先週、土佐に行って来ました。仁淀川や四万十川、そして足摺岬など、主に西部を廻りました。前日から雨が朝に上がり、曇りが多かったためか、仁淀ブルーも緑色になり、太平洋もどんより曇り、四万十川も濁り、でありました。最大の残念は、一番の目的であった、清水サバの刺身が、サバの水揚げがなく、食べれなかったこと。残念でした。とはいえ、鰹のたたきはたくさん食べたし、四万十川の天然の鰻は、大変美味しゅうございました。しかし、サバの刺身…。
そんなこんなで、今回はモーツァルト。モーツァルトの若書きの傑作である、ヴァイオリン協奏曲であります。ヴァイオリンの名手でもあったモーツァルトは、5曲のヴァイオリン協奏曲を残していますが、すべて1775年、モーツァルト19才のときの作品と言われています。この後のウィーン時代には一曲も書いていないことも不思議なことでもあります。演奏会でモーツァルト自身がヴァイオリンを担当したことは、1777年のパリ旅行でも確認できますね。
五曲あるなか、3番以降に、突然変異のように急激な飛躍を遂げていることが、よく指摘されています。かのアインシュタインも、この短い半年の間に何が起こったのか、とし、これは奇蹟的なこと、と言われる程なのでありました。とは言え、1番・2番も非常にいい曲で、私的には好きな曲です。五曲すべて、モーツァルトの素晴らしさを実感できるのでありました。もっとも、6番と7番とされている曲もありますが、これは疑作とされています。
それで、この曲の演奏ですが、思いつくものをあげてみると、オイストラフ、シェリング、グリュミオー、クレーメル、パールマン。それくらいしか思い浮かびませんでした。オイストラフの演奏は、LPで発売あれたのを雑誌で見た記憶があります。BPOを弾き振りしたものですね。それで、過日中古やさんで、オイストラフのEMIに録音した全集17枚組が1800円で出ており、安さに眼が眩み買いました。その中に、モーツァルトの協奏曲全集も含まれていました。
ということで、今回はダヴィット・オイストラフとBPOによる演奏。全集の中から第3番ト長調K.216です。1971年3月22-23日の録音。オイストラフは1974年10月に66才で逝去されますから、最晩年の録音ですね。私的には、グリュミオーの演奏も好きなのです。しかし、グリュミオーは第5番の演奏を以前に取り上げたことがあるので、今回はオイストラフにしました。グリュミオーの演奏も素晴らしいです。でも、オイストラスの方が好きですかねー…。
この演奏、まず管弦楽のBPOのよさがあげられます。オイストラフが指揮を兼ねていることもあり、非常にヴァイオリンとのバランスがいいのです。非常にうまくヴァイオリンを引き立てている。加えて、やはりBPOのまとまりとスキのなさ、そして弦の美音、オーボエとフルートも素晴らしいのでありました。それ以上に聴くべきがオイストラフですねえ。たいそう引き締まった美音であり、場面に応じての表情や表現の転換も見事。非常に明快でわかりやすいヴァイオリンと思います。やはりその背後にはこの人の比類希なる技巧がありますねえ。ただ、欲を言えば、あと少しの甘さも、と思ったりも…。まあ、それは無い物ねだりでしょうね。
第1楽章、まずBPOの演奏に続いてのヴァイオリン。やはりオイストラフの流麗なモーツァルト。そして非常に引き締まった非常にストイックな響き。淀みない美音で流れるヴァイオリンであります。第2楽章。やはりこの楽章を聴くべき。オイストラフはここで一転して甘美な表情で旋律を歌い上げる。モーツァルトをこれほど美しく演奏することは、そうないだろうと思えるほどのヴァイオリンと管弦楽。聴けば聴くほど美しさが波状になって押し寄せる。美しいだけではんなく、確固たる意志を感じさせるところがとてもいい。最後の独奏には言葉がありません。高音と弱音の至高の美しさ。そして終楽章ロンド。第2楽章終わりのヴァイオリンの美しさの余韻が抜けきらない中で、管弦楽で始まる。この演奏もよくまとまりヴァイオリンに負けない。それにヴァイオリンが加わると、やはりこっちの方がいいな、と思ってしまう。でも管弦楽も態勢を立て直しヴァイオリンに対抗。結果的にはヴァイオリンの分がいいのは、当たり前だが、このように思ってしまうところに、BPOの凄さも感じるのでありました。それでもオイストラフのヴァイオリン、とてもいい。
今日は衆議院総選挙の日。自民大敗北だそうですね。自公での過半数は微妙とか。まあ、これで自民が負けないなら、日本の民主主義も終わりですよねえ。問題は、選挙後の政権がどうなるか。自公が、維新か国民を取り込んでの政権ができるんでしょうかね。どうなることか。
(EMI 2 14712 2 2008年 輸入盤)
そんなこんなで、今回はモーツァルト。モーツァルトの若書きの傑作である、ヴァイオリン協奏曲であります。ヴァイオリンの名手でもあったモーツァルトは、5曲のヴァイオリン協奏曲を残していますが、すべて1775年、モーツァルト19才のときの作品と言われています。この後のウィーン時代には一曲も書いていないことも不思議なことでもあります。演奏会でモーツァルト自身がヴァイオリンを担当したことは、1777年のパリ旅行でも確認できますね。
五曲あるなか、3番以降に、突然変異のように急激な飛躍を遂げていることが、よく指摘されています。かのアインシュタインも、この短い半年の間に何が起こったのか、とし、これは奇蹟的なこと、と言われる程なのでありました。とは言え、1番・2番も非常にいい曲で、私的には好きな曲です。五曲すべて、モーツァルトの素晴らしさを実感できるのでありました。もっとも、6番と7番とされている曲もありますが、これは疑作とされています。
それで、この曲の演奏ですが、思いつくものをあげてみると、オイストラフ、シェリング、グリュミオー、クレーメル、パールマン。それくらいしか思い浮かびませんでした。オイストラフの演奏は、LPで発売あれたのを雑誌で見た記憶があります。BPOを弾き振りしたものですね。それで、過日中古やさんで、オイストラフのEMIに録音した全集17枚組が1800円で出ており、安さに眼が眩み買いました。その中に、モーツァルトの協奏曲全集も含まれていました。
ということで、今回はダヴィット・オイストラフとBPOによる演奏。全集の中から第3番ト長調K.216です。1971年3月22-23日の録音。オイストラフは1974年10月に66才で逝去されますから、最晩年の録音ですね。私的には、グリュミオーの演奏も好きなのです。しかし、グリュミオーは第5番の演奏を以前に取り上げたことがあるので、今回はオイストラフにしました。グリュミオーの演奏も素晴らしいです。でも、オイストラスの方が好きですかねー…。
この演奏、まず管弦楽のBPOのよさがあげられます。オイストラフが指揮を兼ねていることもあり、非常にヴァイオリンとのバランスがいいのです。非常にうまくヴァイオリンを引き立てている。加えて、やはりBPOのまとまりとスキのなさ、そして弦の美音、オーボエとフルートも素晴らしいのでありました。それ以上に聴くべきがオイストラフですねえ。たいそう引き締まった美音であり、場面に応じての表情や表現の転換も見事。非常に明快でわかりやすいヴァイオリンと思います。やはりその背後にはこの人の比類希なる技巧がありますねえ。ただ、欲を言えば、あと少しの甘さも、と思ったりも…。まあ、それは無い物ねだりでしょうね。
第1楽章、まずBPOの演奏に続いてのヴァイオリン。やはりオイストラフの流麗なモーツァルト。そして非常に引き締まった非常にストイックな響き。淀みない美音で流れるヴァイオリンであります。第2楽章。やはりこの楽章を聴くべき。オイストラフはここで一転して甘美な表情で旋律を歌い上げる。モーツァルトをこれほど美しく演奏することは、そうないだろうと思えるほどのヴァイオリンと管弦楽。聴けば聴くほど美しさが波状になって押し寄せる。美しいだけではんなく、確固たる意志を感じさせるところがとてもいい。最後の独奏には言葉がありません。高音と弱音の至高の美しさ。そして終楽章ロンド。第2楽章終わりのヴァイオリンの美しさの余韻が抜けきらない中で、管弦楽で始まる。この演奏もよくまとまりヴァイオリンに負けない。それにヴァイオリンが加わると、やはりこっちの方がいいな、と思ってしまう。でも管弦楽も態勢を立て直しヴァイオリンに対抗。結果的にはヴァイオリンの分がいいのは、当たり前だが、このように思ってしまうところに、BPOの凄さも感じるのでありました。それでもオイストラフのヴァイオリン、とてもいい。
今日は衆議院総選挙の日。自民大敗北だそうですね。自公での過半数は微妙とか。まあ、これで自民が負けないなら、日本の民主主義も終わりですよねえ。問題は、選挙後の政権がどうなるか。自公が、維新か国民を取り込んでの政権ができるんでしょうかね。どうなることか。
(EMI 2 14712 2 2008年 輸入盤)
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