現実的な落し所に思える。コロナワクチンの接種は、住民台帳に基づき市区町村がクーポン券を発行する形で管理する様である。高齢者施設入所者はその限りではない様だが、諸般の事情で住民票を移していない人は、郵送が少々遅れるかも知れない。接種歴の記録にはマイナンバーをキーとして用いるが、それを意識する必要は当面なさそうである。履歴照会の要望にどう応えるかは、これからの楽しみとしたい。優先順位は医療従事者、65歳以上の高齢者、基礎疾患保有者、高齢者施設勤務者、60歳以上の前期高齢者となる様で、これも妥当と判断する。働き盛り世代にとっては複雑な思いであろうが、まず救わねばならないのは高齢者ではなく病院であると思って納得して欲しい。総合的に見れば厚労省にしては上出来に思えるのだが、一点だけ異論を差し挟みたい。BMI30以上は基礎疾患ではない。生活習慣がちょっと緩いだけなのであり、私よりも優先すべき人は大勢居るのである。
味の素が供給不足でPS5が品薄。何のオカルトかと思ったが、味の素の子会社が半導体の絶縁素材を作っていて、シェアはほぼ100%でそれが無いと作れない。昨今高性能チップの需要が増えた為、生産が追い付かないらしい。PS5もXBoxもAppleのM1チップも影響を受けると云うのだから、とんでもない所にボトルネックがあったものである。部品大国ニッポンの威信を懸けて、奮闘努力を期待したい。ゲーム機やPCのみならず、そのあおりを自動車業界も受けており、電子制御モジュールが不足して減産に追い込まれる所が相次いでいる。最新の自動車は先端技術の塊の様なものであり、自動運転の実現には更に高性能なチップが求められるだろう。味の素にはビッグチャンスではあろうが、ここはサプライチェーン強靭化の為に、どこかにライセンス供与して製造してもらった方が良い様に思える。製造業流通業が機会損失で不利益を被り、転売ヤーだけが大笑いと云うのも何となく癪なのである。
GoToキャンペーンが感染拡大を助長した。停止から1か月以上が経過した現在、そう主張する人は少なくなった様に感じる。キャンペーンで国民の気が緩んだ、と微妙に論点を変えた人は居る。緩みっぱなしの私が言うのも何だが、そこまで政府に面倒を見てもらう筋合いはないし、国民の意思を統率しようと云う発想の方が危険である。困っている方達が居るから役立てる事をしよう。そう考える様に仕向ければ、応援したい飲食店や旅館は利用し、感染しない・させないを徹底して医療現場の負荷を下げる行動を選ぶ国民は、少なくとも2割に増えると思う。ただ人間誰しも聖人ではない。そこで各都道府県に「辛抱堪らん消費特区」を設けてはどうか。飲食観光業のあらゆる制限を撤廃すると共に、出入りする人は「潜在的濃厚接触者」として個人情報と行動ログの提出を義務付ける。そう云うリスク管理したガス抜きが出来るかどうかで、国民の我慢度合いも変わると思うのである。
便利な世の中である。「ライブカメラ さいたま」で検索すれば、県内の様々な所に設置され公開されているカメラの映像を、リアルタイムで見る事が出来る。非公開のカメラを網羅したサイトも無くはないが、共犯者と見做されるのでよいこは近寄ってはならない。お陰で現時点での降雪状況を、部屋に居ながらにして知る事が出来る。ボーッと見続けていても何か面白い事態が発生する可能性は皆無(渋谷のスクランブル交差点は粘る価値が有るかも知れない)なのであちこち切り替えて見ているが、関東平野部はまだ雨の様で積雪は夜半にかけてとなろう。しかしこれだけの数のカメラがダラダラと映像を垂れ流し続けていると云うのも考え様によっては壮観であり、猜疑的な権力者であれば監視社会を構築したくもなるわなぁとも思う。個人の秘匿権と公共の治安はトレードオフであり、その落し所を念頭に置きながら使っていかないと、便利な技術は何かと暴走しがちなのである。
エンジン屋の意地を見た思いである。三菱重工の関連会社が、水素100%で稼働する内燃型発電装置の試験運用を始めたそうである。水素を燃やしてモーター回すのは想像通り危険なので、大型発電所での利用は検討されていたが、従来のガソリンエンジンと同様の機構でも出来る事を証明したと云う意味で画期的であると同時に、無茶しやがってとも思う。しかし脱炭素社会に向けて、水素の消費を増やす研究を重ねるのは正しい。太陽光発電等で余った電気を使って水素を蓄積出来る様になれば、電力需給のムラを平準化する効果も期待出来る。個人的には余剰電力で重りを吊り上げ位置エネルギーとして蓄積する方式が変換効率悪過ぎて大好きなのだが、それはどうでもいい。蓄電池と水素化を相補的な技術として商業化に持ち込めば輸出でウハウハも夢ではない。それが非常に難しい事は文系のおっさんでも分かるが、技術立国ニッポンの意地を爆発させて欲しいと期待するのである。