我が村には、地元新聞(北信濃新聞)がある。
週一ペースの新聞であるが、時々、この新聞を取っている埼玉のおばさんから電話が入る。「どこどこの誰々さん・・・・亡くなったんだってな」と。
おばさんは、どうもお悔やみ欄を真剣に見ているらしい。
そんな北信濃新聞であるが、地域に根付いた記事もさることながら、私がいつも楽しみにしているのが、戸狩にある『かのえ』さんの広告だ。
年代が若くなるほど使われなくなって来てはいるが、我が家の年よりも、ご近所さんも、まだまだこんな言葉が飛び交っている。
『やっぱり降ったさ。へぇ 今年は降れぇねえと思ったのに、エギ(雪)囲いはずした人、冬ダネ(屋根から落とした雪を消すための水を溜めたもの)つぶして庭にビニールハウス立てちゃった人も、そしてスキー場をもう、閉めちゃったとご(所)だってあるのに、どうしてシャバ(世の中)は、うんまぐ(旨く)えがねやら(行かないやら)』とこう来るのだ。
もう一つ、最新版を書こう
『春のオチュンチも過ぎて、真冬に戻ちゃって菜の花、桜の花はえつごろさぐやら、気やもめる。こんな年は遅霜、長雨、冷夏で作なんて、いいあんじゃねえぞ』なんてせう、気象予報士みたえな方もあちこちに。コシヒカリ農家の我が家としては、まぁ~んで心配』とまたまたこう来た。
旨く読めるかな???

しかし、方言はいい。
なんか、あったかいし、顔が自然と緩んでくる。
前に、青森の弘前の人達が交流で来た時は、話す言葉だけでもう仲良しだ。
おばあちゃんは、結構この方言丸出しなので、前に冠婚葬祭いで東京に出向いた際、タクシーの中で喋っていたら運転手さんが「いいねぇ~ 飯山弁」と言われ
嬉しそうに、そんな土産話をした事があった。
標準語に近い私は思った。
家族みんながこの方言をしゃべろうと、決して染まるまい・・・と。
しかしだ!
「早く、マンマ 食わし」と 子供を急かしている今の私がいた。
(早く、ご飯 食べてね!)
そして、編集長が書く、らくがき方言版は・・・もう一つの楽しみでもある。
