もう師走も中旬。早いもので今年も残りわずかとなりました。先週末も、またまた三宮で忘年会ということで、前の職場の同僚と一杯やりました。落ち着いてお会いするのはほんとに久しぶりでした。いつものことなんですが、少々飲み過ぎてしまいました…。先々週に比べても、三宮界隈は、ルミナリエでもうたいへんな人でした。もう今回は行きませんでしたが…。また、映画館では、村上春樹の『ノルウェイの森』が封切られていました。『アエラ』にこの映画のプロデューサーの小川真司さんの記事が掲載されていまして、それを読んで是非見たいと思いました。果たしていけるでしょうか。
ということで、今回はショパンです。ピアノ協奏曲第1番ホ短調作品11。マルタ・アルゲリッチのピアノとクラウディオ・アバド指揮ロンドン交響楽団による演奏です。1968年の録音。もう40年以上も前なんですねえ。もう不朽の名盤です。その昔、このCDはレコードはでよく見ました。特にジャケットが思い出深いです。単にアバドとアルゲリッチがふたりでスコアを見ているだけのものなんですが,二人とも若いですねえ。当時、新進気鋭の二人の写真は、大げさに言えば新しい時代の息吹を感じさせるものでした。アバド35才、アルゲリッチ27才。本当に若いですねえ。アバドの真剣な眼差しと、首を傾けて、アバドの言葉を聞くアルゲリッチの表情は、二人の演奏がそれはもう素晴らしいものと、期待させてくれるに十分のものでした。まあ、今見れば、わざとらしい様子も感じないことはないですね…。たぶん、ジャケット用の写真として、ポーズを取った二人なんでしょうねえ。アルゲリッチは、この曲を1965年にロヴィツキ、1998年にはデュトワと録音しています。
この演奏、まずアバドの指揮なんですが、非常にいいです。アルゲリッチのピアノに上手く合わせて、もう言うことありません。例えば、第1楽章第二主題、アバドの指揮でオケによる演奏のあと、しばらくピアノによって再現されますが、オケは思い入れや表情たっぷりに、ゆったりとした弱音の美しい演奏ですが、そのあとのピアノによる演奏も、同じ印象をもつものなんですね。どちらかというと、アルゲリッチにアバドが合わせるということなんでしょうね。アバドの生真面目な演奏とでもいいましょうか。なんとなくアルゲリッチに頑張ってついて行っているといった感じがしないでもありません。若い女性の奔放なピアニストを優しく見守るお兄さん、ってことでしょうか。いやいや、まさにジャケットの写真を意識しすぎたかもしれませんねえ。
それに対して、アルゲリッチなんですが、実に繊細なピアノを聴かせてくれています。タッチも明快で、テンポアップして一気に弾ききるところの素晴らしさはさすがです。第1楽章の再現部でのゆったりとしたテンポで、密やかに語りかけるようなピアノは、ほんとに美しい。加えて、その憂いに満ちた表情も満点であります。そして、第2楽章は、もっといい。消え入りそうなピアノから始まりゆったりとしたテンポで、ショパンの調べを満喫させてくれます。その世界にとっぷり漬かって、曲の美しさに同化したような美しい演奏が展開されます。ここでもアルゲリッチのピアノのタッチが実に優美。それに呼応するアバドも本当にいいです。そして第3楽章では一転して躍動感に溢れる曲が展開されますが、ここでもアルゲリッチは明快な演奏をしていますが、その部分と第2楽章で見せて消え入るようなピアノが時折見え、その表情は実に豊かです。やはり、アルゲリッチは全体として、非常によく考えた演奏ですし、そのひらめきは天才なんでしょうねえ。
このCDは、元町の中古やさんで見つけました。値段はなんと480円。安いです。このシリーズが780円でたくさんあったのですが、これはなぜか480円でした。安いのはいいことです。
(DG THE ORIGINALS 449 719-2 1996年 輸入盤)
ということで、今回はショパンです。ピアノ協奏曲第1番ホ短調作品11。マルタ・アルゲリッチのピアノとクラウディオ・アバド指揮ロンドン交響楽団による演奏です。1968年の録音。もう40年以上も前なんですねえ。もう不朽の名盤です。その昔、このCDはレコードはでよく見ました。特にジャケットが思い出深いです。単にアバドとアルゲリッチがふたりでスコアを見ているだけのものなんですが,二人とも若いですねえ。当時、新進気鋭の二人の写真は、大げさに言えば新しい時代の息吹を感じさせるものでした。アバド35才、アルゲリッチ27才。本当に若いですねえ。アバドの真剣な眼差しと、首を傾けて、アバドの言葉を聞くアルゲリッチの表情は、二人の演奏がそれはもう素晴らしいものと、期待させてくれるに十分のものでした。まあ、今見れば、わざとらしい様子も感じないことはないですね…。たぶん、ジャケット用の写真として、ポーズを取った二人なんでしょうねえ。アルゲリッチは、この曲を1965年にロヴィツキ、1998年にはデュトワと録音しています。
この演奏、まずアバドの指揮なんですが、非常にいいです。アルゲリッチのピアノに上手く合わせて、もう言うことありません。例えば、第1楽章第二主題、アバドの指揮でオケによる演奏のあと、しばらくピアノによって再現されますが、オケは思い入れや表情たっぷりに、ゆったりとした弱音の美しい演奏ですが、そのあとのピアノによる演奏も、同じ印象をもつものなんですね。どちらかというと、アルゲリッチにアバドが合わせるということなんでしょうね。アバドの生真面目な演奏とでもいいましょうか。なんとなくアルゲリッチに頑張ってついて行っているといった感じがしないでもありません。若い女性の奔放なピアニストを優しく見守るお兄さん、ってことでしょうか。いやいや、まさにジャケットの写真を意識しすぎたかもしれませんねえ。
それに対して、アルゲリッチなんですが、実に繊細なピアノを聴かせてくれています。タッチも明快で、テンポアップして一気に弾ききるところの素晴らしさはさすがです。第1楽章の再現部でのゆったりとしたテンポで、密やかに語りかけるようなピアノは、ほんとに美しい。加えて、その憂いに満ちた表情も満点であります。そして、第2楽章は、もっといい。消え入りそうなピアノから始まりゆったりとしたテンポで、ショパンの調べを満喫させてくれます。その世界にとっぷり漬かって、曲の美しさに同化したような美しい演奏が展開されます。ここでもアルゲリッチのピアノのタッチが実に優美。それに呼応するアバドも本当にいいです。そして第3楽章では一転して躍動感に溢れる曲が展開されますが、ここでもアルゲリッチは明快な演奏をしていますが、その部分と第2楽章で見せて消え入るようなピアノが時折見え、その表情は実に豊かです。やはり、アルゲリッチは全体として、非常によく考えた演奏ですし、そのひらめきは天才なんでしょうねえ。
このCDは、元町の中古やさんで見つけました。値段はなんと480円。安いです。このシリーズが780円でたくさんあったのですが、これはなぜか480円でした。安いのはいいことです。
(DG THE ORIGINALS 449 719-2 1996年 輸入盤)
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