
そろそろ、このブログを始めて、丸5年になります。2005年の12月あたりに開始したようです。はじめのころは、内容も短いですし、CDを聴いた感想というよりも、聴いた周辺のことなどを書いていたように思います。それが最近は、感想が半分くらいをしめるという内容に変わってきました。それは進化なのか、よくわかりませんが、文章は長くなってきたのは事実のようですねえ。このブログを始めて、確実にCDを買う枚数は増えました。まあ、最近のCDの激安化にも原因がありますね。1万円で3枚くらいしか買えなかった時代からすれば、隔世の感があります。買って聴いていないCDも確かにあり、よく友人から叱られるのですが、何十枚の激安ボックスなどを買えば、どうもその傾向は否定できませんね。この5年の間にこの駄文を読んでいただいている方も確実に増えてきました。ただ、このブログは、自分のための音楽鑑賞日記のようなものと思っています。このブログを書くことによって、最近以前よりも増して、音楽を聴くことが楽しくなってきました。これからも、自分の好きな音楽を聴いて行きたいと思っています。そう思うと、自分のためのブログだなあ、ってつくづく思う今日この頃であります。
ということで、今回も、先日ルミナリエを見た週末に買ったCDから。ブラームスの交響曲全集であります。しかし、このブラームスについても、ベートーヴェン同様、いやそれ以上にたくさんの全集を買ってしまえる環境にありますねえ。このたびは、ブルーノ・ワルター指揮ニューヨーク・フィルハーモニック交響楽団による全集であります。これは、ワルターが1951~3年にかけて録音したもの。ワルターのブラームスは、晩年のコロンビア響とによるステレオ録音が有名ですが、1936年と1937年のVPOとの1番と3番も名演として知られていますし、このニューヨーク・フィルとのものも、これぞベストという向きも多いのです。録音はモノラルですが、音質は良好であります。今回は、この全集から交響曲第3番ヘ長調作品90。1953年12月21,23日の録音です。
以前にも、1936年の1番を取り上げましたが、ワルターのブラームスはいいですねえ。コロンビア響との録音もよかったのですが、このニューヨーク・フィルとのものも、それ以上のよさかなと思っています。ただ、ワルターの録音でいつも思うのは、コロンビア響もそうですが、オケの今イチ感であります。このニューヨーク・フィルについても、なんともな、って思うところもあります。しかし、そのことを忘れさせてしまうようなワルターの指揮なんです。この演奏でも、コロンビア響との演奏に比べると、少々異なる厳しさや激しさ、そして力強さを感じるのですが、それがこの演奏の素晴らしさなんでしょうねえ。
第1楽章、冒頭からの力強い演奏に心が奪われる。特に金管が強調されており、これに強調された低弦が加わり、曲は凄まじい推進力を持つ。テンポの変化もうまく、それがうねりのような印象を上手く作っています。第2楽章、それぞれの楽器がたっぷりと旋律を歌う。その歌はたいそう伸びやかで、心がこもっていますね。このような穏やかな楽章でも、ワルターの力強さと曲の推進力はさすがのもので、これから美しささえ感じる。第3楽章、哀愁帯びた有名な楽章ですが、それほど過度に感傷的な演奏ではなく、切々伸びやかに旋律を訴える。しかし全体からはほのかな色香も感じられるよう。ここがいい。そして、第4楽章、ワルターの鞭が一発入って、曲は最高の激しさや盛り上がりを見せる。オケの全体から強靱さが全面に押し出され、一層の高揚感に満ちた演奏が繰り広げられる。この楽章で第1楽章から展開された音楽が、最高潮の高みに達したという、満足感が十二分に印象づけられるところが、実に素晴らしいですね。
このCDは、united archivesからのものですが、他にSONY(2枚組)からも出ています。ただ、これは3枚組で、4曲の交響曲に加えて、大学・悲劇的・ハイドン・ハンガリーなども収められており、その点ではお得感がありますね。
(united archives UAR0043 2006年 輸入盤)
ということで、今回も、先日ルミナリエを見た週末に買ったCDから。ブラームスの交響曲全集であります。しかし、このブラームスについても、ベートーヴェン同様、いやそれ以上にたくさんの全集を買ってしまえる環境にありますねえ。このたびは、ブルーノ・ワルター指揮ニューヨーク・フィルハーモニック交響楽団による全集であります。これは、ワルターが1951~3年にかけて録音したもの。ワルターのブラームスは、晩年のコロンビア響とによるステレオ録音が有名ですが、1936年と1937年のVPOとの1番と3番も名演として知られていますし、このニューヨーク・フィルとのものも、これぞベストという向きも多いのです。録音はモノラルですが、音質は良好であります。今回は、この全集から交響曲第3番ヘ長調作品90。1953年12月21,23日の録音です。
以前にも、1936年の1番を取り上げましたが、ワルターのブラームスはいいですねえ。コロンビア響との録音もよかったのですが、このニューヨーク・フィルとのものも、それ以上のよさかなと思っています。ただ、ワルターの録音でいつも思うのは、コロンビア響もそうですが、オケの今イチ感であります。このニューヨーク・フィルについても、なんともな、って思うところもあります。しかし、そのことを忘れさせてしまうようなワルターの指揮なんです。この演奏でも、コロンビア響との演奏に比べると、少々異なる厳しさや激しさ、そして力強さを感じるのですが、それがこの演奏の素晴らしさなんでしょうねえ。
第1楽章、冒頭からの力強い演奏に心が奪われる。特に金管が強調されており、これに強調された低弦が加わり、曲は凄まじい推進力を持つ。テンポの変化もうまく、それがうねりのような印象を上手く作っています。第2楽章、それぞれの楽器がたっぷりと旋律を歌う。その歌はたいそう伸びやかで、心がこもっていますね。このような穏やかな楽章でも、ワルターの力強さと曲の推進力はさすがのもので、これから美しささえ感じる。第3楽章、哀愁帯びた有名な楽章ですが、それほど過度に感傷的な演奏ではなく、切々伸びやかに旋律を訴える。しかし全体からはほのかな色香も感じられるよう。ここがいい。そして、第4楽章、ワルターの鞭が一発入って、曲は最高の激しさや盛り上がりを見せる。オケの全体から強靱さが全面に押し出され、一層の高揚感に満ちた演奏が繰り広げられる。この楽章で第1楽章から展開された音楽が、最高潮の高みに達したという、満足感が十二分に印象づけられるところが、実に素晴らしいですね。
このCDは、united archivesからのものですが、他にSONY(2枚組)からも出ています。ただ、これは3枚組で、4曲の交響曲に加えて、大学・悲劇的・ハイドン・ハンガリーなども収められており、その点ではお得感がありますね。
(united archives UAR0043 2006年 輸入盤)