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こんなCDを買った!聴いた!

最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

ヴァントとシカゴ響とブラームス

2009年01月22日 22時05分07秒 | ブラームス
大寒も過ぎて、一年で最も寒い季節です。ただ、毎日の日没は若干遅くなったな、と思う今日この頃です。職場でも、今週でひとつのヤマを越しまして、一応ホッとする時期となります。こんな時によく風邪をひいたりしますねえ。いやはや。

このブログを始めて、購入するCDの数は、飛躍的に増加しました。去年買った枚数などは、恥ずかしくて言えないほどの無謀な数になりました。まあ、CD一枚あたりの単価が安くなったことも、その背景にはあるんですね。例の激安BOXもこの動きに拍車をかけました。当然、音楽を聴く時間には限界があるわけだから、いうところの「ミチョランマ」も増えるわけです。そんな中で、昔(今から十年以上前くらいかな)に買ったCDもたまには聴かなければいけませんということであります。

そこで、今回はギュンター・ヴァント指揮のシカゴ交響楽団で、ブラームスの交響曲第1番。1989年1月19~21日にヴァントがアメリカ・デビューした際のコンサートのライヴ録音です。ヴァントがブレイクしたころの演奏。ブルックナーの演奏が注目を集め出し、ブラームス、ベートーヴェンのNDRとの録音なども入手しやすくなったころです。そんな中、ヴァントがシカゴ響に客演することになり、そのライブがこれになります。そもそもヴァントは、1990年代になって巨匠への道をひた走り、BPOとのブルックナーで不動の評価を勝ち取ることになるんですね。晩年の評価はなんとも神がかり的なものでした。しかし、ヴァントは、1990年代になって音楽の有り様も大きく変わったんでしょうか。私にはそれほど変わったとは思わないんですね。というより、1980年代のヴァントの演奏は、それは90年代のものに比べても遜色ないものと思うのであります。そして、ブラームスの交響曲全集についても、1982年から85年にかけてのと、1996年から97年にかけての録音があります。ともにNDRです。そして、この中間点で録音されたのが、シカゴ響との交響曲第1番なんですね。アメリカのメジャーなオケとの熱気あふれるブラームスであります。

第1楽章の序奏の速さは、ヴァントの特徴とも言えます。これにあらわされるように、すべての録音でヴァントの曲についての基本的なスタンスは変わらないです。しかし、第1楽章が進むにつれて、ゆっくりめの中で熱気はずんずん高まっていきます。力強い弦に、ティンパニの強打。規則正しいヴァントの造形はなんと美しいことでしょうか。シカゴ響の一糸乱れぬ弦の世界もすばらしい。圧倒的なブラームスの世界を満喫できます。第2楽章、哀愁帯びた木管が、ヴァントらしからぬ艶っぽさを表し、その響きのぶれず、安定したところが極めてヴァント的。それにヴァイオリンのソロが加わり、なんとも憧憬あふれる世界が展開されます。そして第4楽章。やはり、この曲のヤマ場はここ。序奏から極めて雄渾に序奏が展開されます。そして、主題が朗々と歌われ、その前後でのティンパニの強打も心地よい。この主題の演奏には、贅肉を排除したこれもヴァント風であるが、風格を感じさせる。そして、コーダでは、緊張感あふれた怒濤の演奏が展開され、シカゴ響の実力をまざまざと見せつける終曲となります。ヴァントの厳しい演奏にライブの緊張感と高揚感が加わっての名演となりました。
(RCA 60438-2-RC 1990年 輸入盤)

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