いつの頃からか母は「私にはもう先がないのだから」と
新しいものを拒否するようになった。
そう、あからさまに拒否するのだ。
「そんなこと知っても」
「そんなもの持っても」
もう何もいらない。
でもと私は母のために言い訳している。
母の向上心がないのは今始まったことではないのだから・・・・
大丈夫と思いたかった。
私の言ったことから一語をつかむと、連想ゲームが始まる。
たった一語が母を思い出の遠い昔に連れ去る。
そして、昔、昔の思い出話が果てもなく始まるのだ。
その果てしのない話に耳をふさぎたくなる。
でも聞いてやらないと、ふてくされるのだ。
どうせ半ボケだから聞いていなくてもわからない
なんて思っているとそうじゃないのだ。
ブスとして話を止める。
見ると「聞いていない」「ボケ話だと思っている」と反撃が来る。
いつも同じ話だしと言うと
「私にはもう過去しかない」と開き直った返事が来るのだ。
たまらない。
とても「ウン、ウン」と聞いていられない。
続き
新しいものを拒否するようになった。
そう、あからさまに拒否するのだ。
「そんなこと知っても」
「そんなもの持っても」
もう何もいらない。
でもと私は母のために言い訳している。
母の向上心がないのは今始まったことではないのだから・・・・
大丈夫と思いたかった。
私の言ったことから一語をつかむと、連想ゲームが始まる。
たった一語が母を思い出の遠い昔に連れ去る。
そして、昔、昔の思い出話が果てもなく始まるのだ。
その果てしのない話に耳をふさぎたくなる。
でも聞いてやらないと、ふてくされるのだ。
どうせ半ボケだから聞いていなくてもわからない
なんて思っているとそうじゃないのだ。
ブスとして話を止める。
見ると「聞いていない」「ボケ話だと思っている」と反撃が来る。
いつも同じ話だしと言うと
「私にはもう過去しかない」と開き直った返事が来るのだ。
たまらない。
とても「ウン、ウン」と聞いていられない。
続き