こんなCDを買った!聴いた!

最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

小澤さんの演奏を聴く。

2024年02月18日 23時52分00秒 | ベートーヴェン
前回ワイヤレスイヤホンの紛失事件を述べましたが、それから見つかるはずもなく、途方に暮れておりました。そして結局、新しく買おうということになりました。候補は、SONYかBOSE。値段や機能などを検討した結果、BOSEのQuietComfort Earbudsにしました。一世代前の型です。そのため値段もかなりお安くなりましたが、これならなくさないだろうと思うデカさ。肝心の音は、やはりいつものOSEサウンドですねえ。私は好きです。ノイキャンもいい。嬉しさ一杯であります。

閑話休題。今回は、過日逝去された小澤征爾であります。小澤さんの演奏、私はそれほどのCを持っているわけではありません。そして聴いてきたわけではありません。かなり以前に、1978年のボストン響と公演を大坂フェスで聴いたことを述べました。演目はベルリオーズの幻想交響曲がメインでした。当時、学生でチケット代8500円くらいがかなりキツかったのをよく憶えています。小澤さんも40台前半。元気一杯でしたね。

そして、今手元にあるCDは、ボストン響とのマーラー交響曲全集やサイトウ・キネンOとのベートーヴェンやブラームスの交響曲全集、そしてマーラーやバッハのライブ録音やその他などがあるくらいですかね。それほど熱心な聴き手ではありませんでした。それでも、これらの録音は、小澤さんのよさが存分に聴くことができる演奏であります。特に、サイトウ・キネンOとの演奏は、まずその超豪華メンバーからなるオケにびっくりして、生で聴いたらさぞ凄いだろうなあ、と思ったのでありました。

それで、今回はベートーヴェン交響曲第7番イ長調作品92。1993年9月松本文化会館でのライブ録音。サイトウ・キネン・フェスティバルでのサイトウ・キネンOとの演奏です。小澤さんはここで1993,1997-2002年にベートーヴェン交響曲全曲を演奏しています。この7番はこのチクルスの最初の演奏です。この7番ですが、偶然にも、先週小澤さんの追悼番組で2016年のセイジ・オザワ松本フェスティバルからこの7番の演奏が放送されていました。イスに座って、楽章ごとに横の椅子での休憩を挟みながらの指揮。往時のダイナミックでエネルギッシュな指揮と比べると、動きも少なくなりましたが、鋭い眼光は健在といったところでしょうか。

まずは、ごっつい演奏やなあ、っていう印象。第1楽章から分厚いオケの響きで駆け抜ける。そして、その演奏は至って精緻であり、力強くエネルギッシュ、心がこもっているのでありました。1984年に初めて組織され、活動が始まった小澤さんとこのオケ、1992年サイトウ・キネン・フェスティバル松本が始まり、組織も確立した1993年。いろんなことがしっかりしてきての勢いや充実振りが演奏にも反映しているようですねえ。この両者の演奏、ビデオなどで見ることがあるんですが、オケのみなさん、もうほんとに一生懸命なんですよね。厳しい小澤さんのもと、実に凄まじい集中力を感じさせるんです。そんな中から産み出されるベートーヴェンの演奏であります。

第1楽章、冒頭から分厚い響きと集中力で駆け抜ける。その中で、木管が美しく歌う。これに呼応するかのように、オケも高らかに歌い上げる。それは力強く、堂々としてて揺るぎない。そして表情は、屈託がなく明るいのであります。第2楽章、弦が美しい。客観的で冷静な演奏であるが、それでも力強い悲痛さも十二分に感じられる。明解なオケの演奏で心に訴えるのでありました。そして、後半の2楽章が非常にいいのです。第3楽章。ここまで聴いてきても、小澤さんとサイトウ・キネンOの演奏は実に美しい。一糸乱れぬところの精密さ。それを駆使してのベートーヴェン。それに小澤さんの熱い気持ちがオケに加わり、いたるところ汗がほとばしる。トリオの熱さは尋常ではない。第4楽章でも継続され、力一杯のオケ、ライブ特有の高揚感も加わって、熱気は頂点に達するよう。聴衆も同様であります。

小澤さんのレパートリーは、けっこう広いですよね。私があまり聴かない音楽をかなり録音されていることもあってか、それほど私は小澤さんを聴かなかったのですねえ。うーん、反省しなければいけませんねえ。                   (Philips UCCP-9475 2002年)

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