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メカニック日記

メカニックです。仕事ネタから感じた事思った事など気まぐれに更新していきます…

SMB

2015-10-10 19:03:49 | 整備
トレーラー入庫率の高い当工場、いろんなメーカーのトレーラーを整備するんですが…メーカー別の入庫台数でダントツ多いのが日本トレクスで…

次に多いのが東急改め東邦車輌。その次に日本フルハーフ…といった感じで、まさに国内トップ3が当工場でも上位を独占しております…

その他にも昭和飛行機や日本車輌、トーヨートレーラーなどの車輌も入庫します…


トレーラーの整備と言えど、メーカー別の特徴や気を付けなきゃならない箇所など様々ですが、その中でも重要なのが軸整備なんですが…

軸と言ってもハブやブレーキ、チャンバーやスラックアジャスターなどなど多岐に渡ります。
もちろん懸架装置も…リーフ、エアサス、トルクロッドにイコライザーなど重要な所はたくさんあります。


そんな車軸…最近ではドイツのBPW軸が多いんですが、そんな中フルハーフが何年か前に採用した『SMB』という変わった軸があるんです…

フランス⁇のメーカーらしいんですが…定かではありません。

で、今回はそんなSMBについてちょいネタを…


こちらがそのSMB軸…
ちなみにシングルタイヤです(シングルタイヤ仕様しか見た事無いですが)


通常ではBPWや国産の軸などではタイヤ、ハブ、ドラムをセットで取り外します。
BPWを例に挙げると…ハブキャップを外してピンを抜いた状態がコレ…

この状態からタイヤをドーリーに乗せて専用のレンチでアクスルナットを緩めていくとハブベアリングごとタイヤ、ドラム、ハブが一体で外れてきます。


ところがSMBは…タイヤを外しヘックスボルト2本外すとハブを残したままドラムだけ外れます。



これなら作業時間は大幅に短縮出来ます。

もちろんハブキャップは外しグリスの状態は点検します…
で、この専用のレンチを使います。

裏と表でキャップ用とアクスルナット用に分かれてます。



ハブキャップはアルミ鋳造品なのでインパクトを使用すると1発で割れます…なので使わない様に…

過去に割りました…笑

長めのブレーカーバーでゆっくりと力を掛けると緩みます。


このアクスルナットは正ネジ逆ネジがあります…
ここでハブのプレロードを調整し直します。

何故かというと…
BPWでもそうなんですが、このSMBも国産軸とは違いハブベアリングが打ち込み式じゃないので、プレロードのトルク管理はとても重要なんです。

で、アクスルナットは120Nmで締め付け…ロックボルトを締めて、あとはキャップを100Nmで締め付けて完了…

ただ、グリスの状態によってはハブをバラしてベアリングのグリスを入れ替えるんですが、そんな時ハブシールはどうせなら変えたいですよね⁉︎

自分も初めは変えるつもりでしたが、値段を聞いて変える気失せました…
ABSのパルスリング一体式でお値段なんと1個1万2千円…

3軸車だとハブシールだけで7万2千円…



が、しかし…どうやらお値段並みの丈夫さはあるみたい…新車から変えてない車両ばっかだけど、1台もシール不良はありません…



なのでこれからも漏れない限り交換しません…笑














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