11月になりました。日によっては25度となる夏日のときもあるほど。とは言え、今週半ばからは季節通りになりそうです。そんな中、先週今年も奈良に正倉院展に行ってきました。相変わらずの人出でした。奈良公園では興福寺五重塔が修理の覆屋のため、まったく見えなくなりました。修理には長期間かかるみたいですね。また、般若寺にも足を伸ばしました。まだ秋桜がきれいでありました。ただ、県庁の近くの詐欺のような高額の駐車場に車を駐めたことが、非常に残念でした…。
まあ、そんなこんなで今回は、サイモン・ラトルの演奏です。今月バイエルン放響とともに来日されますね。西宮芸文でも公演があるのですが、チケットが買えず、残念でありました。私はこの人の演奏は、それなりにCDは持っているのですが、あまり熱心に聴いたことがないな、と反省しております。今回の来日公演ももラトルというよりも、バイエルン放響を聴いてみたいということでしたので、うーん、ラトルについては、あまり興味関心がなかったんでしょうねえ。
しかし、ラトルが現代を代表する指揮者のひとりであることは確かです。加えて、これまでの演奏は常任指揮者であったBPO、そしてVPOとのものが多いのです。21世紀になってからのBPOを聴こうとするなら、ラトルとの演奏を聴かねばならないのであります。そうは言っても、もはやBPOもラトルではなく、ペトレンコの時代となって、過日来日公演をNHKBSで見ましたが、時代も変わったなあ、と思うことしきりでありましたねえ。光陰矢の如しかな。
それで、今回はラトルの演奏として、2008年に録音されたBPOとのブラームスの交響曲全集であります。これは、CD3枚とDVD2枚のセット。つまり全曲をCDで聴くこととDVDでの映像でも観ることができる内容でありました。それで6000円ということで、これは買わなければいけません、ということで購入しました。2008年10月~11月、ベルリンのフィルハーモニーでの演奏のライブ録音となっています。ですので、CDとDVDの演奏は、異なるところがある…。
映像では、ラデク・バボラーク、エマニュエル・パユ、アルブレヒト・マイヤーなどの面々が見えます。安永さんも。曲によって、人の異動はありますが、第1番は安永さんがコンマスで他の人たちも揃い踏みであります。そんなミーハー的発想で、今回は4曲の中から交響曲第1番ハ短調作品68です。
なんと言ってもBPOの凄さには脱帽しますねえ。弦の美音とまとまりのよさ。木管と金管もたいそう巧い。それは驚くほどであります。これほどの音の出せるオケって本当に凄いですね。加えて、先述のホルン、フルートとオーボエの名手の演奏がこれまた舌を巻く巧さ。バボラーク、パユ、マイヤーは、映像でそれぞれ登場する場面では目と耳が釘付けになりますねえ。そして全体的にも、その演奏の力は他を圧倒するものであり、いろんな演奏についての考えがありますが、それらを封じ込めてしまうような力や勢いがありますねえ。
第1楽章、巨大な戦艦が進んでいくような推進力に圧倒されます。それは細部に至るまで、緻密で詳細でそれぞれの楽器に美しいこと、この上無いところに驚かされますね。豪快なところ、甘美なところ、それらの表情も巧みであることも感服しますねえ。マイヤーのオーボエ、とても美しく、響きに艶がありますね。第2楽章、ゆったりめのテンポになると、弦の美しさや木管の甘美な味わいがとてもよく聴くことができる。微妙なテンポの揺れも効果的ですが、それ以上にBPOの美音が、心にまで染み込んでくる。安永さんのソロも締まった美音でとてもいいです。第3楽章、スキのない合奏力で、駆け抜けるような楽章ですが、演奏は非常に締まった充実感があり、その気持ちが次楽章につながる。そして終楽章。序奏での弦の縦横無尽に見事な演奏に次第に気持ちが高まり、バボラークとパユのホルンとフルートのソロが美しいこと、この上ない。そして、弦による主題も見事。少しテンポが早いな、とも思うが、冷静さを維持しつつも、当初からの熱気が継続され、演奏のもつ力に圧倒されていきます。ところどころでのそれぞれの楽器の奏でる美しさにも驚かされますねえ。曲の持つ力に加えて、それ以上の演奏の力は、何ものにも変えられないものがあります。
今週は、アメリカの大統領選挙。アメリカ人の良識を信じたいところです。同じく、兵庫県知事選挙も後半にはあります。衆議院選挙では良識ある日本人を感じることができました。知事選でも同じように行きたいものであります。
(EMI TOCE-90097-99 2009年)
まあ、そんなこんなで今回は、サイモン・ラトルの演奏です。今月バイエルン放響とともに来日されますね。西宮芸文でも公演があるのですが、チケットが買えず、残念でありました。私はこの人の演奏は、それなりにCDは持っているのですが、あまり熱心に聴いたことがないな、と反省しております。今回の来日公演ももラトルというよりも、バイエルン放響を聴いてみたいということでしたので、うーん、ラトルについては、あまり興味関心がなかったんでしょうねえ。
しかし、ラトルが現代を代表する指揮者のひとりであることは確かです。加えて、これまでの演奏は常任指揮者であったBPO、そしてVPOとのものが多いのです。21世紀になってからのBPOを聴こうとするなら、ラトルとの演奏を聴かねばならないのであります。そうは言っても、もはやBPOもラトルではなく、ペトレンコの時代となって、過日来日公演をNHKBSで見ましたが、時代も変わったなあ、と思うことしきりでありましたねえ。光陰矢の如しかな。
それで、今回はラトルの演奏として、2008年に録音されたBPOとのブラームスの交響曲全集であります。これは、CD3枚とDVD2枚のセット。つまり全曲をCDで聴くこととDVDでの映像でも観ることができる内容でありました。それで6000円ということで、これは買わなければいけません、ということで購入しました。2008年10月~11月、ベルリンのフィルハーモニーでの演奏のライブ録音となっています。ですので、CDとDVDの演奏は、異なるところがある…。
映像では、ラデク・バボラーク、エマニュエル・パユ、アルブレヒト・マイヤーなどの面々が見えます。安永さんも。曲によって、人の異動はありますが、第1番は安永さんがコンマスで他の人たちも揃い踏みであります。そんなミーハー的発想で、今回は4曲の中から交響曲第1番ハ短調作品68です。
なんと言ってもBPOの凄さには脱帽しますねえ。弦の美音とまとまりのよさ。木管と金管もたいそう巧い。それは驚くほどであります。これほどの音の出せるオケって本当に凄いですね。加えて、先述のホルン、フルートとオーボエの名手の演奏がこれまた舌を巻く巧さ。バボラーク、パユ、マイヤーは、映像でそれぞれ登場する場面では目と耳が釘付けになりますねえ。そして全体的にも、その演奏の力は他を圧倒するものであり、いろんな演奏についての考えがありますが、それらを封じ込めてしまうような力や勢いがありますねえ。
第1楽章、巨大な戦艦が進んでいくような推進力に圧倒されます。それは細部に至るまで、緻密で詳細でそれぞれの楽器に美しいこと、この上無いところに驚かされますね。豪快なところ、甘美なところ、それらの表情も巧みであることも感服しますねえ。マイヤーのオーボエ、とても美しく、響きに艶がありますね。第2楽章、ゆったりめのテンポになると、弦の美しさや木管の甘美な味わいがとてもよく聴くことができる。微妙なテンポの揺れも効果的ですが、それ以上にBPOの美音が、心にまで染み込んでくる。安永さんのソロも締まった美音でとてもいいです。第3楽章、スキのない合奏力で、駆け抜けるような楽章ですが、演奏は非常に締まった充実感があり、その気持ちが次楽章につながる。そして終楽章。序奏での弦の縦横無尽に見事な演奏に次第に気持ちが高まり、バボラークとパユのホルンとフルートのソロが美しいこと、この上ない。そして、弦による主題も見事。少しテンポが早いな、とも思うが、冷静さを維持しつつも、当初からの熱気が継続され、演奏のもつ力に圧倒されていきます。ところどころでのそれぞれの楽器の奏でる美しさにも驚かされますねえ。曲の持つ力に加えて、それ以上の演奏の力は、何ものにも変えられないものがあります。
今週は、アメリカの大統領選挙。アメリカ人の良識を信じたいところです。同じく、兵庫県知事選挙も後半にはあります。衆議院選挙では良識ある日本人を感じることができました。知事選でも同じように行きたいものであります。
(EMI TOCE-90097-99 2009年)
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