こんなCDを買った!聴いた!

最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

カラヤンの田園

2009年01月25日 18時30分56秒 | ベートーヴェン
またまた、寒い週末であります。2月から岡山市では、ごみが有料となります。45㍑の専用のごみ袋を500円で買って出す、ということで、簡単にいうと一袋出せば、50円ということになります。高いのかどうか難しいですが、週2回出すとするなら年間で5000円ほどですか。うーん、なんともであります。そんなわけで、ただの時に不要物を捨てておこうと、実家の整理に励んでいました。

年末に買ったカラヤンのSymphony Edition。ボツボツ聴いてます。これも激安BOX。38枚組で9000円弱。それもカラヤンBPOの全盛期の1970年代のものを集めたということで、至極お買い得。ダブり承知で買いました。ただ、苦労して買ったCDもあり、こんなに安く簡単に買えるとなると、少々気分が悪かったり…。こんな妬み根性はさておき、そのカラヤンBOXから、ベートーヴェンの交響曲。

カラヤンは、ベートーヴェンの交響曲全集を4回録音しているんでしょうか。1950年代にPOと、そして、1960、70、80の年代にBPOとであります。その中で、もっとも評価の高いのは、カラヤンBPOの絶頂期であった1970年代のものでしょうね。1975年から1977年にかけての録音です。これもこのBOXにはちゃんと収められています。それで、その中からどの曲にしようかと迷ったのですが、ここは、交響曲第6番ヘ長調「田園」であります。正直申しまして、「カラヤンの田園なんて誰が聴くねん」と思った時期もありました。カラヤン批判は横行してましたからねえ。これは果たして真理なのか、と言えば、虚心にこの音楽に接すると、首を振らずにはいられませんよねえ。とにかく、BPOがすごい。というかBPOからこんな音を出し、音楽を奏でさせているカラヤンが凄い。ゴージャスな音に堅固な構成力。百人近い奏者の出す音を統御し、音楽という芸術作品にしていくという作業については完璧といえる演奏でありましょう。当然、内面的な深みに乏しいとかの意見もあろうと思いますが、これほどの美音、音の厚み、迫力、それに加わる繊細さ、尋常なものではないですよ。

第1楽章、出だしからテンポは速め。しかし、最初からBPOのそれはもう分厚い音が鳴り響く。特に弦、中でもコントラバスの響きに圧倒される。それが音楽を前へ前へとすごい推進力になっている。豪華絢爛な「田舎に到着したときの晴れやかな気分」。第2楽章、少しもスキのない弦の調べに、木管の響きがうまく調和して、極めて充実した演奏。派手さはないですが、この楽章が一番気に入ってます。まさに「小川のほとりの情景」ですね。そして、第3楽章スケルツォ。ここでも木管の音色がいいです。ホルンもきめてくれます。田舎の舞踊より洗練された感覚がいい。そして嵐の第4楽章。ここでは一転しての凄まじい描写。ティンパニの雷の炸裂。弦の低音での遠雷と、中高音での雨足もうまい。この描写を支えるオケには舌を巻くしかないです。そして、雨上がりの幸福感あふれる第5楽章。感謝あふれるメロディの美しさよりも、オケの緻密な合奏の美しさに心が奪われる。「嵐の後の喜ばしく感謝に満ちた気分」より、感動に満ちた気分を感じてしまいますね。

いやいや、演奏の偉大な力量をまざまざと見せつけられました。カラヤンのベートーヴェン、侮るべからず、恐るべし。でありました。
(DG 4778005 Karajan Symphony Edition 2007 輸入盤)

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