カーボンニュートラルは喫緊の課題である。特に化石燃料を用いた火力発電には、厳しい目が向けられている。その為「石油がダメならアンモニアを燃やせばいいじゃない」と、電力会社は方針転換を図っている様である。アンモニアならCO2は出ないからエコらしい。それはそうなのだろうが、酸性雨の原因である窒素酸化物(NOx)を増やしてどうすると云う気持ちにもなる。しかも当面は天然ガスからアンモニアを生成するのが主流となる様で、CO2を出してNOxも出しちゃう大盤振る舞いが地球環境に優しいと云う意見は、過渡期である事を大目に見ても、割り引いて考えた方が良さそうである。ロカボダイエットもそうであるが、「これだけやれば万事解決」と云う奇跡の対処法なんぞ存在しないと考えた方が精神衛生上宜しかろう。カーボンニュートラルと云う分かり易いスローガンが自己目的化して、本来の目標を見失った儘にゴリゴリ前進する例は、案外身近にもありそうなのである。