こんなCDを買った!聴いた!

最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

小菅優さんのベートーヴェン ピアノ・ソナタ

2018年10月07日 23時56分06秒 | ベートーヴェン
2日から5日まで沖縄出張でした。後半は台風25号で大荒れの天気となり、日程の変更を余儀なくされました。5日の帰還も飛行機が飛ぶか心配でしたが、なんとか無事帰れました。2日目に南城市にある、琉球王朝最高の聖地といわれる斎場御嶽に行きました。聞得大君の就任儀礼などが行われたと言います。巨大な石のもとに祭祀遺跡や遺物があり、これも磐座の信仰なのかなと思いました。また沖ノ島の信仰もこんなものなのかなあとか…、たいそう興味深いものでした。

さてさて、知り合いの高校でピアノを習っており、音楽系の大学に進学したいということで、いろんな課題曲を練習しているということで、それを聴かせてもらいに行きました。課題曲がベートーヴェンのピアノ・ソナタとバッハの平均律クラヴィーア曲集だそうです。ベートーヴェンは第7番ニ長調作品10-3と第16番ト長調作品31-1。平均律は第2巻ハ短調でした。なかなか大変そうでした。ピアノを弾くということは、大変ですねえ、まったく。

それで、バッハはさておき、ベートーヴェンですが、後期の作品は、比較的よく聴きますが、若い頃のものは、あまり曲名と曲が一致しないです。曲の一部を口ずさんでもらったら、ああその曲ね、ということはわかるのですが…。これでいけないな、とやはりベートーヴェンのピアノ・ソナタをしっかり聴かないと、と反省したのでありました。20番までの曲にもいい曲は多いですしね。

それで、今回はベートーヴェンのピアノソナタなんですが、演奏は、小管優さんのものです。小管さんは、今や日本を代表する若手ピアニストです。2011年から2015年にかけて水戸芸術館コンサートホールでのセッション録音で全曲を録音されました。二枚組の5巻で発売されそれぞれに標題が付けられ、曲順は小管さんの考えで配列。その中から第2巻『愛』。これには、第9・10・13・14・24・27・28番の7曲が収められています。2012年8月20~24日の録音です。この中から、第9番ホ長調作品14-1と第10番ト長調作品14-2。1799年12月に第10番とまとめてウィーンのモロ社より出版され、ヨゼフィーネ・フォン・ブラウン男爵夫人へ献呈されたもの。

このCDを聴いて、まず思うのは音がいい、録音がいいということです、さすがのSACD、そして日本での優秀な録音。非常に自然な音で、ピアノの音色が実にまろやかで、奥行きがありダイナミックレンジの広さは、目前で弾いているよう。やはり録音のよさは、重要ですねえ。そして、小管さんのピアノ、全体的にゆったりとしたテンポで、非常に丁寧な演奏です。SACDの優秀録音と相俟って、再度言いますがピアノの音色が暖かく、混じりっけがなく澄んでおり、流麗であり、明確であるところは、非常に好感が持てます。そして、小菅さんの曲の解釈が非常に興味深い。ひとつひとつをよく考えての演奏であることがよく伝わって来ます。豪快さとか、力強さやスケールの大きさなどとは少し距離がありますが、細部までこだわった、非常に気持ちの良いベートーヴェンであります。

ます、第9番ホ長調作品14-1。第一楽章アレグロ。押さえ目でゆったりと始まり、明瞭なピアノで一気に駆け抜ける。第二楽章アレグレット。少々ゆったりとして憂愁な情景に覆われる。ピアノの美音により美しさも増幅される、第三楽章ロンド、多少の躍動感が欲しい気がするが、ゆったりとして、安定感に満ちたところもいい。第10番ト長調作品14-2。第一楽章アレグロ、流れるような優美さに満ちた小菅さんのピアノが美しい。第二楽章アンダンテ、主題と3つの変奏曲。行進曲風のコミカルな主題の軽快さがいいです。第三楽章ロンド。軽快でリズミカルなピアノであります。往年の名盤と言われる演奏と比べれば、演奏の深さなど物足りないところがないわけではないですが、これはこれで現代的な名演であります。

このピアノソナタ、全曲が10枚組で出ています。ぜひ、他の8枚も欲しいなと思います。小菅さん、ますます頑張って欲しいものであります。
(SONY SICC10176/7 2014年)
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2 コメント

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小菅さんいいですね。 (エゾフクロウ)
2018-10-10 10:27:37
小生も小菅さんが大好きで、リサイタルにも行き、
また、ベートーヴェンのソナタは全集も持って
います。

演奏も勿論ですが、ご指摘のように録音が良いので、
元来オーディオマニアでもあるので、システムの
試聴用として使用しています。
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コメント、感謝です。 (mikotomochi58)
2018-10-10 21:42:44
エゾフクロウ様、コメントありがとうございます。私も、小管さんのコンサート(ブラームスのP協奏曲1番)を聴きに行きました。小管さんの演奏、往年の大家に比べると、物足りないところもありますが、まあそれはそれとして、いいところを楽しみ聴いています。全集、私も欲しいです。限定盤と言われているので、早く買いたいと思います。またご教示ください。
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