国家になったと考えておられる方が多いいと思いますが、何かの団体を作ると、直ぐに非民主化してしまいます。その典型が日本弁護士連合会(日弁連)だと思います。
日本には1949年に全面改正された『弁護士法』が有ります。この法律によって、弁護士の資格を得ても、どこかの弁護士会に所属しないと、弁護士の仕事が出来ません。 全国に有る弁護士会は、日弁連に所属しなければなりません。
日本学術会議は税金で運営されていますが、弁護士会は弁護士達が治める会費などで運営されています。(国費は投入されていません。) 従って、弁護士として働くためには、地域の弁護士会と日弁連に会費を納入しなければならないのです。 合計の年会費は20万円以上になるようです。日弁連に入る年会費の総額は(私の試算では)60億円ほどになります。(日本学術会議の運営費は11億円ほどです。)
弁護士になるためには、ある程度・頭脳明晰でなければなりませんが、「頭の良い人間の団体はガラス張りの民主的な団体だろう」と思われそうです。 然し、実情は全く違う様に見えます。
日本人の多くは『事なかれ主義』です。自分達の出す金で運営される団体で、ボス達が勝手に決定しても文句を言わないケースが多々有るのです。 その典型例が、日弁連と民間企業の御用組合だと思います。
(余談) 橋下徹氏も日弁連の会員です。 橋本氏でも、日弁連の左寄りで、理想主義的な主張を止める事が出来ません。 私は典型的な悪徳御用組合に所属していましたが、組合員を無視した会社寄りの(高給を食む)組合幹部に異議を申し立てた事は有りません。そんな事をしたら、昇格が完全にスットップしたからです。
【私の考え】
日本学術会議は有っても無くても良い機関ですから、この際・廃止したらスッキリすると思います。日本学術会議法を廃止するだけで良いのでは? 野党は6名排除した事は問題にしていますが、日本学術会議の廃止にも反対するでしょうか? 民主党政権時代にも、日本学術会議は何の役にも立たなかった様に思えるのですが!?
廃止したら、東京の地下鉄・乃木坂駅前の一等地が空きます。職員50名の給与4億円と、更に7億円ほどの予算が浮きます。
国民に民主主義思想がもっと広がって、事なかれ主義から脱却出来て、自分の意見をハッキリ言う人が増えて来たら、「日本科学アカデミー」として再スタートしたら良いと考えます。日本の国民は残念ながら、ガラス張りの民主的な団体を作ったり、維持する能力が有りません。 少子化対策が進んで『未婚女性家族社会』になったら、世の中はガラリと変わって、民主主義思想が定着すると期待しています。
(余談) 私は「自衛隊は必要だ」と考えています。従って、兵器も必要です。 日本学術会議は1950年以来・一貫して兵器の研究開発を否定しています。欧米諸国、ロシア、中国にも科学アカデミーは有りますが、兵器の研究開発を否定しているアカデミーは、他には無いと思います。