人工股関節とともに

身体の中の異物という存在でありながら、末永く仲良くしたい人工股関節。前向きに生きよう。

憑神   浅田次郎著

2007-07-25 | 趣味生活
映画を見るとどうしても原作を読みたくなる。
 順序としてはやはり本を読んでから映画をという方が自分としては納得できるかも。
 本はやはり純粋に作者のメッセージを受け取り、自分なりにイメージを膨らませることが出来る。

 さてこの作品、時代は幕末、世の価値観が大きく変わろうとする時代、しかし大方の侍たちは自分が目指す方向性を見失い無気力・自堕落な生活に陥っている。
 時代の流れとしては江戸末期大きな変革と混乱が背景となっている。

 無為な日常を送っていた主人公はお稲荷さんを三巡稲荷と勘違いして三囲稲荷に手を合わせた。それが間違いの元で、なんと貧乏神・疫病神・死神にとり憑かれてしまう。
 映画の場面と重ねながら、「うん、ここは西田敏行グッドだな、小文吾も適役だったかも」などとほくそえみながら読み進んでしまう。

 小説後半の場面は、まさにここに真骨頂があるかと思うほど、人間の生き様・死に様が心に響いてくるのは映画では受け止められなかった部分である。