6/23 認知症の話
健全な人を対象に認知症の研究が始まったとか聞いた。
40代が対象らしい。
質問をして回答の変化を見るのだとか?
認知症というのは寝たきりだから起こるということではないように思う。
祖母は喘息が発端で、寝たきりでかなり長いこと生きた。
戦前の話だ。
床にはいたけど、子供たちにあれこれ指示のできる人だったらしい。
話を聞いていると、脳みそ力というのがあるように思う。
生命力に対して脳みその生きる力と言おうか。
彼女の時代、小学校はもう多くの子が行っていた。
義務教育だったかは知らない。
彼女の生家は庄屋とかで、豊かだったはずなのだけど、
小学校に入る年齢で子守なんぞやらされ、学校には行くけどうるさいと教室にはいられず、
結局まともな教育は受けられなかった。
でも、読み書きができないのはみっともないと、
人の捨てた手紙なんぞを読んだりで、独学で読み書きもできるようになった。
彼女は本が大好きだったのだ。
そろばんも習得、生きているときに会いたかった人だ。
そして、孫に数字を学び、母によせる手紙も番地は数字だったとか
エピソードの多い人だった。
そんな人だったけど、肉体的にはフレイルな人で、
その終わりに子供たちが、親戚を呼び寄せた。
ふと目覚めた祖母は周囲にいる顔ぶれを見て、
フーンとつぶやき、うなずいたそうだ。
もう余命がないと知ったという。
母はそんな母の娘だから、自分は死の寸前までぼけないと豪語していた。
母は寝たきりになってからもそういい続けた。
でもある日、「お前のために生きたいけど、もう駄目」と私にささやいた。
私自身、彼女の体を触っていて、もう長くないと思っていた。
それは死後硬直が始まっているのではと感じたからだ。
死後硬直って、生きているうちに始まるみたい。
関節とその周辺の固さが尋常でないのだ。
しかも肌が蝋のような黄色で。
母は死ぬ2分くらい前まで普通に話した。
でも、認知症というか、ボケはものによって異なると思う。
健全そのものの時もあるけど、
混乱して、気違いかよと思うようなところもあった。
市役所の人は認知症だからと言ったけど、全面的にああなったら
もう私一人ではお手上げだったと思う。
また書きたい。
私は母しか介護はしなかったけど、役にたちそうなことを山ほど経験した。