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こんなCDを買った!聴いた!

最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

ベームさん、ごめんなさい。

2008年12月20日 00時56分56秒 | モーツァルト
あっという間に12月も下旬。年末はほんとに忙しい。おちおち忘年会もままなりません。週末は、またまた岡山に行かねばならず、いはやは休みも大変であります。
そんなわけで、今回はモーツァルト。交響曲第40番ト短調作品550であります。なんで、この曲となったかと言いますと、カール・ベーム指揮VPOの演奏を取り上げたかったからであります。ベーム晩年の1976年4月の録音です。みなさんご存知の41番とで一枚となっているものです。ベームのモーツァルトの交響曲については、もう私がとやかく言うものではないかも知れませんが、1960年前後にBPOとの全集があります。そして晩年に親密度を深めていったVPOと、1970年代後半に後期の数曲を録音しています。ともに名盤の誉れ高いものであります。私はこれらの録音については、ベストとなるものはBPOとの録音であると思っていました。どうしても晩年の凝縮力に欠けたVPOとの録音よりも、全盛期の緊張感に満ちたBPOであると強く確信していました。もっというと、39ー41番については1950年代のACOとのモノラル録音がベストやろ!とも思っていた次第です。VPOの40・41番はその昔、FM放送からカセットに録音したものを持ってましたが、全く好きではありませんでした。それが最近になって、中古やさんにてこのCDを安く発見、買いました。しかし、何故か聴く気にならずミチョランマ状態だったんですね。それがなんの拍子か、先日聴いてみようと思い聴くと、これがまた、その演奏に涙が出そうになってしまった、という顛末なのであります。
いや-、何が良いかというと、確かにゆっくりとしたテンポでかったるいという意見もありますが、VPOからベームが引き出す音色によって繰り広げられる音楽が、これほど慈愛に満ちて、これほど優く、これほど典雅なこともないであろうということなんですね。ひとつひとつの音符が優れて一体となって、これほどの見事な音楽が展開されるのか、であります。これまでは40番はホッグウッドの古楽器がいいとか、いろいろと思ってきましたが、全く問題にならないくらいこの演奏が好きになりました。第1楽章、ゆったりとしたテンポで始まります。これが遅いという声もあるでしょうが、全然気になりません。ト短調の哀愁おびた旋律、そんなに深刻ではないのですが、それが却って悲しい。弦と木管の協調があざやかで、美しい。第2楽章、これもよく冷たいイメージが言われるが、VPOの暖かい音色がとてもいい。弦による主題はさわやか。そして曲が進むにつれて、優しいメロディに包まれていく。木管と弦の柔らかい音に、耳が奪われる。第3楽章、これもゆっくり。しかし曲の言わんとするところはよく伝わり、悲しいメヌエット。フルートとオーボエに続くホルン、そして弦に受けるがれるトリオがほんとにいい。さすがのVPOであります。そして、第4楽章、道頓堀で突然メロディは流れませんが、展開部における繰り返される転調での各楽器は、実に美しさの極みであります。ここでもテンポは若干ゆったり目でありますが、それが曲の表情を豊かにしています。
この曲、私らの世代では、シルヴィ・バルタンの「悲しみのシンフォニー」であります。この曲を聴いて、モーツァルトを知りました。
(DG POCG-1106 1990年)

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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (よんちゃん)
2008-12-20 10:04:43
こんにちは。

ベームのモーツァルトは38,39番をVPOで、40,41番をBPOで持っていますが、残念ながらご紹介のCDは持っていません。

38,39番をVPOは素晴らしい演奏です。お勧めです(僭越ながら)。
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いつもどうもです。 (mikotomochi58)
2008-12-21 07:48:40
よんちゃん 様、コメント感謝です。私はベームは大好きなんですが、特にモーツァルトはいいですねえ。VPOとの38・39番や41番も巨匠晩年の偉大な遺産です。心して聴かねばなりません(笑)。
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Unknown (ヒロノミンV)
2008-12-22 22:04:38
 こんばんは。
 最初にこの演奏を聞いたのは、西元町にあった名曲喫茶「モーツァルト」でした(今もありますが、オーナーが変わってしまって、全然別の店舗になっていまいました・・・)。
 LPで聴くVPOのやわらかい音は素晴らしいかったです。所有はしていないのですが、いずれ購入したいと思います。
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コメント感謝です。 (mikotomochi58)
2008-12-22 22:33:00
ヒロノミンV 様。コメントありがとうございます。このCDは三宮のセンタービルの地下の中古やさんで買いました。ベームのVPOの組み合わせ、もうCDで聴くしかありませんが、生で聴いてみたかったですね。
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いや、これは懐かしい (mozart1889)
2008-12-25 10:54:01
懐かしいですね。これ、LPで今も聴いてます。VPOが室内的な響きを出しているのが印象的でした。この頃のベームは、日本で大人気でしたね。
実はBPO盤もLPで聴いてます。こちらは厳しいガッチリしたモーツァルトです。若い頃、友人と「ワルターとベームを両極として、どの演奏もこの両者の間に収まるよなぁ。フルトヴェングラーは別格だけれど・・・」なんて話しておりましたっけ。
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いつも感謝です。 (mikotomochi58)
2008-12-25 21:32:02
mozart1889 様。コメントありがとうございます。今年もあとわずかになりました。1970年代のベームは、爆発的な人気でしたね。今思い出すと、ホントに懐かしいでしす。そして一方で全盛期のカヤランが、またバーンスタインが、そして気鋭のアバドたちが、とすごい指揮者がきら星のようにいましたね。それを思うと、昨今の現状はなんとなく寂しいですねえ。ほんと。
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